大腸内視鏡・ポリープ切除|“取り逃さない・取り過ぎない”連携型アプローチ
大腸内視鏡・ポリープ切除|“取り逃さない・取り過ぎない”連携型アプローチ
当院には内視鏡設備はありません。大腸内視鏡検査・ポリープ切除は連携医療機関で実施し、
当院は適応判断・紹介手配・前処置と内服調整、結果/病理の丁寧なご説明、再発予防とサーベイランス計画まで一貫管理します。
大量下血・ショック・進行性の貧血は救急連携を優先します(緊急内視鏡/入院は連携先で実施)。
検査は連携先で実施/当院が紹介状作成・手配・前処置/薬剤調整・結果説明・再発予防まで伴走
LINEで24時間受付 ※内視鏡・切除は連携先で実施します
概要(大腸内視鏡・ポリープ切除の要点)
- 目的:大腸がんの早期発見・予防(腺腫やSSA/SSLを切除)。出血・貧血・便通異常の原因検索にも有用。
- 基本姿勢:取り逃さない(高品質観察)と取り過ぎない(過剰切除回避)のバランス。当院は適応判断と前処置/薬剤調整・サーベイランス設計を担い、処置は連携先で安全に実施します。
- 代表的リスク:後出血・穿孔・鎮静関連事象(稀)。連携先での迅速止血/縫合・入院管理が可能です。
受診/救急の目安(Red Flags)
- 持続する下血・黒色便・ふらつき/失神(消化管出血)
- 進行性の体重減少・貧血(悪性腫瘍の鑑別)
- 便柱の狭小化・便秘と下痢の交代・夜間の下痢
- 家族歴(大腸がん/進行腺腫/遺伝性疾患)
赤旗症状では救急連携→連携先で緊急評価(内視鏡/CT)を優先します。
適応と目的(FIT陽性/症状/サーベイランス)
- FIT(便潜血)陽性:優先度高。大腸内視鏡で精査。
- 症状:下血・便通異常・腹痛・鉄欠乏性貧血など。
- サーベイランス:過去のポリープ切除後、炎症性腸疾患の長期罹患、遺伝性リスク(FAP/Lynch)など。
- 一次予防:年齢・家族歴に応じたスクリーニングのご提案。
検査の流れ・前処置(当院/連携先の役割)
- 当院で実施:適応判断、薬歴確認(抗血栓/糖尿病薬/NSAIDs)、前処置の説明(食事/下剤/水分)、採血(血算・腎肝機能・凝固)、紹介状作成と日程調整、結果/病理の解説とサーベイランス計画。
- 連携先で実施:鎮静下の大腸内視鏡、高品質観察、ポリープ切除(ポリペクトミー/EMR/ESD)、止血・クリップ、入院が必要な場合の管理。
- 前処置の要点:低残渣食→下剤(PEG等)→検査当日は絶食/水分のみ。抗血栓薬の扱いは個別最適化(主治医と協議し安全域で調整)。
切除の考え方(冷切/温切/EMR/ESDの“合わせ技”)
- ≤9mmの多く:コールドスネア切除(出血・穿孔リスクが低い)。
- 10–19mm:EMR(粘膜切除)やホットスネア。茎の太い有茎性は茎処置(クリップ/ループ/局注)を併用。
- 20mm以上/早期がん疑い:分割EMRまたはESDを連携先で検討(病変部位・形態で選択)。
- SSA/SSL(鋸歯状病変):平坦で見落としやすく、染色/拡大観察のうえ確実に切除。
- 合併症対策:出血/穿孔はその場で止血・クリッピング。遅発性出血は安静・連絡体制を整備。
病理とサーベイランス(フォロー間隔の目安)
所見 | フォロー間隔の目安 | ポイント |
---|---|---|
ポリープなし/小さな過形成性のみ | 5–10年 | 次回は年齢・リスクで調整 |
1–2個の小型腺腫(<10mm) | 3–5年 | 生活習慣・薬剤を見直し |
3個以上の腺腫/≥10mm/絨毛成分/高異型度 | 3年以内 | 質の高い再検査を推奨 |
20mm以上を分割EMR | 6か月(部位確認) | 局所再発の早期発見 |
SSA/SSL(≥10mmや異型あり) | 3年 | 見落とし回避のため丁寧な観察 |
最終判断は前処置の質・観察品質・病理結果を踏まえ個別最適化します。
連携フロー(当院が窓口となり伴走します)
- ① 初診評価:症状・FIT・既往/薬剤・検査歴の確認、前処置/薬剤調整の設計
- ② 紹介手配:連携医療機関へ検査予約・紹介状作成(抗血栓薬の扱いは主治医と三者連携)
- ③ 検査/切除(連携先):大腸内視鏡・ポリープ切除・必要時入院管理
- ④ 結果説明(当院):画像/病理の解説、妥当性チェック、再発予防の生活/薬剤アドバイス
- ⑤ サーベイランス:個別フォロー間隔の提示、再検時の再紹介
よくある質問
鎮静は使えますか?当日の流れは?
連携先で鎮静を選択できます。低残渣食→下剤→検査→安静観察→ご帰宅(運転は不可)。詳細は当院でご説明し、書面でお渡しします。
抗血栓薬はどう扱いますか?
血栓リスクと出血リスクを総合評価し、主治医(循環器/脳外等)と連携して最適化します。自己判断の中止は避けてください。
仕事復帰はいつ頃?運動や飲酒は?
観察のみなら当日~翌日、切除ありは数日間の激しい運動/飲酒を控えるのが一般的です。大きな切除では個別指示に従ってください。
CT大腸検査(CTコロノグラフィ)は代わりになりますか?
腫瘍や大きなポリープの検出に有用ですが、その場で切除できません。ポリープ切除の可能性が高い場合は内視鏡が第一選択です。
再発や新規ポリープは防げますか?
完全には防げませんが、禁煙・節酒・体重管理・食物繊維摂取などでリスクを下げられます。サーベイランス間隔を守ることが最重要です。
関連ページ(院内リソース)
大腸内視鏡・ポリープ切除:外部エビデンスまとめ
高品質観察と適切なポリープ切除(コールドスネア主体、EMR/ESDの適応選択)、病理に基づくサーベイランス間隔ががん予防の鍵です。
📘 総論・枠組み
- スクリーニング/サーベイランスの国際/国内ガイドライン(USMSTF/ESGE/JGES など)
- コールドスネアの安全性と有効性、分割EMR後の短期再評価
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(大腸内視鏡・ポリープ切除/連携型)

「大腸内視鏡はがん予防の中心です。小病変のコールドスネアから EMR/ESDまで、病変に応じて過不足のない選択が重要。当院は適応判断・前処置/薬剤調整・紹介手配・結果説明に加え、 個別化されたサーベイランス計画まで責任を持って伴走します。」
0th CLINICは“取り逃さない・取り過ぎない”連携型で、必要な時に最適な検査・治療へつなぎます。
監修:黒田 揮志夫 医師(プライマリケア認定医/病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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