アロプリノール(尿酸生成抑制薬)|尿酸結石の再発予防と併用のコツ
アロプリノール(尿酸生成抑制薬)
— 尿酸結石の“再発予防”に焦点
尿酸結石・高尿酸尿の再発予防に用いる薬です。結石の痛みを止める薬ではないため、急性疝痛の第一選択ではありません。
0th CLINICは、生活改善・尿アルカリ化(クエン酸製剤)・飲水量管理と併用し、再発リスクを系統的に下げます。
このページは「泌尿器(尿酸結石の再発予防)」専用です。
痛風関節炎・高尿酸血症全般の詳説は 内科領域のページ へ分けて記載しています。
痛風関節炎・高尿酸血症全般の詳説は 内科領域のページ へ分けて記載しています。
適応:どんな方に検討する?
- 尿酸結石を繰り返す/画像や分析で尿酸系が疑われる/確認された
- 尿pHが低い(酸性側)・高尿酸尿(24時間尿や随時検査)
- クエン酸製剤(尿アルカリ化)や飲水指導のみで再発を抑え切れない
- 痛風歴があり、腎機能・併用薬を踏まえて生成抑制を併用すると合理的
※ 急性疝痛(激痛)時は鎮痛・MET(タムスロシン等)を優先。結石の急性期対応をご参照ください。
作用機序:キサンチンオキシダーゼ阻害
アロプリノール(活性代謝物:オキシプリノール)はキサンチンオキシダーゼ(XO)を阻害し、尿酸生成を抑えます。
尿酸結石は酸性尿で析出しやすいため、尿アルカリ化(pH 6.0–6.5程度)との併用で再発予防効果が高まります。
いつ始める?どうフォローする?
- 急性疝痛が落ち着いた後に開始(痛風例では急性期導入で関節炎が誘発/遷延することあり)
- 腎機能・尿酸値・肝機能・血算を基線採血 → 医師が投与量を個別調整
- 開始後は1–3か月ごとに尿酸値/副作用を確認、目標尿酸値(個別設定)まで段階調整
- 尿pHのセルフチェック(試験紙)と飲水量の管理を併用
※ 具体的な用量は年齢・腎機能・併用薬で大きく変わるため、当院で個別に決定します。
安全性:ここは必ずご確認ください
- 重篤皮膚障害(AHS:アロプリノール過敏症):発疹・発熱・肝障害・腎障害に注意。
- HLA-B*58:01 保有でリスク上昇が知られています(民族差あり)。当院では必要に応じて事前評価を検討。
- 腎機能障害:オキシプリノールが蓄積しうるため慎重投与。
- 相互作用:アザチオプリン/6-MP(代謝阻害で骨髄抑制リスク↑)、ワルファリン、テオフィリン 等は用量調整や代替を検討。
- 妊娠・授乳、重度肝障害、痛風急性期開始の是非などは個別判断。
自己判断の継続/中断は避け、発疹・発熱・全身倦怠が出たらすぐ受診/連絡してください。
よくある質問
- Q. 飲み始めると一生続けますか?
- A. 目標尿酸値・再発状況・副作用の有無で調整します。中止・減量を検討できる方もいます。
- Q. クエン酸製剤とどちらが先ですか?
- A. 飲水+尿アルカリ化(pH 6.0–6.5)が土台。再発や高尿酸尿が残ればアロプリノールを追加検討します。
- Q. 痛みが強い時に飲む薬ですか?
- A. いいえ。急性疝痛は鎮痛薬(NSAIDs/アセトアミノフェン)や排石促進が優先です。
- Q. 食事で気を付けることは?
- A. 飲水量の確保、プリン体過多の是正、果糖過多飲料の制限、就寝前の脱水回避が基本です。
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注意:本ページは一般情報です。実際の用量・期間は年齢・腎機能・併用薬・既往歴で個別に調整します。
副作用(発疹・発熱・倦怠感・肝/腎機能異常など)が疑われる場合は内服を中止し、速やかにご連絡ください。
副作用(発疹・発熱・倦怠感・肝/腎機能異常など)が疑われる場合は内服を中止し、速やかにご連絡ください。