二次性糖尿病(薬剤性・内分泌性・膵性 など)のご相談なら|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

二次性糖尿病(薬剤性・内分泌性・膵性 など)のご相談なら|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

二次性糖尿病(薬剤性・内分泌性・膵性 など)|原因に合わせて“直す+下げる”を両立

薬剤・ホルモン異常・膵疾患・移植後など、原因を正しく見極めて対処しながら、安全な血糖管理を同時に進めます。

二次性糖尿病とは(Secondary Diabetes Mellitus)

糖尿病自体が主因ではなく、薬剤・内分泌疾患・膵疾患・移植関連・遺伝性疾患などが原因となる病型です。原因治療(減量・中止・手術・内科治療)血糖降下治療並走させることが要点です。

疑うサイン(鑑別のヒント)

  • 新しい薬剤の開始/増量後に高血糖(とくにステロイド日中ピーク)
  • 体重減少・筋力低下・皮膚変化・血圧上昇などホルモン過剰の兆候
  • 膵疾患の既往(慢性膵炎・膵切除・膵癌 等)や栄養不良
  • 臓器移植後/免疫抑制薬の使用歴
  • 嚢胞性線維症・血色素沈着症(ヘモクロマトーシス)など基礎疾患の存在

診断フロー(当院の基本ステップ)

  1. 問診・内服/注射歴(開始日・増量日)+身体所見(内分泌サイン)
  2. 基本検査:HbA1c、空腹時/随時血糖、腎肝機能、脂質、尿糖・尿ケトン
  3. 追加検査(疑いに応じて):
    クッシング(デキサ低用量抑制/ACTH/コルチゾール)、先端巨大症(GH/IGF-1)、褐色細胞腫(メタネフリン)、
    膵性(膵画像・栄養指標・便中エラスターゼ)、CFRD(OGTT/年1回) など
  4. 重症度評価:著明高血糖・ケトン陽性・脱水は救急優先
  5. 原因治療と血糖治療の同時設計(安全第一)

自己免疫性やモノジェニック糖尿病が紛れることもあるため、必要に応じて自己抗体・Cペプチド・遺伝学的検査を検討します。

原因別:薬剤性(Drug-induced Diabetes)

  • グルココルチコイド(プレドニゾロン等):日中の高血糖が典型。投与タイミングに合わせた日中カバーのインスリンや基礎-追加の調整が有効。
  • 抗精神病薬(オランザピン等):体重増・インスリン抵抗性↑。体重・血圧・脂質・HbA1cの定期モニタ。
  • 免疫チェックポイント阻害薬:自己免疫性に急性発症しDKAになることあり。早期インスリンで安全管理。
  • カルシニューリン/mTOR阻害薬(タクロリムス等):移植後糖尿病の主要因。薬剤血中濃度・レジメン調整を移植科と連携。
  • 抗HIV薬の一部:インスリン抵抗性・脂質異常。感染症科と連携しレジメン再検討。

原因別:内分泌性(Hormone-excess/Defect)

  • クッシング症候群:糖新生↑・インスリン抵抗性↑。原因治療(外科/内科)+血糖管理。
  • 先端巨大症:GH/IGF-1過剰による強い抵抗性。原因治療に並走して血糖治療。
  • 褐色細胞腫/パラガングリオーマ:カテコラミン過剰で高血糖・耐糖能異常。
  • 甲状腺機能異常原発性アルドステロン症などでも血糖影響あり、総合的に調整。

原因別:膵性(3c型)・嚢胞性線維症関連(CFRD)

  • 膵性糖尿病(Type 3c):慢性膵炎・膵切除・膵癌など。インスリンだけでなくグルカゴンも不足し低血糖に脆弱。栄養療法・膵酵素補充を含め総合管理。
  • CFRD:10歳以降は年1回のOGTT推奨。治療はインスリン第一選択が原則。

原因別:移植後糖尿病(PTDM)・HIV治療関連

  • PTDM:免疫抑制薬(タクロリムス/ステロイド等)や感染・拒絶反応が関与。移植科と連携し薬剤最適化+インスリン/経口薬を個別に設計。
  • HIV治療関連:インスリン抵抗性・脂肪異常症を伴い得るため、内分泌/感染症の協働が重要。

治療の全体像(原因治療 × 血糖管理)

  • 原因治療:薬剤減量・置換、ホルモン過剰の外科/内科治療、膵疾患の専門治療。
  • 血糖治療:生活習慣+インスリン/経口薬
    ・ステロイド誘発では日中ピークに合わせたレジメン
    ・膵性/CFRDはインスリン中心、低血糖教育を徹底
  • テクノロジー:短期装着センサーやCGMで「上がる時間帯」を可視化し、Time in Rangeを改善。

ステロイド誘発高血糖の実務的コツ

  • 服用開始〜増量後は1〜2週間の頻回モニタ(SMBG/短期CGM)。
  • 午前内服なら日中に効くインスリンを軸に。減量時は低血糖に注意して逐次調整。
  • 外来・入院いずれでもアルゴリズムに沿って安全に調整(持参薬・腎機能を考慮)。

低血糖・DKA/HHS・シックデイルール

  • 低血糖:ブドウ糖15g→15分後再測(15ルール)。SU/インスリン使用時は職場・学校へ共有。
  • DKA/HHS:強い口渇・嘔吐・意識変容・深呼吸などは救急受診。SGLT2使用中は正ケトアシドーシスに注意。
  • シックデイ基礎インスリンは止めない/水分・電解質確保/血糖・ケトン頻回測定。

食事・運動・生活(原因を問わず)

  • 食事:主食量の適正化・ベジファースト・清涼飲料を控える。膵性では栄養不足回避と酵素補充も検討。
  • 運動:週150分の有酸素+週2回の筋トレ。低血糖リスク時は測定・補食・アラート。
  • 睡眠・禁煙:7時間目安、禁煙は強く推奨。

妊娠・授乳・避妊

  • 妊娠前からの計画(葉酸・薬剤見直し・血圧/甲状腺/体重)と、インスリン中心の安全管理。
  • ステロイドなど母体治療が必要な場合は、産科・各科と三者連携で最小有害・最大有益を図ります。

学校・職場・旅行・手術

  • 学校/職場:低血糖対応メモ・連絡体制・ブドウ糖/グルカゴン常備。
  • 旅行:薬剤・センサー・針の予備、英文診断書。時差のある場合は事前に時間帯別血糖を想定して計画。
  • 手術:麻酔科・各科と術前に血糖/薬剤計画(絶食・点滴・インスリン調整)。

フォローアップ(外来の目安)

  • 受診間隔:治療変更期は1〜3か月、安定後は3〜6か月。
  • 検査:HbA1c、体重、血圧、腎機能・尿アルブミン、脂質。必要に応じてホルモン検査・膵酵素・画像など。
  • 合併症管理:網膜・腎・神経は一般の糖尿病と同様にスクリーニング。

よくある質問

原因が治れば糖尿病も治りますか?
クッシングなど原因治療で大きく改善する例はあります。一方で膵性や移植後などでは継続的な血糖治療が必要なこともあります。
まず何を確認すべき?
薬剤歴(開始・増量・中止)と内分泌のサイン、膵疾患の既往です。基礎検査に加え、疑いに応じてホルモン検査や画像を行います。
ステロイドはやめるべき?
原疾患のコントロールが最優先です。主治医と相談しながら、投与量・時間に合わせて血糖治療を最適化します。
どの薬が向いていますか?
原因により異なります。ステロイド誘発は日中カバー重視、膵性/CFRDはインスリン中心、PTDMは移植科と協議し個別設計します。
運動や食事はどうすれば?
一般的な糖尿病食と運動が基本ですが、膵性では栄養不足回避・酵素補充など個別配慮が必要です。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修(二次性糖尿病)

二次性糖尿病(薬剤性・内分泌性・膵性 など)のご相談なら|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)
「二次性糖尿病は“原因を正す”ことが肝心です。同時に低血糖やDKA/HHSを避ける安全な血糖管理が欠かせません。薬の開始・増量や内分泌サインに気づいたら、早めにご相談ください。」
  • 薬剤歴・ホルモン評価・膵疾患の有無を系統的にチェック
  • 短期センサーやCGMで“上がる時間帯”を見える化し、過不足なく治療。
  • 移植・産科・精神科・感染症科などと多職種連携で安心を高めます。
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/外科病理医/プライマリケア認定医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/日本プライマリケア連合学会認定 プライマリケア認定医

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病治療では、血糖値を下げるための薬を使うことがあります。
病態や合併症の有無に応じて、内服薬や注射薬を適切に組み合わせて治療します。

🔷 主な内服薬(経口血糖降下薬)

  • ビグアナイド薬(メトホルミンなど)
    ─ 肝臓での糖の産生を抑える。体重が気になる方にも適応されます。
  • SGLT2阻害薬
    ─ 尿から糖を排出する薬。体重減少や血圧改善も期待されます。
  • DPP-4阻害薬
    ─ 食後のインスリン分泌を助ける薬。低血糖を起こしにくいのが特徴です。
  • スルホニル尿素薬(SU薬)
    ─ インスリン分泌を促進する薬。やや低血糖を起こしやすいので注意。
  • α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
    ─ 糖の吸収をゆっくりにすることで、食後高血糖を抑えます。

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

  • インスリン製剤
    ─ 血糖値を直接下げるホルモンを補う薬。1型糖尿病や重症の2型糖尿病で使用。
  • GLP-1受容体作動薬
    ─ インスリン分泌を促進し、食欲を抑える注射薬。週1回の製剤もあり、肥満のある方にも有効です。

📋 副作用や注意点

  • 低血糖(特にSU薬・インスリン使用中)
  • 吐き気・食欲不振(GLP-1受容体作動薬)
  • 尿路感染症・脱水(SGLT2阻害薬)
  • 腎機能や肝機能の状態により、使用できない薬もあります

🏥 通院・血液検査が大切です

糖尿病は「症状が出にくい」慢性疾患です。
自己判断で薬を中断せず、定期的に診察・HbA1cや腎機能の検査を受けて、合併症を予防しましょう。

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病の治療薬は多岐にわたります。以下は、日本国内で使用される代表的な薬剤とその特徴をまとめたものです。

🟢 経口血糖降下薬(内服薬)

① ビグアナイド薬(Biguanides)

② スルホニル尿素薬(SU薬)

③ 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系)

④ α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)

⑤ チアゾリジン薬(TZD)

⑥ DPP-4阻害薬

⑦ SGLT2阻害薬

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

① GLP-1受容体作動薬

② インスリン製剤(分類別)

それぞれの薬剤は、患者さんの体質・合併症・ライフスタイルに応じて選択されます。
詳しくは医師にご相談ください。

GLP-1受容体作動薬の作用メカニズム

二次性糖尿病(薬剤性・内分泌性・膵性 など)のご相談なら|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌促進食欲抑制胃の排出遅延などの作用を通じて血糖値をコントロールします。
また、体重減少効果もあることから、2型糖尿病や肥満治療にも用いられます。

こんな方はご相談ください

  • のどが渇く、水をたくさん飲む
  • 尿の量や回数が増えた
  • 食欲があるのに体重が減る
  • 疲れやすい、だるい
  • 手足のしびれ
  • ケガが治りにくい
  • 健康診断で血糖値やHbA1cが高いと言われた

症状から探す

📚 二次性糖尿病(薬剤性・内分泌性・膵性 など)・診断と治療に関する科学的根拠と外部リンク集

🔬 公的機関・国際機関(患者さん向けの基本情報)

二次性糖尿病は、基礎疾患や薬剤が原因で血糖が上がるタイプです。原因を治す/減らすことと、血糖そのものを安全に下げることを並行して行います。

🏛 学会・専門ガイドライン(診断・治療の標準)

  • ADA Standards of Care 2024:分類・診断、特殊な病型(モノジェニック・膵性・薬剤性)。Diabetes Care(特集号)
  • JBDS 2023ステロイド誘発高血糖の外来/入院管理アルゴリズム。JBDS Inpatient Care(ガイド一覧)
  • International Consensus on Post-Transplant Diabetes Mellitus(PTDM)2021:移植後糖尿病の診断・治療。Transplantation
  • CFRD クリニカルケアガイド:スクリーニングと治療。CFF
  • Endocrine Society ガイドライン:Cushing症候群、先端巨大症、褐色細胞腫などの基礎疾患管理。一覧

二次性糖尿病は原因別の専門ガイドライン糖尿病標準治療を組み合わせます。

💊 原因別のエビデンス:薬剤性(Drug-induced)

服薬開始・増量時は自己測定/センサーでの頻回モニタリングを推奨します。ステロイドでは投与タイミングに合わせたインスリン調整が効果的です(例:午前投与なら日中カバー)。

🧬 原因別のエビデンス:内分泌性(Hormone-excess)

  • Cushing症候群(コルチゾール過剰):糖新生↑・インスリン抵抗性↑。NIDDKEndocrine Society ガイド
  • 先端巨大症(GH/IGF-1過剰):強いインスリン抵抗性。NIDDK
  • 褐色細胞腫:カテコラミン過剰で高血糖・耐糖能異常。NIDDK
  • 膵内分泌腫瘍(グルカゴノーマ/ソマトスタチノーマ 等):稀だが重度高血糖。NCI:膵内分泌腫瘍

原因ホルモンの外科・内科的コントロールが血糖改善の鍵。並行して糖尿病治療を行います。

🧫 原因別のエビデンス:膵性(Type 3c)・CF関連

  • 膵性糖尿病(慢性膵炎・膵切除・膵癌など):インスリン不足+グルカゴン不足。Pancreapedia:Type 3c
  • 嚢胞性線維症関連糖尿病(CFRD):10歳以降の年1回OGTT推奨、治療はインスリンが第一選択CFF ガイド

🧪 診断・スクリーニングの実務

  • HbA1c+随時/空腹時血糖で開始。急速な高血糖やケトン陽性があれば即治療。
  • 薬剤性:開始・増量後は1〜2週間の自己測定(または短期センサー)。
  • CFRD:OGTTを定期的に。Type 3cは膵疾患の既往・栄養状態の評価も重要。

🩺 治療の基本:原因対策+安全な血糖管理

  • 原因治療:ステロイド減量・置換、内分泌腫瘍/疾患の治療、薬剤レジメン見直し。
  • 血糖治療:生活調整+経口薬/注射薬。ステロイド高血糖は投与時間に合わせたインスリン調整が有効(JBDS)。
  • 注意薬剤Type 3c/CFRDでは低血糖リスクに留意。SGLT2は脱水/ケトアシドーシスの説明を十分に。

🇯🇵 日本の公的情報・学会

二次性糖尿病は「原因に応じた対処」で改善が期待できるケースが少なくありません。薬の変更やホルモン過剰の治療は専門医と相談しながら、同時に安全な血糖管理(低血糖予防・シックデイルール)を進めましょう。リンク先は実際の診療で使われる一次情報・ガイドです。気になる薬や病気がある方は、受診時にこのページを見せてご相談ください。

関連コラム

    ただいま準備中です。少々お待ちください。