包茎・亀頭包皮炎(Phimosis / Balanitis)
包茎・亀頭包皮炎(Phimosis / Balanitis)
包皮がむけにくい/むけない状態(包茎)と、赤み・痛み・分泌物・においなどの炎症(亀頭包皮炎)について解説します。
多くは洗浄・外用治療で改善。裂傷・再発炎症・排尿障害などでは包皮形成術/環状切除を検討します。
糖尿病や性感染症が関わることもあり、必要に応じて評価します。
精密検査・手術が必要な場合は、連携病院と一緒に治療にあたります。
当院は完全予約制、当日/直前予約OK・出勤前/後も可です。
※診療時間はお知らせをご確認ください。
概要:外用と衛生ケアが基本。再発・裂傷・排尿障害は手術も選択肢
包茎は包皮の開口(包皮輪)が狭くむきにくい/むけない状態、亀頭包皮炎は赤み・腫れ・痛み・分泌物・においを伴う炎症です。幼少期の生理的包茎は成長とともに改善することが多く、無理にむくのは禁物。一方、裂ける/再発炎症/排尿が妨げられる/性交疼痛などでは治療が必要です。
※診療時間はお知らせをご確認ください。
受診・救急の目安
救急へ:嵌頓包茎(むいた包皮が戻らず腫れて痛む)/排尿困難・尿が出ない/高熱・悪寒・強い陰部痛
早めの受診を:発赤・腫れ・分泌が続く/包皮が裂ける・出血をくり返す/糖尿病がある/パートナーの感染症が心配/性交時痛・避妊や衛生の不安
主な症状
| 炎症 | 赤み・腫れ・かゆみ・痛み・分泌物・におい・白いカス(恥垢)。 |
|---|---|
| 皮膚トラブル | 包皮輪の裂傷・出血、瘢痕・狭窄、癒着。 |
| 排尿 | 尿線が分かれる/飛散、包皮が風船状にふくらむ、排尿しづらい。 |
| 性機能 | 性交時痛、避妊・衛生の不安、再発性炎症。 |
原因(タイプ別の見取り図)
- 生理的包茎:幼少〜思春期に多く、自然に開大傾向。無理な牽引は裂傷・瘢痕化の原因。
- 病的包茎:反復炎症・裂傷後の瘢痕狭窄、癒着、先天的狭小。
- 感染性炎症:細菌/カンジダ、尿道炎(STI)に伴うもの。
- 刺激・衛生:洗浄不足/過度の洗いすぎ、石鹸刺激、汗・恥垢の貯留、コンドーム不耐。
- 全身要因:糖尿病・肥満・皮膚疾患(湿疹・乾癬など)。
検査:原因をしぼり、必要最小限で
| 視診・触診 | 包皮輪の狭さ・裂傷・癒着、発赤・白苔・びらん、リンパ腫脹。 |
|---|---|
| 尿検査 | 尿路感染の確認、糖・ケトンで糖尿病の手がかり。 |
| 分泌物検査 | 培養/鏡検。必要に応じてSTI検査。 |
| 血液 | 炎症所見・血糖、再発時は基礎疾患の確認。 |
| 超音波 | 排尿障害や陰嚢腫大があれば選択的に。 |
治療:外用と衛生から。必要時は形成手術も
| 衛生ケア | ぬるま湯で優しく洗浄→よく乾燥。強い石鹸/こすり過ぎを避ける。入浴後の軽いストレッチは痛みが出ない範囲で。 |
|---|---|
| 外用薬 | 抗真菌薬(カンジダ疑い)、抗菌薬・消炎薬(細菌性/刺激性)。ステロイド外用は短期・適切量で包皮輪の柔軟化に用いることあり。 |
| 内服 | 感染が強い/広い場合に抗菌薬など。痛みには鎮痛。 |
| 包皮の手術 | 再発炎症・裂傷・排尿障害・性交疼痛などでは、包皮形成術/環状切除/小帯形成術を検討。美容目的の可否や術式は個別に説明します。 |
| 全身要因 | 糖尿病・皮膚疾患のコントロール、パートナーのケア/コンドーム使用。 |
| 当院の方針 | 外来での評価・保存療法を実施し、手術が適切な場合は連携病院と一緒に治療します。術前後のフォローは当院で継続。 |
幼小児では無理な包皮牽引は避けるのが原則です。
セルフケア:再発を減らすコツ
日常の工夫
- 入浴時に軽い包皮ストレッチ(痛みがない範囲)。
- 通気性の良い下着、汗をかいたら早めに交換。
- 性交時は潤滑を意識、避妊具で刺激・感染リスクを軽減。
再発時の対応
- 赤み・痛みが強い時は性行為/運動を一時休止。
- 分泌・においが増える、発熱・排尿痛があれば受診。
- 嵌頓の兆候(むいた後に戻らない・腫れ・強痛)は救急へ。
費用の目安(保険/自費の考え方)
| 診察+検査 | 保険(自己負担は保険種別・項目で変動) |
|---|---|
| 外用・内服 | 保険(原因・重症度に応じて処方) |
| 性感染症検査 | 保険/自費(症状・希望で選択) |
| 包皮手術 | 保険/自費(医学的適応の有無・術式で判断/詳細は診察でご案内) |
当院は自費は性感染症の一部のみ、包皮手術は医学的適応に基づき保険適用の判断を行います。
FAQ:よくある質問
生理的包茎は治療が必要ですか?
多くは成長とともに自然に改善します。痛みや感染をくり返す、排尿が妨げられるなどがあればご相談ください。無理にむくのは避けましょう。
外用ステロイドは安全ですか?
短期間・適切量で使用します。漫然とした長期使用は避け、必ず医師の指示に従ってください。
手術後はどのくらいで日常生活に戻れますか?
術式や個人差によりますが、デスクワークは数日〜1週間程度を目安に説明します。性行為・運動は創の状態を見て段階的に。
パートナーにうつりますか?
炎症の多くは刺激・常在菌バランスですが、STIが疑わしい場合は双方の検査をおすすめします。
👨⚕️ 医師監修
荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科
本ページの医学的内容(受診目安・治療選択・術適応の考え方)を確認しています。
- 監修日:2025-10-31
- 最終更新日:2025-10-31
- 監修範囲:本文全体(FAQ・費用方針を含む)
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