肝斑の見分け方・鑑別|診断フロー・VISIA・ダーモスコピー

肝斑の見分け方・鑑別

肝斑は「診断8割」
左右対称の分布や境界のぼやけ、摩擦・紫外線で濃く見える性質をとらえ、他のシミ(老人性色素斑・炎症後色素沈着・ADM)と丁寧に鑑別します。

アクセス

東京都中央区日本橋二丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4階(東京駅八重洲口・日本橋駅から徒歩3分)

肝斑の特徴(ここが肝心)

  • 左右対称の分布:頬骨〜こめかみ、額、鼻下に淡褐色が面状に。
  • 境界はやや不明瞭:にじむように広がり、日によって濃淡に変動。
  • 刺激で悪化:摩擦(クレンジング・マスク擦れ)、紫外線、炎症で濃く見えやすい。
  • 点ではなく“面”:「点在する濃いシミ(境界明瞭)」は別疾患の可能性。
※自己判断が難しいときは、次の「診断フロー」に沿って安全側に。
肝斑の見分け方・鑑別|診断フロー・VISIA・ダーモスコピー
左右対称・面状に広がる肝斑の典型。

鑑別:間違えやすい3つ

老人性色素斑(いわゆる“日光斑”)

  • 境界がくっきり、単発〜散在の点状が多い
  • スポット照射の適応が取りやすいことが多い
  • 肝斑と混在することがある(**要見極め**)

炎症後色素沈着(PIH)

  • ニキビや擦過傷など前駆炎症の痕に一致
  • 色はまだらで、時間とともに改善する傾向
  • 摩擦や刺激で長引くことあり

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

  • 灰青色〜青褐色を帯び、点状が集合する印象
  • 真皮優位のため反応が鈍い(経過長め)
  • 診断・治療は別設計が必要

診断フロー(当院の進め方)

  1. 問診:発症時期、季節変動、スキンケア習慣(摩擦・ピーリング頻度)、内服歴。
  2. 視診:左右対称性、境界、色調、混在病変の有無(点在濃色斑など)。
  3. 機器評価VISIAで範囲・濃淡、ダーモスコピーで毛細血管。
  4. 初期プラン:まず低刺激+外用/内服から。機器は安全側設定。
  5. 再評価:2〜3か月で写真比較。過度反応があれば出力/間隔を調整
※“肝斑らしさ”が弱い、または強い点状病変が目立つ場合は、スポット適応の可否を慎重に再検討します。

写真評価(VISIA):範囲と濃淡を“見える化”

肝斑の見分け方・鑑別|診断フロー・VISIA・ダーモスコピー
ブラウン解析で面の広がりを確認。
  • 同条件撮影で比較:照明・距離・角度を固定。
  • 数値で推移を把握:範囲・濃淡の指標を経時比較。
  • 治療調整の根拠:反応が早い/遅い部位を客観評価。

ダーモスコピー:毛細血管パターンで“やり過ぎ”を防ぐ

毛細血管の密度・走行が強い部位は、熱や摩擦に敏感で悪化リスクが上がりやすい傾向。まずは安全側の出力・間隔から。

  • 血管密度↑:初期は一段弱い出力、間隔もやや長め。
  • 均一面状:面照射は均一弱出力で始める。
  • 斑状混在:点状濃色部は別病変の可能性を再評価。
※所見は個人差があります。評価後にプランをカスタムします。
肝斑の見分け方・鑑別|診断フロー・VISIA・ダーモスコピー
血管の密度と走行を補助線に安全設計。

Q&A(診断・鑑別)

肝斑と老人性色素斑、見分けのコツは?
肝斑は左右対称に面状・境界やや不明瞭。老人性色素斑は境界明瞭な点状〜斑状で単発/散在が多めです。
マスクやクレンジングで悪化しますか?
強い摩擦は悪化要因。クレンジングは短時間でやさしく、タオルも押し拭きに。
VISIAは必須ですか?
必須ではありませんが、同条件の比較と数値化ができ、治療調整の根拠になります。
ダーモスコピーは何がわかる?
毛細血管の密度・走行の参考情報。熱・摩擦に敏感な部位の見極めに役立ちます。

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