コラム
旅行・出張中の血圧管理チェックリスト
旅行・出張中の血圧管理チェックリスト
移動・外食・睡眠の乱れは血圧を押し上げがち。
このページは「出発前→移動中→滞在中→帰宅後」の順で、やることだけをサクッと確認できます。
まずは要点(TL;DR)
- 薬は多めに持参&機内持ち込み(2~3日分の余裕+英文/汎用お薬手帳)
- 朝晩の家庭血圧は滞在中も継続(1分間隔で2回測定→平均)
- 塩分・脱水・睡眠不足の3要素に注意(外食は汁・ソースを残す/移動中はこまめに水分)
- 時差の服薬は「前後数時間のズレは許容」→到着後は通常時間に再固定
- 胸痛・息切れ・麻痺/呂律不良・激しい頭痛は迷わず現地で受診(赤旗)
出発前:準備チェック
- 常用薬:旅行日数+2〜3日分を用意。機内持ち込みに分ける
- 内服リスト:薬剤名/用量/回数のメモ。お薬手帳と一緒に
- 血圧計:上腕式(携帯用)+予備電池。カフサイズも確認
- 塩分対策:減塩ふりかけ/昆布茶は控えめ、汁物は“味見のみ”にする方針を決める
- スケジュール:朝晩の測定時間を旅程上で確保(起床後/就寝前)
移動中:機内・車内・列車で
- 水分:カフェイン/アルコールの摂りすぎに注意。無糖の水/お茶中心
- 長時間同一姿勢:1〜2時間ごとに足首を動かす/立つ(エコノミー症候群対策)
- 塩分:機内食/駅弁はソース・ドレッシングを半量に
- 内服:時差が数時間なら±2〜3時間のズレは許容→到着後に通常時間へ
滞在中:食事・睡眠・活動
- 外食:汁物/麺のスープは残す、漬物/加工肉は控えめ
- 飲酒:“乾杯1杯+ゆっくり”を基本に。連日の深酒は避ける
- 入浴/サウナ:酩酊/脱水時は入らない。長湯・水風呂急入は避ける
- 睡眠:就寝前のスマホ/カフェインを控え、同じ時刻に寝起き
- 家庭血圧:朝晩1分間隔×2回→平均値のみ記録(アプリ/メモOK)
時差のある旅行:服薬の考え方(目安)
多くの降圧薬は数時間のズレは許容できます。
長時間フライトでは「出発地の服薬→到着後は現地時間の朝/夜に再固定」でOK。
不安があれば事前にご相談ください(併用薬や腎機能で個別調整が必要な場合あり)。
現地で受診を考えるサイン(赤旗)
- 胸痛/圧迫感・息切れ・冷や汗が続く
- 片側の麻痺/しびれ・呂律が回らない・激しい頭痛
- 吐き気/嘔吐を伴う持続的な頭痛、視界の急なかすみ
- 家庭血圧の連続高値(例:180/110mmHg以上の持続)
※ 命に関わる症状は迷わず現地の救急へ。帰国後は当院で再評価を。
帰宅後:フォロー
- 1週間の平均値(朝/夜)を計算し、変化が続くなら受診
- むくみ/動悸/咳などの副作用が出現・増悪したら早めに相談
- 次回の出張に向けて、生活習慣の見直しを少しずつ
持ち物:家庭血圧の記録(朝晩×1週間)・お薬手帳・健診/採血結果(あれば)
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