糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)|救急の目安・初期対応・退院後の再発予防
糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
「いま危ない?」を先に判定し、次に“再発を防ぐ”まで
DKAは、インスリン不足によりケトン体が増えて血液が酸性化し、同時に脱水が進む救急疾患です。
このページは、救急受診の目安と、回復後の再発予防(シックデイ・薬剤調整・教育)を「迷わない形」に整理しています。
まずは対話式チェック(YES/NOで判断)
Q1:いま「救急の可能性が高い」症状がありますか?
- 強い嘔吐・腹痛で水分が取れない
- 呼吸が深く速い(息が苦しい/あえぐ感じ)
- 意識がぼんやり、反応が鈍い
- 極度の口渇・尿が減る、ぐったりする
YES → 119 / 救急外来へ(自分で運転しない)
Q2:血糖が高い(または測れていない)+体調不良ですか?
目安:血糖 200 mg/dL(11 mmol/L)以上、または測定できない状況での強い体調不良。
YES → 早めの医療機関評価(症状が強ければ救急)
Q3:SGLT2阻害薬を内服中ですか?(例:ジャディアンス/フォシーガ等)
SGLT2阻害薬では、血糖がそれほど高くなくてもDKAが起こることがあります(いわゆる“euglycemic DKA”)。
- 食事が取れない / 嘔吐・下痢 / 発熱
- 脱水(汗をかいた、飲めていない)
- 手術・絶食の前後、過度の糖質制限
体調不良+上記があれば、早めに受診(症状が強ければ救急)
Q4:自宅で「今できること」は?(受診までの応急)
- 運転を避ける(家族に依頼 / 救急要請)
- 可能なら血糖とケトン(尿/血中)を測る
- 嘔吐がなければ少量ずつ水分(経口補水液など)
- インスリン使用中の方は、自己判断で“全部中止”しない(状況により危険)
- 内服薬・インスリン・センサー情報をまとめて持参
DKAとは
インスリンが不足すると、体は脂肪を分解してエネルギーを作ろうとし、ケトン体が増えます。 ケトン体が過剰になると血液が酸性に傾き(アシドーシス)、高血糖による利尿で脱水も同時に進みます。 その結果、意識障害・ショック・不整脈などへ進行するため、時間との勝負になります。
症状と危険サイン
よくある症状
- 口渇・多飲、頻尿~尿が減る、脱力
- 吐き気・嘔吐、腹痛、体重減少
- 頭痛、集中力低下、だるさ
救急の目安(特に重要)
- 呼吸が深く速い(息が苦しい)
- 意識がぼんやり、反応が悪い
- 水分が取れないほどの嘔吐
- SGLT2阻害薬内服中の体調不良
診断の目安・検査(医療機関で確認すること)
| 項目 | 代表的な目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 血糖 | 11 mmol/L超(≒ 200 mg/dL超) | ただしSGLT2内服中は「血糖が高くないDKA」に注意 |
| ケトン | 血中ケトン 3 mmol/L超、または尿ケトン ++以上 | 血中測定ができると判断が速い |
| アシドーシス | 静脈血 pH < 7.3 かつ/または HCO3– < 15 mmol/L | 血液ガス、電解質、腎機能などを総合評価 |
※上記は代表的な目安です。実際はバイタル・脱水所見・電解質(特にK)・合併症を含めて医療機関で総合判断します。
医療機関での初期対応(概略)
施設により細部は異なりますが、考え方は共通しています。特に補液とインスリンとカリウム(K)の管理が重要です。
退院後に大事なこと(再発予防)
再発の“よくある原因”
- 感染症(風邪・肺炎・尿路感染など)
- インスリンの中断(自己判断・供給不足・デバイス不具合)
- 脱水(飲めない、下痢、発熱、過度の運動)
- 手術・絶食、過度な糖質制限
“次に備える”チェックリスト
- シックデイルール(いつ測る/何を中止しない/いつ受診)を紙で持つ
- ケトン測定(尿/血中)の準備
- インスリン・針・センサーの予備とアラート設定
- 「受診が必要な症状」を家族と共有
SGLT2阻害薬と“血糖が高くないDKA”(euglycemic DKA)
SGLT2阻害薬では、血糖が目立って高くなくてもDKAが起こることがあります。体調不良時は「血糖だけで安心しない」ことが重要です。
- 発熱、嘔吐・下痢、食事が取れない
- 脱水(飲めていない、汗をかいた)
- 手術・検査などで絶食
- 極端な糖質制限
手術や絶食を予定している場合、SGLT2阻害薬は少なくとも3日前に中止が推奨される運用が一般的です。
なおertugliflozinは少なくとも4日前の中止が記載されています。
※必ず主治医・実施施設の指示に従ってください。
当院でできること(救急の後に価値が出る領域)
1)退院後フォロー
- インスリン再設計(基礎/追加、自己調整のルール化)
- 再発リスクの評価(誘因の洗い出し、感染対策、デバイス運用)
- 検査(HbA1c、腎機能、電解質、合併症チェック など)
2)“次のDKAを防ぐ”外来
- シックデイルールを生活に落とす(紙1枚に要点化)
- 血糖・ケトン測定の具体的運用(いつ/何回/どこで)
- SGLT2阻害薬の適正使用(中止判断を含む)
退院後フォロー/再発予防の相談はLINEから
LINEで予約するよくある質問
いつ119番や救急外来に行くべきですか?
血糖がそこまで高くないのにDKAになることはありますか?
どのくらいで回復しますか?
退院後にまず整えるべきことは?
SGLT2阻害薬は手術や絶食の前に止める必要がありますか?
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