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糖尿病足病変(フットケア)|早期発見と“守る+治す”|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

糖尿病足病変(フットケア)|早期発見と“守る+治す”の二本柱

足潰瘍・感染・血流障害は早期発見と減圧(オフローディング)が鍵。年1回以上の足診察危険度別フォロー、創傷ケア・感染/血流治療・靴/装具の最適化をチームで行い、再発予防まで伴走します。

糖尿病足病変とは

末梢神経障害(感覚低下)・足の変形やタコ(局所圧)・末梢動脈疾患(血流不足)が重なり、潰瘍・感染・壊疽に至る合併症です。 初期は痛みが乏しく、気づかぬうちに悪化しやすいのが特徴。年1回以上の足診察と、危険度に応じた頻度での観察が大切です。

こんな時は至急受診(足科チーム・救急へ)

  • 黒色化・悪臭・広がる赤み、発熱・悪寒、強い痛み(または急な腫れ/熱感)
  • 深い潰瘍、骨が触れる/見える、滲出増加
  • 足が熱い・腫れた・赤い(皮膚に傷がないのに)→ 急性チャルコー関節疑い
  • 足の冷感・蒼白・安静時痛(重度虚血の可能性)

活動性の潰瘍・感染・急性チャルコーは、専門チームへ原則24時間以内の紹介が推奨されます。運転は控えましょう。

スクリーニングと危険度(IWGDF Risk分類の目安)

Risk特徴推奨フォロー頻度
0:非常に低LOPSなし・PADなし年1回
1:低LOPS または PAD のいずれか6〜12か月ごと
2:中等度LOPS+PAD または 足の変形3〜6か月ごと
3:高既往:潰瘍/切断、または複数リスク1〜3か月ごと

全ての糖尿病患者さんは年1回以上の包括的フットチェックが基本です(診療状況で短縮)。

診察・検査(何を見る?)

  • 皮膚・爪・変形:タコ/胼胝、割れ、趾変形、足底の高圧部
  • 神経:10 gモノフィラメント、128 Hz音叉、振動・痛覚、LOPSの有無
  • 血流:足背/後脛骨動脈触知、ABI/TBI・ドップラー波形、必要に応じ血管画像
  • 創評価:深さ・感染徴候・周囲皮膚、骨露出/プロービング(骨髄炎疑い)

治療(減圧・創傷・感染・血流を並走)

  • 減圧(オフローディング):神経障害性の前足部/中足部潰瘍は 非着脱式の膝下までのデバイス(TCC/非着脱化ウォーカー)を第一選択。 使えない場合は着脱式(膝下または足首まで)を選択し、常時装着を徹底します。
  • 創傷ケア:デブリードマン、適切なドレッシング、滲出/感染コントロール、周囲皮膚の保護。
  • 感染IWGDF/IDSA分類(軽・中等度・重症)で重症度を評価。重症や全身影響、壊死性/深部感染は入院+早期外科を検討。
  • 血流:虚血が疑われる/治癒遅延では血管評価を行い、再血行再建を検討。
  • 全身管理:血糖・血圧・脂質の最適化、禁煙、栄養評価、併存疾患の治療。
  • チャルコー関節即時の免荷(膝下非着脱式が基本)。炎症が落ち着くまで継続し、骨変形予防を図ります。
治癒の目安:単純な神経障害性の足底潰瘍は6〜12週間での閉鎖が期待できます(減圧・創傷管理が適切な場合)。虚血・感染・骨髄炎があれば長期化します。

靴・装具(予防と治療の両輪)

  • 治療期:TCC/非着脱化ウォーカー等の免荷デバイスを優先。
  • 寛解期(閉創後)圧分散インソール・足型に合う靴、タコの定期ケア、再発部位の圧をモニタ。
  • 再発リスク:潰瘍は1年以内に約4割が再発するとされ、靴・装具・セルフケアの継続が肝要です。

再発予防とセルフケア

  • 毎日チェック:足裏・趾間・かかとを観察(鏡/家族の協力)。
  • スキンケア:保湿、趾間は乾燥保持、タコ/爪は専門ケア。
  • 靴合わせ:指先/横幅にゆとり、踵保持、縫い目の当たりに注意。
  • 生活:禁煙、血糖・血圧・脂質の最適化、低血糖時の転倒予防。
  • 受診の目安赤み・水ぶくれ・タコの痛み・小傷でも早めに相談。

フォロー間隔の目安(個別条件で前後します)

状態目安主なチェック
Risk 0年1回LOPS/PADスクリーニング、靴・セルフケア
Risk 16〜12か月感覚/血流/足圧、高圧部ケア
Risk 23〜6か月変形・装具・胼胝、圧分散
Risk 31〜3か月再発徴候、靴・インソール調整
活動性潰瘍/感染頻回(週〜隔週)創サイズ・滲出・感染/血流・減圧の順守

よくある質問

痛くないのに潰瘍ができるのはなぜ?
感覚が鈍ると痛みの警報が効かず、高圧部に小さな傷が繰り返し起きて潰瘍になります。
ギプス(TCC)以外でも治りますか?
非着脱式が第一選択ですが、適応外では着脱式デバイスや靴型装具で代替します。重要なのは「確実な減圧」と装着遵守です。
どのくらいで治りますか?
単純な神経障害性の足底潰瘍で、減圧・創傷ケアが徹底できれば6〜12週が目安です。虚血・感染・骨髄炎があると長くかかります。

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病治療では、血糖値を下げるための薬を使うことがあります。
病態や合併症の有無に応じて、内服薬や注射薬を適切に組み合わせて治療します。

🔷 主な内服薬(経口血糖降下薬)

  • ビグアナイド薬(メトホルミンなど)
    ─ 肝臓での糖の産生を抑える。体重が気になる方にも適応されます。
  • SGLT2阻害薬
    ─ 尿から糖を排出する薬。体重減少や血圧改善も期待されます。
  • DPP-4阻害薬
    ─ 食後のインスリン分泌を助ける薬。低血糖を起こしにくいのが特徴です。
  • スルホニル尿素薬(SU薬)
    ─ インスリン分泌を促進する薬。やや低血糖を起こしやすいので注意。
  • α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
    ─ 糖の吸収をゆっくりにすることで、食後高血糖を抑えます。

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

  • インスリン製剤
    ─ 血糖値を直接下げるホルモンを補う薬。1型糖尿病や重症の2型糖尿病で使用。
  • GLP-1受容体作動薬
    ─ インスリン分泌を促進し、食欲を抑える注射薬。週1回の製剤もあり、肥満のある方にも有効です。

📋 副作用や注意点

  • 低血糖(特にSU薬・インスリン使用中)
  • 吐き気・食欲不振(GLP-1受容体作動薬)
  • 尿路感染症・脱水(SGLT2阻害薬)
  • 腎機能や肝機能の状態により、使用できない薬もあります

🏥 通院・血液検査が大切です

糖尿病は「症状が出にくい」慢性疾患です。
自己判断で薬を中断せず、定期的に診察・HbA1cや腎機能の検査を受けて、合併症を予防しましょう。

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病の治療薬は多岐にわたります。以下は、日本国内で使用される代表的な薬剤とその特徴をまとめたものです。

🟢 経口血糖降下薬(内服薬)

① ビグアナイド薬(Biguanides)

② スルホニル尿素薬(SU薬)

③ 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系)

④ α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)

⑤ チアゾリジン薬(TZD)

⑥ DPP-4阻害薬

⑦ SGLT2阻害薬

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

① GLP-1受容体作動薬

② インスリン製剤(分類別)

それぞれの薬剤は、患者さんの体質・合併症・ライフスタイルに応じて選択されます。
詳しくは医師にご相談ください。

GLP-1受容体作動薬の作用メカニズム

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GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌促進食欲抑制胃の排出遅延などの作用を通じて血糖値をコントロールします。
また、体重減少効果もあることから、2型糖尿病や肥満治療にも用いられます。

こんな方はご相談ください

  • のどが渇く、水をたくさん飲む
  • 尿の量や回数が増えた
  • 食欲があるのに体重が減る
  • 疲れやすい、だるい
  • 手足のしびれ
  • ケガが治りにくい
  • 健康診断で血糖値やHbA1cが高いと言われた

症状から探す

糖尿病足病変(フットケア):エビデンス&ガイドライン・実務

糖尿病足病変は感覚低下(LOPS)足の変形/高圧末梢動脈疾患(PAD)が重なって起こる 潰瘍・感染・壊疽の総称です。年1回以上のフットチェック危険度別のフォロー、潰瘍時は確実な減圧(オフローディング)創傷管理・感染治療・血流評価を並走させることで、治癒と再発予防を両立できます。

🏛 学会・専門ガイドライン(標準の考え方)

  • IWGDF 予防/減圧/感染/PAD:危険度(Risk 0–3)、非着脱式デバイスを第一選択とする減圧、感染重症度評価、血行再建の検討。
  • ADA Standards of Care:年1回以上の足診察、LOPS・PADの評価、チーム医療を推奨。
  • IWGDF/IDSA 感染:感染の軽・中等度・重症分類と外来/入院の目安、骨髄炎診療。
  • NICE(フットケアサービス):活動性潰瘍やCharcot疑いは原則24時間以内に専門チームへ。

🔍 スクリーニング(初回のタイミングと頻度)

対象初回の目安その後の目安
すべての糖尿病の方診断時に足診察(皮膚・爪・変形・LOPS・PAD)年1回(所見あり/高リスクは頻回)
潰瘍の既往/切断の既往退院/閉創時に再評価1〜3か月ごと(初年度は密に)
Charcot病変の既往寛解時に装具/靴を最適化3〜6か月ごと+症状再燃時は即時

足診察はモノフィラメント(10 g)・音叉(128 Hz)・足背/後脛骨動脈触知・皮膚/爪/変形を基本セットにします。

🗂 診断と分類:危険度(IWGDF Risk)と感染重症度(IWGDF/IDSA)

Risk特徴推奨フォロー
0:非常に低LOPSなし・PADなし年1回
1:低LOPS または PAD のいずれか6〜12か月
2:中等度LOPS+PAD または 足の変形3〜6か月
3:高潰瘍/切断の既往、複数リスク1〜3か月
感染重症度目安対応
10 cm未満の局所発赤、全身兆候なし外来で創処置+経口抗菌薬
中等度広範な発赤・深部感染の疑い外来/入院で培養・画像を含め評価、抗菌薬
重症SIRS/敗血症、壊死/ガス形成など入院・外科介入(デブリ/切開排膿)+広域抗菌薬

🧭 評価とモニタリング(外来・入院)

  • LOPS:モノフィラメント4部位以上、音叉、ピンプリックで保護感覚を評価。
  • PAD:足背/後脛骨動脈の触知、ABI/TBI・ドップラー波形。虚血疑いは血管画像+再建の適応検討。
  • 創傷:サイズ(長×幅×深)、底部、滲出・感染、周囲皮膚。PTB試験で骨露出を評価、骨髄炎はMRIなど。
  • 指標:面積4週間で30%縮小しなければ戦略見直し(減圧遵守・血流・感染・全身要因)。

💊 治療の全体像(減圧×創傷×感染×血流)

  • 減圧(オフローディング):神経障害性の足底潰瘍は非着脱式の膝下デバイス(TCC/非着脱化ウォーカー)を第一選択。不可なら着脱式を使用し、常時装着を徹底。
  • 創傷管理:定期的なシャープデブリ、滲出量に合うドレッシング、周囲皮膚保護、必要時NPWT。
  • 感染対策:培養に基づく抗菌薬。軽症はグラム陽性主体、重症・深部/嫌気性関与は広域+外科。骨髄炎は外科切除±6週間の抗菌薬。
  • 血流改善:虚血・治癒遅延では血管内/外科的再建を検討(創治癒をゴールに選択)。
  • 全身管理:血糖・血圧・脂質・禁煙、栄養・ビタミンD/亜鉛などの不足是正、歩容・転倒対策。
  • Charcot神経関節症即時免荷(膝下非着脱式が基本)、炎症鎮静まで継続し、その後は装具/靴で再燃予防。

🌿 生活とセルフケア(続けやすく)

  • 毎日観察:足裏・趾間・踵を鏡でチェック。赤み/水ぶくれ/出血/匂いは早期相談。
  • スキンケア:保湿、趾間は乾燥保持。タコ/巻き爪は自己処置より専門ケア。
  • 靴・インソール:指先/横幅に余裕、踵保持、縫い目の当たり回避。閉創後は圧分散を最適化。
  • 行動:素足歩行や屋外サンダルを避ける。減圧デバイスは常時装着が原則。
🚑 緊急性・来院前対応(患者さん・ご家族向け)
  • 黒色化・悪臭・広がる赤み、発熱/悪寒、強い痛み/腫れ/熱感 → 至急受診
  • 足が熱い・腫れた・赤い(傷がないのに)→ Charcot疑い。免荷で搬送
  • 冷感・蒼白・安静時痛 → 急性虚血の可能性。救急へ
  • 深い潰瘍・骨が触れる/見える、滲出増加 → 早期に専門チーム

受診時は靴・インソール服薬リストをご持参ください。運転は控えてください。

📈 改善にかかる期間・予後の目安

  • 治癒期間:単純な神経障害性の足底潰瘍は、適切な減圧と創管理で6〜12週間が目安。
  • 長期予後:潰瘍は1年で約4割が再発します。閉創後1年はフォローを密にし、靴・圧分散・セルフケアを継続。
  • チーム介入:多職種チームと血流再建の適切な介入で、切断・死亡リスクの低減が期待できます。

🗓 フォロー間隔の目安(個別条件で前後します)

状態目安主なチェック項目
Risk 0年1回LOPS/PAD、靴、セルフケア
Risk 16〜12か月感覚/血流、足圧、高圧部ケア
Risk 23〜6か月変形、装具、胼胝、圧分散
Risk 31〜3か月再発徴候、靴・インソール調整
活動性潰瘍/感染週〜隔週創サイズ・滲出・感染/血流・減圧遵守
閉創後(初年度)1〜3か月再発予防、靴/装具の最適化、セルフケア徹底
まとめ: 糖尿病足病変は「確実な減圧」感染・血流・創管理の並走が要。 危険度に応じたフォローと、閉創後の圧分散・靴・セルフチェックの継続で再発を抑えましょう。 迷ったら早めに専門チームへご相談ください。

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