メトロニダゾール(ロゼックスゲル0.75%)
💊 ロゼックスゲルとは(基本情報)

▲ ロゼックスゲル0.75%
ロゼックスゲルは、メトロニダゾールを有効成分とする外用抗炎症・抗菌薬で、酒さ(赤ら顔)やにきび様皮疹に使われます。
抗菌作用に加え、皮膚の炎症や免疫反応を抑える効果も期待されます。
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | メトロニダゾール(Metronidazole) |
剤形 | ゲル剤(0.75%) |
適応症 | 酒さ(そう痤瘡様皮疹)、にきび様皮疹 |
保険適用 | ○(保険診療にて処方可) |
特徴 |
抗菌・抗炎症作用により、酒さによる赤みや丘疹・膿疱の症状を改善。 ニキビダニの増殖が関与するケースにも有効性が報告されています。 |
1日1〜2回、洗顔後に薄く塗布するのが基本です。
肌への刺激が少なく、長期的な使用にも配慮された処方となっています。
■ 抗炎症・抗菌作用のメカニズム
メトロニダゾールは抗菌作用だけでなく、皮膚の炎症や免疫反応を抑制する効果を持ちます。
酒さ(そう痤瘡)にみられる赤みや丘疹、膿疱の改善に有効です。
■ ニキビダニ(Demodex)への作用
ロゼックスはニキビダニの異常増殖が関与するタイプの酒さに対して効果が期待されます。
▶ 特に、顔全体の赤みやブツブツが繰り返す方に使用されます。
■ 酒さ治療の第一選択薬としての位置づけ
ロゼックスは欧米で酒さ治療の第一選択薬として長年使用されてきた歴史があります。
日本でも2022年に保険適用となり、酒さの皮膚症状に幅広く用いられています。
■ 効果が現れるまでの目安:2〜4週間
即効性は高くないものの、継続使用で徐々に炎症が鎮静化していくのが特徴です。
一般的に、2〜4週間で赤みや丘疹の改善が見られます。
✅ ロゼックスゲルは、酒さによる赤み・ブツブツに対して、炎症をやわらげる外用薬です。
皮膚のバリアを壊さず、長期的に使いやすい特徴があります。
効果を高めるためには、毎日の洗顔とやさしいスキンケアの併用も重要です。
🧴 ロゼックスゲルの使い方・使用方法
ロゼックスゲルは1日2回(朝・夜)、洗顔後に使用する外用薬です。
酒さ(そう痤瘡)による赤み・ブツブツ(丘疹・膿疱)を和らげる抗炎症・抗菌作用があります。
■ 使用する順番(スキンケアの流れ)
- 洗顔:やさしく洗顔し、水気をふき取ります。
- ロゼックスゲルを塗布:赤みやブツブツがある部位に、薄く均一に塗布します。
- 保湿:必要に応じて、低刺激の保湿剤を重ねてください。
※ 目や口のまわりなど、粘膜には触れないようにご注意ください。
■ 使用回数と時間帯
朝・夜の1日2回が基本です。
メイクや日焼け止めはゲルが乾いてから使用してください。
■ 使用量と範囲の目安
- ● 顔全体に塗布して問題ありませんが、特に症状の強い部位を中心に。
- ● 厚く塗る必要はなく、うすく伸ばすことがポイントです。
※ 保湿剤との併用も可能ですが、ロゼックス塗布後に時間をあけるとより効果的です。

▲ ロゼックスゲル
■ 使用時の注意点とトラブル時の対応
- ⚠ 刺激を感じた場合は、すぐに洗い流し医師に相談してください。
- ⚠ 日焼け止めとの併用が推奨されます(紫外線で症状が悪化するため)。
- 💡 症状の改善が見られても、2週間以上の継続使用が必要です。
✅ ロゼックスゲルは赤みやブツブツを伴う酒さ治療の第一選択薬です。
医師の指導のもと、適切な期間・塗布方法を守ってご使用ください。
📊 酒さ治療薬の比較
酒さの治療には、保険適用の外用薬から自由診療の医薬品・外用療法まで、さまざまな選択肢があります。以下は主な治療薬の比較表です。
薬剤名 | 主成分 | 特徴 | 保険適用 | 詳細 |
---|---|---|---|---|
ロゼックスゲル | メトロニダゾール | 抗炎症・抗菌作用により、赤みや膿疱を軽減 | ◯ | |
アゼライン酸 | アゼライン酸 | 毛穴詰まり・赤みに効果。欧米では第一選択肢 | ×(自由診療) | ▶ 詳細ページ |
イベルメクチン外用薬 | イベルメクチン | 酒さの原因とされるニキビダニに効果 | ×(自由診療) | ▶ 詳細ページ |
プロトピック軟膏 | タクロリムス | 免疫抑制による抗炎症作用。ステロイド代替 | ×(保険適応外使用) | ▶ 詳細ページ |
✅ 酒さ治療は症状と肌質に応じた個別対応が重要です。
自費治療も含め、症状の強さや部位に応じた薬剤を医師と一緒に検討しましょう。
⚠️ ロゼックスゲルの注意点・副作用について
■ 使用時の注意点
- ● 目の周囲や粘膜には塗布しないように注意してください(刺激の原因となります)。
- ● 日焼け止めとの併用が推奨されます。酒さの方は日光過敏があることもあり、紫外線対策は重要です。
- ● 妊娠中・授乳中の使用は医師と相談の上で判断してください(全身吸収は少ないが、リスク評価が必要です)。
- ● アルコールとの併用は控えるようにしてください(理論上の相互作用が指摘されています)。
■ 主な副作用
- ● 接触皮膚炎・刺激感(ピリピリ感、かゆみ、発赤など)
- ● 乾燥・つっぱり感:保湿剤との併用が推奨されます。
- ● まれに色素沈着や紅斑が持続するケースも報告されています。
✅ ロゼックスゲルは酒さに対する有効な非ステロイド外用薬です。
使用中に異常を感じた場合は、速やかに医師にご相談ください。
🌍 ロゼックスゲルの国際的評価とエビデンス
■ 国際的な評価
ロゼックスゲル(メトロニダゾール)は、欧米を中心に酒さ治療の第一選択肢として長く使われてきた外用薬です。
日本でも近年、酒さの外用治療薬として正式に保険適用されています。
- ● ヨーロッパでは1980年代から使用され、安全性と有効性に関する長期データがあります。
- ● アメリカFDAや欧州EMAでも承認され、炎症抑制作用と抗酸化作用が評価されています。
■ 臨床試験による有効性
- ● 中等症〜重症の紅斑型酒さにおいて、赤みの有意な改善が複数の試験で示されています。
- ● メトロニダゾールの外用は、ニキビダニに対する抑制効果も報告されています。
■ エビデンスの出典(代表例)
- ・日本皮膚科学会「酒さ治療ガイドライン2023」
- ・厚生労働省「医薬品インタビューフォーム(ロゼックスゲル0.75%)」
- ・Elewski BE, et al. “Topical metronidazole for rosacea.” Arch Dermatol. 1999
- ・FDA approval summary: MetroGel 0.75% [FDA]
✅ ロゼックスゲルは、長年の使用実績と確かな臨床エビデンスを持つ酒さ治療のスタンダードです。
皮膚への刺激が少なく、継続的な治療にも適した処方です。
🗣️ ロゼックスゲルを使用した患者さんの声
長年悩んでいた顔の赤みが、ロゼックスの使用で少しずつ改善されました。刺激も少なくて安心して使えました。
※これは個人の感想であり、効果には個人差があります。
他の薬ではかゆみやピリピリ感が出たことがあったのですが、ロゼックスは肌にやさしく、継続しやすかったです。
※これは個人の感想であり、効果には個人差があります。
❓ よくある質問(FAQ)
通常は1日1回または2回(朝と夜)です。医師の指示に従って使用してください。
使用前には肌を清潔にし、水分をしっかりふき取ってから塗布しましょう。
併用は可能ですが、他の塗り薬と重ねて使用する場合は、間隔を空けてください(例:15〜30分)。
化粧品の前に塗布し、しっかり乾燥させてからメイクしてください。
ロゼックスゲルは比較的安全とされていますが、妊娠中・授乳中は必ず医師に相談の上で使用してください。
長期間の使用実績があり、慢性疾患である酒さでは長期使用が前提となることもあります。
定期的に医師の診察を受けて、使用を継続するか判断しましょう。
一時的に赤みが強くなることがありますが、かゆみや刺激を伴う場合は中止し医師に相談してください。
肌を冷やす・保湿するなどの対処で落ち着くこともあります。
💰 ロゼックスゲルの薬価と自己負担について
ロゼックスゲル(成分名:メトロニダゾール)は、酒さの治療に用いられる保険適用の抗炎症外用薬です。
赤ら顔・丘疹タイプの酒さに有効で、日本でも使用実績が広がっています。
■ 保険診療での薬価(2024年時点)
製剤名 | 薬価(単価) | 容量 | 薬剤費(3割負担) |
---|---|---|---|
ロゼックスゲル0.75% | 71.6円/g | 15g | 約322円 |
■ 自己負担の目安
- ● 3割負担の方:約322円/本
- ● 1割負担(高齢者)の方:約107円/本
- ● 診察料・処方料・調剤料などは別途必要です
■ ジェネリック医薬品の有無
ロゼックスゲルには現在、後発医薬品(ジェネリック)は存在していません(2024年時点)。
国内唯一のメトロニダゾール外用薬として、専門的な皮膚科診療で使用されています。
✅ ロゼックスゲルは酒さ治療において安全性と有効性が確認された保険診療薬です。
ご自身の症状や治療希望に合わせて、医師と相談のうえで使用を検討しましょう。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「ロゼックスゲルは酒さの赤みや丘疹を抑える外用薬です。
ステロイドではありませんが、炎症をしっかり抑える力があり、長期的に使用しやすい安全性の高い治療選択肢です。」
当院では、酒さのタイプや進行度に応じて、ロゼックスの使用を丁寧にご提案しています。
他の治療薬との併用や塗布方法などについても、皮膚科専門の視点からしっかりとアドバイスいたします。お気軽にご相談ください。
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急医療にて10年以上の経験
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