コラム

認知症予防に期待される糖尿病治療薬(GLP-1・SGLT2)|30〜50代の“今”からできる対策

認知症予防に期待される糖尿病治療薬(GLP-1・SGLT2)|30〜50代の“今”からできる対策|0th CLINIC 日本橋
30〜50代向け|“将来の脳”を守る生活習慣病管理

認知症の予防に期待される「糖尿病治療薬」
GLP-1・SGLT2はどこまで本当?

「GLP-1(オゼンピック/マンジャロなど)やSGLT2阻害薬は、認知症を防ぐの?」——検索が増えているテーマです。
結論として、“認知症予防のためだけに薬を使う”段階ではありませんが、糖尿病・肥満・高血圧・動脈硬化・睡眠時無呼吸を整えることは、 将来の認知症リスク(特に血管性要素)を下げ得る、という考え方が世界的に強まっています。

最終更新:2025-12-26 監修:黒田揮志夫(0th CLINIC 日本橋) GLP-1 認知症 SGLT2 認知症 マンジャロ 認知症 オゼンピック アルツハイマー

1. まず結論(3行)

  • 認知症予防“だけ”を目的に糖尿病薬を使うことは推奨されません。
  • 一方で、糖尿病・肥満・高血圧・動脈硬化・睡眠時無呼吸を整えることは、将来の脳を守る合理的アプローチです。
  • 薬は「体重/血糖/心腎保護」など本来の適応・目的がある場合に、結果として脳にプラスの可能性が議論されています。
重要な最新ポイント:
“GLP-1薬でアルツハイマー病の進行を止める”期待もありましたが、セマグルチド(経口)のアルツハイマー病第3相試験(evoke/evoke+)は主要評価項目を達成できなかったと報じられています。
→ つまり、「認知症治療薬」としては未確立です。代謝・血管リスクの是正を主目的に考えましょう。

2. なぜ30〜50代が重要?

30〜50代は、仕事や家庭で忙しくなる一方で、体重増加・睡眠不足・ストレスが重なりやすい時期です。
そしてこの時期に積み上がる 肥満/高血圧/高血糖/脂質異常/睡眠時無呼吸 は、 将来の脳血管イベントや認知機能に影響し得ます。

“脳のための健康診断”の考え方
未来の認知症リスクは、突然出てくるというより、長年の生活習慣病リスクの蓄積の影響を受けます。
だからこそ、30〜50代は「今の最適化」が効きやすいタイミングです。
薬より先にやるべきこと
① 体重・腹囲 ② 血圧(家庭血圧) ③ HbA1c/空腹時血糖 ④ 脂質 ⑤ 睡眠(いびき/日中の眠気)
まずはここを“見える化”し、必要なら治療を組み立てます。

3. 薬ごとの「今わかっていること」

3-1. GLP-1受容体作動薬(例:セマグルチド/リラグルチド等)

  • 体重減少・血糖改善に加え、心血管リスク改善が期待される薬です。
  • 認知症については、観察研究などで「関連」が議論されていますが、予防目的での位置づけは確立していません。
  • アルツハイマー病そのものの治療としては、セマグルチドの第3相で主要評価項目未達成が報じられています。

3-2. SGLT2阻害薬

  • 糖尿病の薬で、心不全・腎保護の文脈でも重要です。
  • 認知症リスクについて、観察研究や解析で「低下と関連」する報告がありますが、因果を断定できる段階ではありません。

3-3. メトホルミン(ビグアナイド)

  • 糖尿病治療の基本薬として広く使われます。
  • 認知症との関連は研究が多い一方、結果は一様ではありません。適応がある方の治療として検討します。

3-4. まとめ:薬の“本来目的”を外さない

本来の主目的 認知症との関係(現時点) 当院での位置づけ
GLP-1 糖尿病/肥満、心血管リスク 関連は議論中。AD治療としては未確立(試験未達成報道あり) 適応がある方に、目的(体重/血糖/合併症)に沿って選択
SGLT2 糖尿病、心不全/腎保護 観察研究で低リスク関連の報告。確定ではない 心腎リスクや生活背景を見て適正に選択
メトホルミン 糖尿病(インスリン抵抗性) 研究は多いが一様ではない 適応があれば第一選択として検討
当院の考え方:
認知症の“予防”という視点は大切ですが、薬を選ぶときは診断(糖尿病/肥満/高血圧など)と医学的適応を主軸に置きます。
結果として「体重・血圧・血糖・睡眠」が整うことが、将来の脳にとってプラスになり得ます。

4. 当院での進め方(30〜50代の現実に合わせる)

Step 1:まず“見える化”(最短ルート)

  • 健診結果(HbA1c、脂質、肝機能、腎機能)+体重/腹囲
  • 家庭血圧(朝・夜を数日)
  • 睡眠:いびき、無呼吸の指摘、日中の眠気

Step 2:優先順位を決める

  • 体重(肥満):食欲・食行動・生活パターンを含めて設計
  • 血圧:家庭血圧と生活要因(塩分/睡眠/運動)を同時に
  • 血糖:HbA1cだけでなく、食後高血糖やインスリン抵抗性も評価
  • 睡眠時無呼吸:放置すると血圧・体重・日中の集中力にも影響
  • 動脈硬化:リスクが高い方は“今どれくらい進んでいるか”の評価

6. よくある質問(Search Console想定クエリ寄せFAQ)

例:「GLP-1 認知症」「SGLT2 認知症」「マンジャロ 認知症」「オゼンピック アルツハイマー」「糖尿病薬 認知症予防」 などの検索意図に合わせています。

Q. GLP-1は認知症予防に効果がありますか?
現時点で「認知症予防のためだけにGLP-1を使う」ことは推奨されません。研究で関連が示唆される一方、アルツハイマー病治療としては有効性が確認できなかった試験も報じられています。
当院では、糖尿病/肥満などの適応がある方に、体重・血糖・心血管リスクを主目的として検討します。
Q. SGLT2阻害薬は認知症リスクを下げますか?
観察研究で「使用と認知症リスク低下の関連」が報告されていますが、確実に下げる(因果)と断定できる段階ではありません。心不全・腎保護なども含め、適正に薬剤選択します。
Q. マンジャロ(チルゼパチド)で認知症を予防できますか?
チルゼパチドは糖尿病/肥満で、体重・血糖・心血管リスクに有用性が期待されます。
ただし認知症予防薬として確立した位置づけではありません。適応のある方で、代謝・血管リスクを整える目的で検討します。
Q. オゼンピック(セマグルチド)でアルツハイマー病は良くなりますか?
セマグルチドは糖尿病/肥満治療薬です。アルツハイマー病の治療としては、臨床試験で主要評価項目を達成できなかったと報じられています。
当院では、適応のある方に、体重・血糖・心血管リスクの最適化を主目的として提案します。
Q. “糖尿病ではないけど”認知症が不安でGLP-1を使えますか?
原則として適応(肥満/糖尿病など)と医学的必要性が前提です。まずは体重・血圧・血糖・脂質・睡眠を評価し、薬以外も含めた現実的な介入を一緒に考えます。
Q. メトホルミンは認知症予防になりますか?
研究は多い一方で結果は一様ではありません。糖尿病治療の基本薬として適応があれば検討しますが、予防目的単独での投与は一般的ではありません。
Q. 30〜50代で“今すぐやるべき”は何ですか?
①体重(腹囲) ②家庭血圧 ③HbA1c/血糖 ④脂質 ⑤睡眠(いびき/日中の眠気)を見える化し、優先順位を決めて管理することです。
特に肥満×高血圧×睡眠不良はセットで起きやすく、同時に整えると改善が早いことが多いです。
Q. いびき・睡眠時無呼吸は、脳に関係しますか?
睡眠の質の低下や低酸素が続くと、血管リスクや日中の集中力に影響し得ます。
いびき、日中の眠気、朝の頭重感、血圧高めの方は検査をご相談ください。
Q. 高血圧を放置すると、将来の認知症に影響しますか?
高血圧は脳血管イベントの重要リスクで、長期的に認知機能にも影響し得ます。
家庭血圧で“本当の血圧”を把握し、必要に応じて治療します。

7. 参考文献・参考情報

コラム一覧に戻る