糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)|救急の目安・初期対応・退院後の再発予防

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)|救急の目安・初期対応・退院後の再発予防|0th CLINIC 日本橋
救急の目安を最優先 退院後フォロー・再発予防に強い 日本橋駅3分 / 茅場町駅5分

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
「いま危ない?」を先に判定し、次に“再発を防ぐ”まで

DKAは、インスリン不足によりケトン体が増えて血液が酸性化し、同時に脱水が進む救急疾患です。
このページは、救急受診の目安と、回復後の再発予防(シックデイ・薬剤調整・教育)を「迷わない形」に整理しています。

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※このページは一般的な情報です。症状が強い場合は救急が優先です。軽症に見えても、検査で重症度が判明することがあります。

まずは対話式チェック(YES/NOで判断)

Q1:いま「救急の可能性が高い」症状がありますか?
  • 強い嘔吐・腹痛で水分が取れない
  • 呼吸が深く速い(息が苦しい/あえぐ感じ)
  • 意識がぼんやり、反応が鈍い
  • 極度の口渇・尿が減る、ぐったりする

YES → 119 / 救急外来へ(自分で運転しない)

Q2:血糖が高い(または測れていない)+体調不良ですか?

目安:血糖 200 mg/dL(11 mmol/L)以上、または測定できない状況での強い体調不良。

YES → 早めの医療機関評価(症状が強ければ救急)

Q3:SGLT2阻害薬を内服中ですか?(例:ジャディアンス/フォシーガ等)

SGLT2阻害薬では、血糖がそれほど高くなくてもDKAが起こることがあります(いわゆる“euglycemic DKA”)。

  • 食事が取れない / 嘔吐・下痢 / 発熱
  • 脱水(汗をかいた、飲めていない)
  • 手術・絶食の前後、過度の糖質制限

体調不良+上記があれば、早めに受診(症状が強ければ救急)

Q4:自宅で「今できること」は?(受診までの応急)
  • 運転を避ける(家族に依頼 / 救急要請)
  • 可能なら血糖ケトン(尿/血中)を測る
  • 嘔吐がなければ少量ずつ水分(経口補水液など)
  • インスリン使用中の方は、自己判断で“全部中止”しない(状況により危険)
  • 内服薬・インスリン・センサー情報をまとめて持参

DKAとは

インスリンが不足すると、体は脂肪を分解してエネルギーを作ろうとし、ケトン体が増えます。 ケトン体が過剰になると血液が酸性に傾き(アシドーシス)、高血糖による利尿で脱水も同時に進みます。 その結果、意識障害・ショック・不整脈などへ進行するため、時間との勝負になります。

症状と危険サイン

よくある症状

  • 口渇・多飲、頻尿~尿が減る、脱力
  • 吐き気・嘔吐、腹痛、体重減少
  • 頭痛、集中力低下、だるさ

救急の目安(特に重要)

  • 呼吸が深く速い(息が苦しい)
  • 意識がぼんやり、反応が悪い
  • 水分が取れないほどの嘔吐
  • SGLT2阻害薬内服中の体調不良

診断の目安・検査(医療機関で確認すること)

項目 代表的な目安 補足
血糖 11 mmol/L超(≒ 200 mg/dL超) ただしSGLT2内服中は「血糖が高くないDKA」に注意
ケトン 血中ケトン 3 mmol/L超、または尿ケトン ++以上 血中測定ができると判断が速い
アシドーシス 静脈血 pH < 7.3 かつ/または HCO3 < 15 mmol/L 血液ガス、電解質、腎機能などを総合評価

※上記は代表的な目安です。実際はバイタル・脱水所見・電解質(特にK)・合併症を含めて医療機関で総合判断します。

医療機関での初期対応(概略)

施設により細部は異なりますが、考え方は共通しています。特に補液インスリンカリウム(K)の管理が重要です。

1
まず補液
脱水を是正し、循環・腎機能を立て直す。ショックが疑われる場合は迅速に。
2
インスリン持続投与(例:体重あたり一定量)
ケトン体を下げ、アシドーシスを改善する。血糖が下がったら低血糖を避けつつ「ケトンが消えるまで」継続。
3
K(カリウム)を頻回に評価して補正
インスリンでKが細胞内へ移動し、不整脈リスクが上がることがあるため、K管理は最重要。
4
誘因を治療
感染、インスリン中断、心血管イベント、手術・絶食、薬剤などを検索し対処。
5
「DKAが解消した」判定
代表的には、血中ケトン <0.6 mmol/L かつ 静脈血 pH >7.3 を目安にします(施設基準に従います)。

退院後に大事なこと(再発予防)

再発の“よくある原因”

  • 感染症(風邪・肺炎・尿路感染など)
  • インスリンの中断(自己判断・供給不足・デバイス不具合)
  • 脱水(飲めない、下痢、発熱、過度の運動)
  • 手術・絶食、過度な糖質制限

“次に備える”チェックリスト

  • シックデイルール(いつ測る/何を中止しない/いつ受診)を紙で持つ
  • ケトン測定(尿/血中)の準備
  • インスリン・針・センサーの予備とアラート設定
  • 「受診が必要な症状」を家族と共有
当院では、退院後のフォローで「処方の再設計」「再発トリガーの潰し込み」「生活の現実に合う運用(アラーム・デバイス・備蓄)」まで一緒に整えます。

SGLT2阻害薬と“血糖が高くないDKA”(euglycemic DKA)

SGLT2阻害薬では、血糖が目立って高くなくてもDKAが起こることがあります。体調不良時は「血糖だけで安心しない」ことが重要です。

注意が必要な場面
  • 発熱、嘔吐・下痢、食事が取れない
  • 脱水(飲めていない、汗をかいた)
  • 手術・検査などで絶食
  • 極端な糖質制限
周術期の目安(一般的な注意)

手術や絶食を予定している場合、SGLT2阻害薬は少なくとも3日前に中止が推奨される運用が一般的です。
なおertugliflozin少なくとも4日前の中止が記載されています。
※必ず主治医・実施施設の指示に従ってください。

当院でできること(救急の後に価値が出る領域)

1)退院後フォロー

  • インスリン再設計(基礎/追加、自己調整のルール化)
  • 再発リスクの評価(誘因の洗い出し、感染対策、デバイス運用)
  • 検査(HbA1c、腎機能、電解質、合併症チェック など)

2)“次のDKAを防ぐ”外来

  • シックデイルールを生活に落とす(紙1枚に要点化)
  • 血糖・ケトン測定の具体的運用(いつ/何回/どこで)
  • SGLT2阻害薬の適正使用(中止判断を含む)

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よくある質問

いつ119番や救急外来に行くべきですか?
強い嘔吐/腹痛で水分が取れない、深く速い呼吸、意識がぼんやり、極度の口渇・尿が減る、SGLT2阻害薬内服中の体調不良は救急受診の目安です。自分で運転しないでください。
血糖がそこまで高くないのにDKAになることはありますか?
あります。特にSGLT2阻害薬内服中は「血糖が高くないDKA」が起こり得ます。体調不良時は血糖だけで判断せず、早めに受診してください。
どのくらいで回復しますか?
重症度や誘因によりますが、適切な治療でケトンとアシドーシスは改善に向かいます。退院後は「なぜ起きたか」を潰して再発予防まで整えるのが重要です。
退院後にまず整えるべきことは?
シックデイルール(測定頻度・受診目安)、ケトン測定の準備、インスリン/デバイスの運用(予備・アラート)を整えることが重要です。当院では外来で一緒に設計します。
SGLT2阻害薬は手術や絶食の前に止める必要がありますか?
一般に「少なくとも3日前(ertugliflozinは少なくとも4日前)」の中止が推奨される運用が多いです。必ず主治医・実施施設の指示に従ってください。

医師からのコメント・監修

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)|救急の目安・初期対応・退院後の再発予防
「DKAは“時間との勝負”です。危険サインがある場合は迷わず救急へ。回復後は“なぜ起きたか”を整理し、再発を防ぐ仕組みまで作ることが最重要です。」

当院では、退院後のフォロー外来で、インスリン・薬剤・生活の現実に沿った運用を一緒に設計します。

監修:黒田 揮志夫 医師(0th CLINIC 日本橋 院長)
医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/プライマリ・ケア連合学会認定 プライマリ・ケア認定医/日本医師会認定 産業医・健康スポーツ医

最終更新日:2026-02-02

0th CLINIC 日本橋 アクセス情報

〒103-0027
東京都中央区日本橋2丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4F

※1F入口で部屋番号「401」を押してお入りください。

■ 日本橋駅 徒歩3分
東京メトロ銀座線・東西線、都営地下鉄浅草線「D1出口」

■ 茅場町駅 徒歩5分
東京メトロ日比谷線「12番出口」

※お車でお越しの場合は、近隣のコインパーキング等をご利用ください。

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