コラム
粉瘤とニキビはどう違う?見分け方と治療の流れ
1. 粉瘤とニキビの違い(早見表)
※一般的な目安です。実際の診断は視診・触診、必要に応じてエコー等を用いて医師が行います。
| 項目 | 粉瘤(アテローム) | ニキビ(尋常性ざ瘡) |
|---|---|---|
| 発生 | 皮膚の下に袋(嚢腫壁)ができ、角質や皮脂がたまる良性腫瘍 | 毛穴の詰まり・皮脂増加・菌の関与により炎症が生じる慢性皮膚疾患 |
| 触った感じ | コリっとしたしこり。中央に黒点(開口部)を伴うことあり | 面皰(白・黒)、赤い丘疹・膿疱。しこり化しても袋は形成しない |
| 自然消失 | 少ない/再発しやすい(袋が残るため) | スキンケア・薬物療法で改善することが多い |
| 基本治療 | 外科的切除(被膜ごと摘出)が主軸(保険診療) | 外用・内服・生活指導(保険診療) |
| 悪化時のリスク | 炎症・感染で腫脹/疼痛・排膿。破裂後は再発しやすい | 瘢痕・色素沈着。圧出や自己処置で悪化の懸念 |
2. 見分け方のポイント
粉瘤らしい所見
- 皮下に丸いしこりが触れる(可動性あり)
- 中央に黒点(開口部)がみられることがある
- 圧迫で粥状・においのある内容物が出ることがある
※炎症が強いと赤く腫れ、痛みを伴います。
ニキビらしい所見
- 白・黒の面皰、赤い丘疹、膿疱が中心
- 顔・背中・胸など皮脂分泌が多い部位に多い
- 同部位に多数・反復して出没
共通の注意
- 潰さない・針を刺さない(悪化・感染・瘢痕の原因)
- 数週間以上変化しない硬いしこりは受診を検討
- 急な腫れ・発熱・強い痛みは早めの相談を
3. 治療の流れ(粉瘤/ニキビ)
粉瘤(アテローム)|保険診療
- 診察:問診・視診。必要に応じてエコーで深さ・範囲を評価
- 局所麻酔:数秒のチクッとした痛みの後、感覚が鈍くなる
- 外来切除:皮膚割線を考慮し、袋(嚢腫壁)ごと摘出
- 病理検査:他疾患の鑑別・良悪性の確認
- 術後ケア:清潔保持・テープ固定。抜糸目安は部位により5–10日
炎症や混雑状況により、当日の処置が可能な場合と計画切除となる場合があります。詳細は 粉瘤(親ページ) をご参照ください。
抗生剤について:炎症・感染のない清潔創の標準切除では、原則として抗生剤は不要です。個別の状況で医師が判断します。
ニキビ(尋常性ざ瘡)|保険診療
- 外用:レチノイド、過酸化ベンゾイル、抗菌薬などを組み合わせ
- 内服:重症度や分布に応じて抗菌薬・ホルモン治療等を検討
- 生活指導:洗顔・保湿・ヘア/メイク習慣・睡眠など
美容施術(ケミカルピーリング等)は適応や費用が異なるため、診察時に個別にご相談ください。
4. いつ受診すべき?
- しこりが硬い/大きくなる/痛む
- 赤く腫れて熱感・排膿・悪臭がある
- 重要なイベントまでに目立ちを抑えたい
まずは皮膚科で評価し、症例ページにある術後の注意点等も参考にしてください。
5. よくある疑問(ミニ)
- Q. 粉瘤は自然に治りますか?
- 自然消失は少なく、再発しやすいとされます。袋ごと摘出する外科的治療が基本です。
- Q. 当日切除は可能ですか?
- 炎症の有無・部位・大きさ・混雑状況により可能な場合があります。安全を最優先に個別判断します。
- Q. 手術は痛いですか?
- 局所麻酔注射時に数秒痛みがありますが、処置中は圧迫感程度になることが一般的です。
より詳しくは 粉瘤FAQ をご覧ください。
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