梅毒|即日検査、治療|プライベート空間
梅毒(Syphilis)|症状・検査・治療
梅毒はTreponema pallidumという細菌による性感染症です。
「潰瘍」「発疹」「のどの違和感」など、時期により症状が移り変わるのが特徴です。採血(RPR/TP抗体)や病変のPCRで診断し、第一選択はペニシリン系抗菌薬で治療します。早期発見・早期治療で多くは改善が見込めます。
※ 梅毒は5類・全数届出疾患です。診断時は、当院が保健所へ適切に届出を行います(患者さまの氏名等は法令に基づき取り扱われます)。
1. 症状と経過(時期別の特徴)
一次(1〜3か月)
- 感染部位の無痛性の硬い潰瘍(硬性下疳)
- 局所のリンパ節腫脹
二次(数週〜数か月)
- 手のひら・足のうらにも出る発疹(バラ疹、丘疹)
- 扁平コンジローマ、粘膜疹、全身倦怠感、発熱
潜伏〜晩期
- 症状が目立たない時期(潜伏)
- まれに心血管・神経・眼・耳の合併症(晩期)
2. 検査(採血・PCR・部位別スクリーニング)
採血(血清学的検査)
- 非トレポネーマ試験:RPR定量(治療効果の指標に)
- トレポネーマ試験:TP抗体(TPPA/TPHA など)
- 早期は陰性のことがあるため、医師の判断で再検(2〜4週)を行います。
※ TP抗体は治療後も長期に陽性が続くことがあります。経過観察はRPRの推移で行います。
病変の検査・部位別検体
- 潰瘍やいぼ様病変のPCR(実施可能時)
- 咽頭・直腸にリスクがある方は、部位別スクリーニング(同時感染の確認)
- HIV・肝炎・他のSTIも同時にチェックを推奨
3. 治療(第一選択と代替)
第一選択はペニシリン系です。症期・合併症・妊娠・アレルギーの有無で用量と期間が変わります。方針は診察で決定します。
病期 | 標準的な考え方 | 関連リンク |
---|---|---|
早期梅毒 (一次・二次・早期潜伏) |
筋注:ベンザチンベンジルペニシリンG(例:2.4MU × 1回)。 ペニシリンアレルギー時はドキシサイクリンなどを検討。 |
ステルイズ®(BPG)/ ドキシサイクリン |
晩期潜伏・期間不明 | 筋注:BPG 2.4MU を週1回×3回。 代替は症例により検討(例:ドキシサイクリン長期)。 |
ステルイズ®/ドキシサイクリン |
神経・眼・耳梅毒 | 入院で点滴治療(結晶ペニシリンG高用量 10–14日 など)。 代替としてセフトリアキソンを用いることがあります。 |
セフトリアキソン |
妊娠中 | 推奨はペニシリンのみ。アレルギーがある場合は脱感作を検討します。 | ステルイズ® |
※ 治療開始後、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発熱・悪寒など一過性の反応)が起こることがあります。通常は数日で軽快しますが、気になる症状があればご連絡ください。
4. フォローアップと再感染予防
- RPRのフォロー:目安として3・6・12か月で推移を確認(症例により調整)。
- 性行為の再開:医師が治癒・感染性低下を確認するまで控えましょう。
- パートナー対応:過去の接触相手の検査・治療が重要です。匿名相談も可能。
- 他STIのスクリーニング:HIV・B/C肝炎・淋菌/クラミジアの同時チェックを推奨。
よくある質問(Q&A)
Q. どの検査で確定しますか?
A. 採血のRPR定量+TP抗体を基本に、病変があればPCRを追加します。早期は陰性のことがあるため、医師の判断で再検を行います。
Q. いつから性行為を再開できますか?
A. 医師が感染性の低下とRPRの改善を確認してからを推奨します。パートナーの検査・治療も重要です。
Q. 内服だけで治せますか?
A. 第一選択はペニシリン注射です。アレルギー等で使えない場合に、ドキシサイクリンなどの代替を検討します。
Q. 検査はいつ受ければ当たりますか?
A. 感染直後は陰性のことがあり、状況に応じて2〜4週間後の再検を組み合わせます。他のSTIも同時検査をおすすめします。
Q. 職場や家族に知られますか?
A. 梅毒は全数届出ですが、届出は医療機関から保健所へ法令に基づき行い、個人情報は適切に扱われます。
関連ページ
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「泌尿器の疾患は、生活の質と密接に関わる重要な分野です。
0th CLINICでは、プライバシーを尊重したうえで、テストステロン補充療法など最先端の医療を提供しています。」
当院では、男性特有のお悩みやデリケートな疾患にも、患者さまに寄り添った診療と説明を徹底しています。
性機能、排尿症状、加齢による変化など、お一人で抱えずお気軽にご相談ください。
0th CLINIC
・日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
・日本抗加齢医学会専門医
・テストステロン治療認定医
※ 本ページの情報は一般向けの解説です。最終的な診断・治療は医師の診察に基づき個別に決定します。
⛑️ 全国的に梅毒の感染者が急増しています
特に20〜40代の男女での報告数が増えており、初期症状に気づかず感染を広げてしまうケースが後を絶ちません。
梅毒は早期の検査と治療で確実に治癒が可能です。
性的接触があった方、不安のある方は症状がなくても検査をおすすめします。
📈【感染状況】
近年、日本国内で梅毒の患者数が急増しています。特に都市部(東京・大阪・福岡など)で多く、
2023年は過去最多の報告数で2024年も同水準で維持となりました。
感染は10代後半から40代にかけて幅広く、女性の増加も顕著で、妊娠中の感染にも注意が必要です。

🤒【症状の進行】
梅毒は進行段階ごとに症状が異なります。痛みがないことも多く、気づかれにくいのが特徴です。
時期 | 主な症状 | 備考 |
---|---|---|
第1期(3週〜3か月) | 陰部や口唇などにしこり(硬性下疳)、リンパの腫れ | 痛みなし。自然に治ることもあり、放置されやすい |
第2期(数か月〜1年) | 全身に淡い発疹(バラ疹)、脱毛、発熱、倦怠感など | 皮膚症状は一見アトピーや湿疹と間違われやすい |
潜伏期(無症状) | 特になし | 体内で菌が残存し、進行のリスクあり |
晩期(数年後) | 心臓・血管・神経・骨などの重篤な合併症 | 近年は稀ですが、放置すると危険 |
🔬【診断方法】RPRとTPHAの違いと注意点
梅毒は主に血液検査で診断します。2種類の検査を組み合わせて判定します。
- ◆ RPR検査(非トレポネーマ抗体)
・感染でできた非特異的な抗体を測定
・治療効果の判定にも使用(抗体価が下がる)
・例)1:16 → 治療後 1:4へ低下で治癒傾向 - ◆ TPHA検査(トレポネーマ抗体)
・梅毒菌に特異的な抗体を検出
・一度陽性になると、治療後も長期間陽性のまま
⚠ 判定が難しい理由:
・TPHA陽性+RPR陰性の場合、過去感染か治癒済か見分けにくいことがあります。
・初期や高齢者では抗体反応が弱く偽陰性になることも。
・特に慣れていない医師では解釈を誤る可能性があり、経験と知識が必要です。
💉【治療方法】〜以前と今の違い〜
昔は内服(ペニシリン系など)で長期間治療するのが主流でしたが、
現在は、1回の注射持続型ペニシリン注射剤ステルイズ(ベンザチンベンジルペニシリン筋注)で確実な治療が可能に。
▶ 現在の治療のポイント
- 初期(第1期・第2期)では治療反応が非常に良好
- 治療失敗や再発リスクも、注射治療で大きく減少
- ただし、放置して進行すると、治療に長期間を要することも
📌早期発見・早期治療がもっとも重要です!
🧠【梅毒の豆知識】
- 梅毒の原因菌「トレポネーマ」はコルク栓のような形状
- 江戸時代は「花柳病」と呼ばれ、遊郭を通じて流行
- シェイクスピアやナポレオンも梅毒にかかっていた説があります
- キスやオーラルセックスでも感染するため、コンドーム使用だけでは防げないことも
こんな方はご相談ください
- パートナーが性病と診断された
- 思い当たる行為があって不安
- 尿道の違和感、かゆみ、おりものの変化
- 咽頭の違和感や発熱、性器にできものがある
- 検査だけしたい、定期的にチェックしたい
- 陰部、口周り、肛門周囲にできもの、発疹
- 不特定多数との性交渉後
- 海外渡航前後でのチェックをしたい
検査の流れ
性病検査の流れを見る関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。