膵性糖尿病(3c型糖尿病)|膵の病気後の血糖変動・低血糖・栄養不良を“同時に整える”

膵性糖尿病(3c型糖尿病)|膵の病気後の血糖変動・低血糖・栄養不良を“同時に整える”|0th CLINIC 日本橋

膵性糖尿病(3c型糖尿病)|「栄養・消化」と「血糖(低血糖対策)」を同時に整える

慢性膵炎・膵切除・膵腫瘍などの膵疾患の後に起こる糖尿病は、インスリン不足に加えて、 グルカゴン低下消化吸収障害(外分泌不全)が重なることがあり、血糖が揺れやすいのが特徴です。
当院では、便中エラスターゼ等で外分泌不全を見逃さないこと、低血糖を先に防ぐ設計、必要に応じてCGMで“時間帯のクセ”を見える化して調整することを重視します。

【急ぎの相談が必要なサイン】
嘔吐が続く/水分が取れない/強い腹痛/息が深い・速い/意識がぼんやり/著しい高血糖・低血糖が反復する場合は、 早めに医療機関へご相談ください。関連:DKA / HHS

🧭 受診の目安:こんな時に“放置しない”

膵の病気がある/あった

  • 慢性膵炎(再燃を繰り返す/痛みがある)
  • 膵切除後(膵頭十二指腸切除、遠位膵切除、全摘 など)
  • 膵腫瘍(膵癌、IPMNなど)でフォロー中

血糖が“揺れる”

  • 高血糖と低血糖が交互に来る
  • 食事量が日によって変わると崩れる
  • 夜間低血糖が不安(冷汗・動悸など)

消化吸収が怪しい

  • 脂っぽい便・下痢/腹部膨満
  • 体重が落ちる、疲れやすい
  • 骨が弱い/ビタミン不足が心配
ポイント:3c型は「血糖」だけ見ても安定しないことがあります。栄養・消化(外分泌)と低血糖対策を同時に設計するのが最短です。

🧩 3c型糖尿病とは(膵性糖尿病 / Pancreatogenic Diabetes)

膵の実質が障害されることで、内分泌(インスリン)だけでなく、低血糖から体を守るグルカゴンや、 外分泌(消化酵素)にも影響が出ることがあります。
その結果、食べられない日・吸収が悪い日に低血糖を起こしやすく、逆に炎症・感染・痛みがある日は高血糖に傾きやすいなど、 “予測しにくい揺れ”が出やすいのが特徴です。

🫀 主な原因(よくある背景)

  • 慢性膵炎(アルコール性・特発性・自己免疫性 など)
  • 膵切除後(膵頭十二指腸切除、遠位膵切除、膵全摘 など)
  • 膵腫瘍・膵管病変(膵癌、IPMNなど)
  • その他:遺伝性膵炎など(※疾患により専門連携)
アルコールや喫煙は膵障害の進行要因になり得ます。可能な範囲で、禁酒・禁煙は“治療の土台”として一緒に設計します。

⚖️ 特徴:高血糖だけでなく「低血糖」と「消化吸収」を同時に見る

高血糖

インスリン不足が主体。炎症・感染・疼痛・ストレスで悪化しやすいことがあります。

低血糖リスク↑

グルカゴン低下や栄養不足が重なると、“下がりやすい血糖”になり得ます。低血糖を先に防ぐ設計が重要です。

外分泌不全(消化吸収)

脂肪便・腹部膨満・体重減少、脂溶性ビタミン不足(A/D/E/K)などに注意。 必要に応じて膵酵素補充(PERT)と栄養を整えます。

🧪 診断と鑑別:当院の“整理手順”(最短で迷子にならない)

目的 確認ポイント(例) なぜ重要?
糖代謝の把握 血糖、HbA1c、(必要時)食後変動 「平均」だけでなく日内変動も確認
外分泌不全 便性状、体重、栄養指標、(必要時)便中エラスターゼ など ここが抜けると血糖が安定しにくい
鑑別(1型/2型等) 病歴・家族歴・体型・経過、必要時 追加検査 治療方針(薬の選び方)が変わる
安全性の条件 腎機能・肝機能、併用薬、周術期/絶食の予定 薬・用量設計の安全性に直結

※「膵疾患の背景」+「糖代謝異常」+「外分泌不全を示唆する所見」の組み合わせを重視し、 迷いが出る場合は鑑別の視点も含めて整理します。 参考:二次性糖尿病

🛠️ 治療の全体像:3本柱(膵のケア × 栄養 × 血糖)

① 膵の病態を整える

膵炎の再燃予防、疼痛/炎症のコントロール、術後・腫瘍フォローなど(必要に応じて連携)。

② 栄養・消化を整える

膵酵素補充(PERT)+栄養設計で、吸収を安定させ“低血糖に強い体”を作る。

③ 低血糖を先に防ぐ血糖管理

必要時インスリン中心。CGMで時間帯のクセを把握し、過不足を減らします。

🥣 栄養療法・膵酵素補充(PERT):血糖を安定させる“土台”

  • 少量頻回+たんぱく質確保を基本に、エネルギー不足を回避します。
  • 脂肪便、腹部膨満、体重減少などがある場合、膵酵素補充(食事ごとの内服)を検討します。
  • 脂溶性ビタミン(A/D/E/K)や微量元素、骨代謝(骨の健康)を評価し、必要に応じて整えます。
  • 禁酒・禁煙は“頑張り”ではなく、再燃予防と栄養改善の設計として支援します。
コツ:「吸収が安定」すると、インスリンの効き方・必要量の予測がしやすくなり、低血糖回避にもつながります。

💉 薬物療法:インスリン中心に“安全に個別化”

  • インスリン:食事量・栄養状態・日内変動に合わせて、基礎/追加などを個別に調整します。
  • 経口薬・注射薬:症例により併用を検討することがあります(腎機能、栄養状態、周術期の予定、膵炎の活動性などを総合評価)。
  • 大事なのは“低血糖を先に防ぐ”こと。強く下げるより、揺れを減らす設計を優先します。

※個別薬の可否・休薬判断は、病状や手術/絶食の予定で変わります。自己判断で中止せず、必ず医師の指示に従ってください。

🧯 低血糖対策・シックデイ(発熱/嘔吐/食事が取れない日)

低血糖:まず“備え”を作る

  • 低血糖時の対応(ブドウ糖など)を事前に決める
  • 一人暮らし/運転/夜間の不安がある場合は、特に先に設計
  • 必要に応じて家族・職場と共有(緊急時対応の確認)

シックデイ:崩れやすい日ほど早めに相談

  • 脱水で血糖が乱れやすい
  • 食事が取れない/嘔吐が続く/意識がぼんやり → 早めに受診を検討
  • 関連:シックデイルール

📈 センサー/CGM活用:時間帯のクセを“見える化”して最短で整える

  • 「上がる時間」「下がる時間」を可視化し、食事・用量・間食の設計を最適化します。
  • Time in Range(目標範囲内の時間)を改善し、合併症リスクと低血糖不安の両方を減らします。

🏥 初診の流れ・持ち物(迷わないチェック)

  1. 問診:膵疾患の経過(手術歴・入院歴・再燃)、飲酒/喫煙、体重変化、便性状、現在の治療
  2. 診察・必要な検査(採血/尿など)
  3. 方針:栄養・酵素補充・血糖管理(必要時CGM)を“同時に”設計
持ち物:(あれば)手術/退院サマリー、画像結果、健診結果、薬の一覧(お薬手帳/写真)、血糖記録、体重推移

よくある質問

膵酵素補充(PERT)で血糖も良くなりますか?

消化吸収が安定すると、栄養状態が整い、インスリンの効き方や必要量の予測がしやすくなることがあります。 その結果、低血糖回避や血糖の安定に寄与するケースがあります(個人差あり)。

3c型はインスリン必須ですか?

重症度や栄養状態によります。インスリンが中心になることが多い一方、症例により他の選択肢を組み合わせることもあります。 重要なのは「低血糖を先に防ぐ」設計です。

CGM(センサー)はどんな時に役立ちますか?

高血糖と低血糖が混在する、夜間の不安がある、食事量が一定しない、調整が長引いている、などで特に有用です。 “時間帯のクセ”を見える化して短期間で最適化しやすくなります。

発熱や嘔吐のときに注意することは?

脱水で血糖が乱れやすく、状況によっては早めの受診が必要です。 まずは シックデイルール を確認してください。

👨‍⚕️ 医師コメント・監修

膵性糖尿病(3c型糖尿病)|膵の病気後の血糖変動・低血糖・栄養不良を“同時に整える”
「3c型糖尿病は、血糖だけを追うと安定しないことがあります。栄養・消化(膵酵素)と、低血糖を避ける血糖管理を“同時に”設計し、必要に応じてCGMで最短で整えます。」

監修:黒田 揮志夫 医師(医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/プライマリ・ケア認定医 ほか)| 医師紹介

📍 アクセス・ご予約

〒103-0027 東京都中央区日本橋2-16-9 CAMCO日本橋ビル4F

※1F入口で部屋番号「401」を押してお入りください

日本橋駅 徒歩3分(東西線・銀座線・浅草線 D1出口)
茅場町駅 徒歩5分(日比谷線 12番出口)

当日検査のご希望や、他院・病院からの継続相談も受け付けています。

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