トルリシティ(デュラグルチド)|週1回のGLP-1注射:使い方・副作用(吐き気/低血糖)・打ち忘れ
トルリシティ(デュラグルチド)|週1回のGLP-1注射
トルリシティ(一般名:デュラグルチド)は、GLP-1受容体作動薬に分類される週1回投与の注射薬です。
2型糖尿病の血糖コントロールを目的に用いられ、内服が多い方の「週1回化」や、継続しやすい運用がメリットになります。
一方で、吐き気・下痢などの消化器症状、併用薬によっては低血糖、まれに膵炎が疑われる症状などに注意が必要です。
まず結論:トルリシティは「続けやすさ」を重視した週1回GLP-1
向いていることが多いケース
- 内服が多く、治療の実行性を上げたい(週1回化)
- 自己注射が不安でも、シンプルな手順で運用したい
- 低血糖を避けつつ、血糖の土台を整えたい(併用薬調整は必要)
- 高齢・やせ型などで、急な体重減少を避けながらGLP-1を検討したい(個別判断)
開始前に必ず確認したいこと
- 現在の治療(インスリン・SU薬など)→低血糖対策が必要
- 吐き気・食欲低下が強い体質/脱水リスク
- 膵炎の既往、胆石・胆のう疾患が疑われる症状
- 妊娠・授乳、重い胃腸症状がある場合は要相談
※肥満症単独の目的での使用は、適応や保険の扱いが異なります。目的と適応を診察で確認します。
薬剤の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般名 | デュラグルチド(Dulaglutide) |
| 薬効分類 | GLP-1受容体作動薬 |
| 剤形 | 皮下注射(ペン型/使い捨ての例) |
| 投与頻度 | 週1回(同じ曜日を基本に運用) |
| 適応(代表例) | 2型糖尿病(単剤または他剤併用:状況により医師が判断) |
| 特徴 |
週1回投与で、アドヒアランス(続けやすさ)を高めやすい設計。 消化器症状は起こり得るため、体調・食事量・体重・脱水を見ながら運用します。 |
どう効く?(作用のイメージ)
主な作用
- 血糖に応じてインスリン分泌を促す(※血糖依存性のため単剤では低血糖は起こりにくい)
- グルカゴン分泌を抑え、血糖上昇を抑制
- 胃排出をゆるやかにし、食後血糖の上昇を抑える方向に働くことがあります
運用で大切なポイント
- 吐き気・食欲低下が強いときは無理をしない(脱水予防)
- インスリン/SU薬併用時は低血糖対策が最重要
- 体重が少ない方・高齢者では体重減少のし過ぎに注意(個別に調整)
使い方(注射の基本)
原則は週1回、同じ曜日に皮下注射します。食事の影響を受けにくく、時間帯は生活リズムに合わせて設計できます。 実際の手順は製剤・用量・指導内容で異なるため、初回は必ず医療者の指導に従ってください。
注射部位(ローテーション)
- 腹部・大腿・上腕(指導により選択)
- 毎回同じ場所に打たず、少しずらしてローテーション
- 皮膚の発赤・硬結が続く場合は相談
保管の考え方(一般論)
- 基本は冷蔵保管(凍結は避ける)
- 外出・旅行時は温度管理に注意
- 詳細は薬剤ラベル・薬局の説明・添付文書に従う
打ち忘れたとき(ミスドーズ)の考え方
一般的な考え方として、次回予定まで3日以上空いていれば、気づいた時点で注射し、その後は新しい曜日で週1回に戻します。 3日未満なら今回はスキップして元の予定日に戻す運用が多いです。迷う場合は受診先に確認してください。
※併用薬(インスリン/SU薬など)がある場合、低血糖リスクや調整が絡むため、自己判断が難しいことがあります。
副作用・注意点(ここが重要)
比較的よくある症状
- 吐き気、食欲低下、胃もたれ
- 下痢、便秘、腹部不快感
- 注射部位の軽い赤み・かゆみ
消化器症状が強い場合は、脱水を避けるため水分摂取に注意し、早めにご相談ください。
低血糖に注意(併用時)
- 単剤では低血糖は起こりにくい一方、インスリンやSU薬等と併用するとリスクが上がる
- 開始時・増量時は、低血糖症状(冷汗・手のふるえ・動悸など)を確認
- 必要に応じて併用薬を事前に減量/調整
受診の目安(緊急性が高い可能性)
- 強い持続する上腹部痛(背部へ抜ける痛み、嘔吐を伴う等):膵炎などの可能性
- 水分がとれないレベルの嘔吐・下痢が続く:脱水、腎機能悪化のリスク
- 意識が遠のく、けいれん、強い冷汗など:重い低血糖の可能性
※上記が疑われる場合は自己判断で我慢せず、早めに医療機関へご相談ください。
「体重が少ない方/高齢者」での運用のコツ
- 食事量・体重・活動量(フレイル指標)を定期的に確認し、減りすぎを避ける
- 吐き気が強いときは増量を急がず、必要に応じて治療設計を見直す
- 利尿薬・SGLT2阻害薬併用時は体液管理に一段と注意
薬価と自己負担の目安(参考)
※薬価は改定で変わります。ここでは「外来での自己負担のイメージ」を掴むための参考値として掲載します(診察・管理料・検査・調剤関連費用は別途)。
| 製剤(例) | 薬価(1キット) | 3割負担 | 1割負担 |
|---|---|---|---|
| トルリシティ皮下注 0.75mg | 2,749円 | 約825円 | 約275円 |
| トルリシティ皮下注 1.5mg | 5,498円 | 約1,649円 | 約550円 |
補足
- 上表は薬剤費の目安で、初診料・管理料・検査費・処方/調剤料などは別途加算されます。
- 適応・用量・併用薬により最適な設計は変わります(肥満症単独目的は扱いが異なる場合があります)。
よくある質問(FAQ)
Q. 週1回、いつ打てばいいですか?
原則は週1回、同じ曜日に皮下注射します。食事の影響を受けにくく、時間帯は生活リズムに合わせて決めることが多いです。 医師・薬剤師から具体的な指示がある場合は、それに従ってください。
Q. 打ち忘れたらどうすればいい?
一般的には、次回予定まで3日以上空いていれば気づいた時点で注射し、その後は新しい曜日で週1回に戻します。 3日未満なら今回はスキップして元の予定日に戻す運用が多いです。迷う場合は受診先へ確認してください。
Q. 吐き気や下痢がつらいときは?
消化器症状は起こり得ます。多くは一時的ですが、つらい場合は脱水を避けるため水分摂取に注意し、早めに相談してください。 併用薬や体調により、治療設計の見直しが必要なことがあります。
Q. 低血糖は起こりますか?
単剤では低血糖は起こりにくい一方、インスリンやSU薬などと併用すると低血糖リスクが上がることがあります。 併用時は用量調整や自己血糖測定が重要です。
※本ページは一般向け情報です。最終的な適応・用量・併用・中止の判断は診察で個別に決定します。
受診・ご相談(糖尿病/生活習慣病)
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最終更新:
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注意・免責
- 本ページは一般向け解説であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 用量・併用薬・投与の可否は、年齢・体重・腎機能・既往・低血糖リスクなどで変わります。
- 強い腹痛、持続する嘔吐/下痢、意識障害などがある場合は、自己判断で継続せず早めに医療機関へご相談ください。
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