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乳製品・ホエイの見極め(記録法)|ニキビが増える?14日トラッキング法と代替案

乳製品・ホエイの見極め(記録法)|ニキビが増える?14日トラッキング法と代替案|0th CLINIC 日本橋

乳製品・ホエイの見極め(記録法)|ニキビが増える?14日トラッキング法

「牛乳やホエイで悪化する気がする…」を“気のせい”で終わらせない。
医師監修の除去→再導入→判定で、あなたの肌に合うバランスを見つけましょう。

※一般情報です。実際の対応は診察・既往・栄養状態を確認し個別最適化します。
目次
  1. なぜ“乳製品/ホエイ”で差が出る?(個人差の話)
  2. 悪化しやすいシグナル:自己チェック10項目
  3. 14日トラッキング法:手順(保存版)
  4. ABABテストで確度を上げる
  5. 代替案リスト(学校・職場・ジム・外食)
  6. 受診の目安|保険中心+必要時のみ自費
  7. よくある質問
  8. 関連リンク

なぜ“乳製品/ホエイ”で差が出る?(個人差の話)

ニキビは 皮脂角化細菌炎症 の四要素で成り立ちます。乳製品やホエイで悪化する方は、食後のホルモン応答血糖変動、トレーニング直後の汗/摩擦などが重なりやすい傾向があります。ただし全員が悪化するわけではありません。だからこそ、個人差を“記録”で見極めます。

本コラムは「見極めの方法」に特化しています。薬の選び方や機器治療は ニキビ総論 をご覧ください。

悪化しやすいシグナル:自己チェック10項目

  • □ ホエイドリンクを運動直後に飲むことが多い
  • □ 甘味入りヨーグルト・アイス・カフェラテを間食に選びがち
  • □ 同じ部位(顎/フェイスライン)に炎症性が繰り返す
  • □ 乳製品摂取48–72時間後に増える気がする
  • □ 高GIの主食・おやつが多い
  • □ 汗/ヘルメット/マスクの摩擦が重なっている
  • □ 便秘や下痢など腸の不調がある
  • □ 夜更かしや睡眠不足が続いている
  • □ クレンジング・洗顔のタイミングが遅い
  • □ レチノイド/過酸化ベンゾイル導入期で刺激が出やすい

14日トラッキング法:手順(保存版)

Day0:準備

  • 顔(正面/左右)・背中の写真を撮る(同じ照明・同距離)。
  • 「何を・どれくらい・いつ」摂るかをメモ(例:ホエイ30gを17:30)。
  • スコア表を用意(肌:0=落ち着く〜3=強い炎症、睡眠時間、便通)。

Day1–7:除去(エリミネーション)

  • 牛乳/ヨーグルト/チーズ/アイス、ホエイ/カゼインを一旦中止。
  • 代替:ソイ/ピープロテイン、無糖豆乳、アーモンドミルク等。
  • 夜はぬるま湯+低刺激洗顔→保湿。運動後は汗を流す導線を固定。生活のコツ

Day8–14:再導入(1種類ずつ)

  • 例:Day8–10 低脂肪乳コップ1杯、Day11–12 ヨーグルト100g、Day13–14 ホエイ30g。
  • 各アイテムは単独で、量も一定に。甘味添加は避け比較可能に。
  • 摂取後48–72時間の変化をスコア(新規炎症・同部位再発)。

判定

  • 関連あり:再導入のたびに炎症性が増える/同部位が連続。
  • 関連弱い:非炎症性のみ増える/ばらつきが大きい。
  • なし:有意な差が出ない。他因子を見直し。

薬の設計は医師と調整を。導入期の刺激は ベピオ / ディフェリン の使い方で左右されます。

ABABテストで確度を上げる

時間が取れる方は ABABテスト(A=代替、B=問題疑い食品)を各2–3日ずつ交互に実施。
例:ソイ(A)→ホエイ(B)→ソイ(A)→ホエイ(B)。B日だけ炎症が増えるなら関連が濃厚です。

ホエイを継続したい場合は、アイソレート(乳糖等をより除いたもの)・タイミング(運動直後→就寝前に分割)の再設計で折り合いをつけます。

代替案リスト(学校・職場・ジム・外食)

学校/職場

  • カフェラテ → 無糖ソイ/アーモンドミルク
  • 甘味ヨーグルト → プレーン+フルーツ少量
  • チーズスナック → 素焼きナッツ/小魚

ジム

  • ホエイ一気飲み → ソイ/ピーまたは分割摂取
  • 汗だくのまま移動 → シャワー→着替え導線を固定
  • タンクトップ摩擦 → 吸汗速乾+ゆとりのあるウェア

外食

  • クリーム系 → トマト/和風/オイル控えめに置換
  • デザート → 果物/寒天/糖質控えめ
  • 主食 → 未精製穀類やサラダ先行でGIコントロール

受診の目安|保険中心+必要時のみ自費

  • 赤いニキビ・しこりが繰り返す/痛み・腫れが強い
  • 食事調整をしても2–4週で改善乏しい
  • 跡(赤み/色素沈着/凹凸)が気になり始めた

まずは保険の標準治療(外用・内服・面皰圧出)で炎症を鎮め、必要時のみ自費で補強します。皮膚科美容皮膚科

よくある質問

乳製品は完全NGにすべき?

いいえ。反応がある種類・量・タイミングのみを調整し、栄養は別源で補いましょう。まずは記録で切り分けます。

発酵乳やハードチーズは?

問題ない方もいます。再導入を小量から行い、48–72時間の変化を記録してください。

カルシウムは何で補う?

小魚、豆腐、青菜、カルシウム強化食品など。必要時は医療者に相談を。

監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)|0th CLINIC 日本橋 院長|医学博士/日本病理学会認定 病理専門医

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