ステロイド誘発性糖尿病(SID)|“治療とステロイドを両立”する血糖マネジメント|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

糖尿病合併妊娠(既往糖尿病妊娠)|“母体も赤ちゃんも”守る周産期チームケア|日本橋の内科 0th CLINIC ステロイド誘発性糖尿病(SID)|“治療とステロイドを両立”する血糖マネジメント|日本橋の内科 0th CLINIC

ステロイド誘発性糖尿病(SID)|治療と血糖コントロールを両立

グルココルチコイド(プレドニゾロン/デキサメタゾン等)は昼〜夕方の高血糖を起こしやすく、既存糖尿病の悪化や新規発症(SID)の原因になります。
当院ではSMBG/CGMでの時相に合わせた評価と、食事・薬物(経口薬/インスリン)の最適化、減量時の低血糖予防まで包括管理します。

当院で診察・治療を行っています。原疾患の主治医(膠原病/呼吸器/血液・腫瘍など)と連携し、ステロイド治療を継続しながら血糖を安全に整えます。

概要(ステロイド誘発性糖尿病:SID)

ステロイドは肝糖新生↑・末梢インスリン抵抗性↑を介して高血糖を招きます。朝1回のプレドニゾロンでは昼~夕方/就寝前に、長時間作用型(デキサメタゾン等)や分割投与では1日を通じて上昇しやすくなります。

高血糖の“出かた”と薬剤(例)

ステロイド・用法典型的な血糖パターン治療の考え方(例)
プレドニゾロン 朝1回 昼〜夕方の食後高血糖が目立つ 朝NPH/中間型や昼食前の追加インスリンを検討
デキサメタゾン/分割投与 1日を通じて持続的に高い 基礎+追加(Basal-Bolus)で24hカバー
パルス・高用量 急峻に上昇、数日で変動 短期的にインスリン強化、減量に合わせ速やかに縮小

スクリーニング/モニタリング

  • 初期:投与開始〜増量時は昼・夕の食後を中心にSMBG(例:朝前/昼後/夕後/就寝前)。可能ならCGMで日内変動を可視化。
  • 指標:外来では前値 80–130 mg/dL食後ピーク 180 mg/dL未満を目安に個別化。
  • リスク:高齢/腎機能低下/肥満/既存耐糖能異常/感染・手術/がん化学療法など。

診断の目安(外来)

  • HbA1cは過去の血糖反映で急性変化を捉えにくいため、SMBG/CGMの実測を重視。
  • 高血糖が反復(例:2回以上の食後 ≥200 mg/dL随時 ≥200 mg/dL+症状など)すればSIDとして介入を検討。
  • ケトン陽性・著明高血糖は速やかに強化療法へ。

治療(外来の基本戦略)

  • 生活:主食の配分を昼・夕にやや控え、たんぱく質/食物繊維を前半に。軽い有酸素+レジスタンスを安全範囲で。
  • 経口薬DPP-4阻害薬は食後高血糖に相性良。メトホルミンは腎機能と消化器症状に留意。SGLT2は脱水・ケトンリスク/感染に配慮し個別判断。
  • インスリン
    • 朝プレドニゾロン朝NPH(中間型)±昼・夕の追加でピークをカバー。
    • 長時間作用/分割投与基礎(グラルギン等)+食事毎の追加で24時間管理。
    • 導入量の目安:PSL換算10 mgあたり ~0.1 U/kg/日を起点に、SMBG/CGMで日々微調整。
  • 低血糖予防ステロイド減量/中止時は即日用量を見直し。夜間低血糖はセンサー/就寝前点検で回避。
  • 併用薬・感染:スタチン/降圧薬/抗血小板等の再評価、創感染・尿路感染の早期治療。

フォロー間隔の目安(個別条件で前後します)

フェーズ目安主なチェック
導入・増量直後3–7日以内昼・夕のピーク、低血糖の有無、用量調整
安定化2–4週ごとSMBG/CGM、体重/血圧、腎機能、併用薬
減量/中止時48–72時間以内低血糖の予防、用量の段階的縮小

よくある質問

ステロイドは中止すべきですか?
いいえ。原疾患の治療が最優先です。血糖は当院で調整し、治療とコントロールの両立を図ります。
いつからインスリンが必要?
食後200 mg/dL以上が反復、随時250–300 mg/dL、症状やケトン陽性、感染合併などでは早期導入が安全です。
ステロイド減量時の注意は?
その日から血糖が下がる場合があり、低血糖に注意。事前に減量幅と血糖薬の調整計画を一緒に決めます。

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病治療では、血糖値を下げるための薬を使うことがあります。
病態や合併症の有無に応じて、内服薬や注射薬を適切に組み合わせて治療します。

🔷 主な内服薬(経口血糖降下薬)

  • ビグアナイド薬(メトホルミンなど)
    ─ 肝臓での糖の産生を抑える。体重が気になる方にも適応されます。
  • SGLT2阻害薬
    ─ 尿から糖を排出する薬。体重減少や血圧改善も期待されます。
  • DPP-4阻害薬
    ─ 食後のインスリン分泌を助ける薬。低血糖を起こしにくいのが特徴です。
  • スルホニル尿素薬(SU薬)
    ─ インスリン分泌を促進する薬。やや低血糖を起こしやすいので注意。
  • α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
    ─ 糖の吸収をゆっくりにすることで、食後高血糖を抑えます。

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

  • インスリン製剤
    ─ 血糖値を直接下げるホルモンを補う薬。1型糖尿病や重症の2型糖尿病で使用。
  • GLP-1受容体作動薬
    ─ インスリン分泌を促進し、食欲を抑える注射薬。週1回の製剤もあり、肥満のある方にも有効です。

📋 副作用や注意点

  • 低血糖(特にSU薬・インスリン使用中)
  • 吐き気・食欲不振(GLP-1受容体作動薬)
  • 尿路感染症・脱水(SGLT2阻害薬)
  • 腎機能や肝機能の状態により、使用できない薬もあります

🏥 通院・血液検査が大切です

糖尿病は「症状が出にくい」慢性疾患です。
自己判断で薬を中断せず、定期的に診察・HbA1cや腎機能の検査を受けて、合併症を予防しましょう。

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病の治療薬は多岐にわたります。以下は、日本国内で使用される代表的な薬剤とその特徴をまとめたものです。

🟢 経口血糖降下薬(内服薬)

① ビグアナイド薬(Biguanides)

② スルホニル尿素薬(SU薬)

③ 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系)

④ α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)

⑤ チアゾリジン薬(TZD)

⑥ DPP-4阻害薬

⑦ SGLT2阻害薬

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

① GLP-1受容体作動薬

② インスリン製剤(分類別)

それぞれの薬剤は、患者さんの体質・合併症・ライフスタイルに応じて選択されます。
詳しくは医師にご相談ください。

GLP-1受容体作動薬の作用メカニズム

ステロイド誘発性糖尿病(SID)|“治療とステロイドを両立”する血糖マネジメント|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌促進食欲抑制胃の排出遅延などの作用を通じて血糖値をコントロールします。
また、体重減少効果もあることから、2型糖尿病や肥満治療にも用いられます。

こんな方はご相談ください

  • のどが渇く、水をたくさん飲む
  • 尿の量や回数が増えた
  • 食欲があるのに体重が減る
  • 疲れやすい、だるい
  • 手足のしびれ
  • ケガが治りにくい
  • 健康診断で血糖値やHbA1cが高いと言われた

症状から探す

ステロイド誘発性糖尿病(SID):外部エビデンスまとめ

公的機関・国際学会・主要ジャーナルのガイドライン/レビュー/RCT等を厳選(運用:スクリーニング→診断→目標→治療(外来/入院)→退院・減量時)。

当院はステロイド治療と血糖コントロールの両立を支援(当院で診察・治療)します。原疾患の主治医と連携し、安全な目標達成を目指します。

📘 総論・枠組み

🔎 スクリーニング・診断

🎯 目標・モニタリング

💊 治療(外来/入院の実際)

🧭 退院・外来移行/減量時の注意

📚 参考(追加エビデンス)

※ 各リンクは外部サイト(公的機関・国際学会・主要ジャーナル)です。実臨床では患者背景(腎機能・感染・腫瘍/移植・投与ステロイドの種類/用法)に合わせ、院内プロトコルとガイドライン本文のアルゴリズムに準拠して個別化してください。

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