新型コロナ2025冬シーズンの受診・検査・治療について
2025年は、夏以降も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の報告が続いており、 秋〜冬にかけても小さな波を繰り返しながら流行が持続しています。
現在は、オミクロン系統のNB.1.8.1(いわゆる「Nimbus」)などの亜系統が世界的に増えており、 都内でも「のどの痛みが強い風邪」のようなかたちで受診される方が増えています。
時点の情報です。今後の知見に応じて内容を更新する場合があります。
今回の主な流行株(NB.1.8.1など)の特徴
NB.1.8.1は、オミクロン系統の亜系統で、 従来株と比べて感染しやすい一方、重症度は大きく変わらないと評価されています。
症状の傾向としては、次のような訴えが多くみられます。
- 強いのどの痛み(「刃物で切られるよう」「カミソリで傷つくよう」と表現されることも)
- 発熱(高熱〜微熱までさまざまだが、熱はそこまで高くない例も多い)
- 咳・声枯れ、鼻水・鼻づまり
- 全身倦怠感、頭痛、筋肉痛
- 一部で下痢・吐き気などの消化器症状
「熱はそこまで高くない・のどだけが非常につらい」というパターンでも、新型コロナの可能性があります。
普段とは違うつらいのどの痛みが続く場合は、早めの受診をご検討ください。
一般的な風邪との違い(ざっくりイメージ)
症状だけで「風邪」と「新型コロナ」を完全に見分けることはできませんが、 あくまで目安としては次のような傾向があります。
- 新型コロナ:のどの強い痛み+全身倦怠感・関節痛が目立つことが多い。嗅覚・味覚障害は以前より少ない。
- 一般的な感冒:鼻水・くしゃみ主体で、全身症状は比較的軽いことが多い。
- インフルエンザ:急な高熱・関節痛・筋肉痛が前面に出ることが多い。
実際には検査をしてみないと判別できないケースも多く、当院では症状・ご年齢・生活背景などを総合して、 インフルエンザ・新型コロナ・その他の感染症の可能性を評価します。
当院での検査:抗原検査+必要に応じてPCR検査
0th CLINIC 日本橋では、発熱外来枠にてインフルエンザと新型コロナの迅速抗原検査を中心に行っています。 症状・発症からの時間・ご職業などを踏まえて、PCR検査を追加する場合もあります。
-
迅速抗原検査(新型コロナ/インフルエンザ)
鼻咽頭または鼻腔ぬぐい液を用いて、その場で結果が出る検査です(おおむね15〜20分程度)。
発症から時間が経ちすぎている場合や、ごく初期などでは陰性でも「否定しきれない」ことがあります。 -
PCR検査
以下のようなケースでは、医師の判断でPCR検査を行うことがあります。- 重症化リスクが高く、陰性でも慎重に評価したい場合
- 発症極早期などで抗原検査が陰性だが、新型コロナの疑いが強い場合
- 職場・施設等から確定診断書・陰性証明を求められている場合
- その他、公費・自治体施策などの要件に該当する場合
発熱・咽頭痛などの症状がある方は、一般外来と導線を分けるため 必ず事前にLINEまたはお電話でご連絡のうえ、発熱外来枠をご予約ください。
付き添いは最小限とし、マスク着用での来院にご協力をお願いいたします。
当院での治療方針(外来での新型コロナ治療)
新型コロナの治療は、厚生労働省の「診療の指針」や各学会のガイドラインに沿って、症状の強さと重症化リスクに応じて決めます。
1)ベースとなる治療(多くの軽症〜中等症の方)
- 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)による熱・頭痛・関節痛のコントロール
- うがい薬・トローチ・鎮咳薬などによるのどの痛み・咳への対症療法
- 十分な水分摂取・休養の確保
- 基礎疾患薬の継続や、持病のコントロール方法の確認
多くの方は、数日〜1週間程度で徐々に症状が改善していきますが、 もともとのご病気や生活背景により、必要なフォローの頻度は変わります。
2)抗ウイルス薬(飲み薬・点滴)の適応
日本では、外来で使用できる新型コロナの抗ウイルス薬として、ニルマトレルビル/リトナビル、エンシトレルビル、モルヌピラビルなどの内服薬と、 レムデシビルの点滴薬が承認されています。
これらは主に、次のような条件を満たす方に対して検討されます。
- 65歳以上の方
- 心臓病・慢性肺疾患・糖尿病・肥満・慢性腎臓病・悪性腫瘍などの基礎疾患がある方
- 免疫抑制状態(ステロイド・免疫抑制薬の内服、造血幹細胞移植後など)の方
- 妊婦さんや、妊婦さんと同居しているなど、家族背景から重症化リスクに配慮したい方
- 発症からまだ日が浅い(目安:内服薬は発症から5日以内、点滴薬は7日以内)であること
一方で、薬ごとに
相互作用(特にニルマトレルビル/リトナビル)、腎機能・肝機能、妊娠・授乳中かどうかなどで使える条件が異なります。
診察時に現在の内服薬・既往歴をお伺いしたうえで、「抗ウイルス薬を使うべきか/どの薬が適切か」を総合的に判断します。
これらの薬は、あくまで重症化リスクの高い方の「転帰を良くする」ための薬として位置付けられています。
若年で基礎疾患のない方では、薬のメリットよりも副作用や相互作用のデメリットが上回る場合もあり、 ご希望があっても必ずしも処方にならないことがあります。あらかじめご了承ください。
3)入院が必要となる目安
次のような症状がある場合は、救急受診や入院治療が必要になることがあります。
- 息苦しさ、呼吸が速い・苦しい
- 胸の痛み・圧迫感
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しにくい
- 水分がほとんど取れない・尿が極端に少ない
- 高熱が続き、解熱剤でもほとんど下がらない
状態に応じて、近隣の急性期病院への紹介・救急搬送の要否を含めて判断します。
自宅療養と、同居家族の方へのお願い
新型コロナが「自宅療養」で対応されることが多くなったとはいえ、 特にご家族の中に高齢者や基礎疾患をお持ちの方がいる場合、 家庭内感染をなるべく減らす工夫が重要です。
- 可能であれば個室での療養を行い、食事・トイレなどの時間をずらす
- マスクの着用と、こまめな手洗い・アルコール消毒
- こまめな換気(窓を少し開ける・換気扇を回す)
- ドアノブ・スイッチ・リモコンなど、よく触る場所の拭き掃除
- 高齢のご家族や基礎疾患のある方とは、なるべく距離をとったコミュニケーションを
自宅療養期間や、同居家族の外出・出勤・登校については、
国や自治体の最新の方針にしたがって変わることがあります。
不安な点があれば、診察時に医師・スタッフにおたずねください。
