肝斑の治療|段階アプローチ・悪化回避の考え方・症例別の選択

肝斑の治療|段階アプローチ

肝斑は「診断8割」。治療は低刺激から段階的に進め、摩擦・紫外線・炎症での悪化を避けながら、外用/内服/穏やかな照射を最適化します。

アクセス

東京都中央区日本橋二丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4階(東京駅八重洲口・日本橋駅から徒歩3分)

段階アプローチの全体像

  1. STEP 1|低刺激の土台づくり

    保湿・遮光・摩擦回避を最優先。外用/内服を中心に環境を整えます。

  2. STEP 2|穏やかな照射で面を均す

    低出力・均一照射から開始。反応に応じて出力・間隔を微調整します。

  3. STEP 3|評価→段階調整

    VISIAと写真で範囲・濃淡の推移を比較。ダーモスコピーで血管の強い部位は出力を抑える判断に。

  4. STEP 4|再発予防の維持

    改善後は遮光/保湿/摩擦回避を継続。季節や生活の変化に合わせて見直します。

悪化を避ける考え方(安全側の設計)

出力は“最小有効”から

反応が早い/強い部位は一段低い出力で開始。反応が乏しければ徐々に。

ピコトーニングの基礎

間隔は“長め→適正化”

初期は間隔を長めに。過度反応があればさらに延ばします。

出力/間隔の調整

摩擦と熱を避ける

クレンジングは短時間・やさしく。ドライヤーの熱風やマスク擦れも要注意。

セルフケアの要点

血管の強い部位は控えめに

ダーモスコピーで血管密度/走行が強い所は悪化リスク。設定を一段抑えます。

血管所見を見る

症例別の選択(例)

A|面状の肝斑が主体

  • 外用/内服 + 低出力トーニング(均一・広め)
  • VISIAで範囲・濃淡を評価
  • 2–4週↔反応で間隔調整
トーニングへ

C|炎症後色素沈着(PIH)合併

  • 炎症源のコントロールが先
  • 摩擦・刺激の徹底回避
  • 低刺激外用中心+経過観察
セルフケアへ

D|ADMが目立つ

  • 真皮優位。経過は長期目線
  • 設定・間隔はより慎重に
  • 肝斑とは別設計で検討
ADMの方針へ

混在時のバランス(同時 or 段階)

まず正直に:肝斑が他のしみと見分けにくいことがあります。
その場合は肝斑を悪化させない設計を優先しつつ、選べる道を比較して決めましょう。
パスA

段階的に進める(安全寄り)

まず肝斑を安定化→次にスポット調整

  1. 外用/内服+生活ケア(保湿・遮光・摩擦回避)
  2. 低出力トーニングで「面」を均す(均一・広め)
  3. VISIAで2–3回ごとに評価
  4. 日光斑など境界明瞭な点後段でスポットを再検討
向いている人:悪化を絶対に避けたい/時間をかけて整えたい
注意:仕上げまでにやや期間を要することがあります
パスB

同時に進める(合意の上で)

外用/内服を続けながら、面+スポットを慎重に

  1. 肝斑:低出力の面照射(広く均一)
  2. 日光斑:弱設定スポットで微調整(必要部位のみ)
  3. ダーモスコピーで血管が強い部位は出力を控えめ
  4. 2–3回ごとにVISIAで客観評価
向いている人:仕上がりを早めたい/来院間隔が限られる
注意:肝斑が一時的に濃く見える可能性を伴います
トラネキサム酸(外用)× エレクトロポレーション

単独塗布では浸透しにくいため、角層バリアを一時的に広げる導入で“通り道”を作る発想。まずは低刺激設定から。

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ハイドロキノンの“ほどよい”使い方

濃度・量・期間が過ぎると刺激/白斑のリスク。期間限定・部位限定・保湿併用が基本。肝斑ではまず低刺激を優先。

安全な使い方
ナイアシンアミドは土台づくり

低刺激寄りでバリア機能を下支え。他治療の反応を安定させる“縁の下”。

セルフケアの要点
※最適解は診断・血管所見・生活習慣で変わります。過度反応があれば即、出力・間隔を調整します。

Q&A(治療)

どのくらいの回数・期間が目安?
2–4週毎に5–10回が一つの目安(個人差あり)。反応を見て間隔・出力を調整します。
IPLや強いレーザーは使えますか?
肝斑は光・熱で悪化しやすいため、原則は低刺激から段階的に。設定・方法を誤ると濃くなるリスクがあります。
外用・内服は何を使いますか?
状況に応じてトラネキサム酸/ナイアシンアミド/ハイドロキノン(期間限定)など。詳細は各ページでご案内します。
再発を防ぐには?
遮光・保湿・摩擦回避の継続が最重要。季節や生活の変化に合わせて見直します。

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