血精液症(Hematospermia)|原因・受診の目安
概要:多くは良性・一過性。繰り返す時は“原因の見取り図”を
血精液症は精液に血が混じる現象で、前立腺・精嚢・射精管・尿道のどこかからの出血が多く、一度だけ/数回で自然軽快することがよくあります。繰り返す・数週間~数か月続く・40歳以上では、炎症・嚢胞・結石・まれな腫瘍などを過不足なく評価します。
※診療時間はお知らせをご確認ください。
受診・救急の目安
救急へ:高熱・悪寒(感染)/尿も出にくい・血の塊で閉塞感/強い会陰~下腹部痛が持続
早めの受診を:3–4週間以上続く/頻回に再発する/40歳以上または前立腺がん家族歴/血尿を伴う/抗凝固薬・抗血小板薬の内服中
主な症状
| 精液の色の変化 | 鮮赤〜茶色〜黒ずみ。数回の射精で薄くなることが多い。 |
|---|---|
| 随伴症状 | 排尿痛・残尿感・会陰部痛・発熱(前立腺/精嚢炎)、血尿。 |
| パートナー関連 | STI暴露リスク、避妊状況、出血が続く不安。 |
原因(代表例)
検査:過剰は避けつつ、見落とさない
| 問診 | 持続期間・回数、痛みや発熱、性行動/STIリスク、既往・内服(抗凝固薬)。 |
|---|---|
| 身体診察 | 前立腺圧痛・会陰部所見、陰茎/尿道の病変確認。 |
| 尿検査 | 尿沈渣/培養で感染確認。血尿があれば膀胱・上部尿路も考慮。 |
| 血液検査 | 炎症反応、必要に応じてPSA(年齢・所見で判断)。 |
| エコー | 経腹/経直腸エコーで前立腺・精嚢・射精管の評価。 |
| 追加 | MRI/CTや内視鏡は、持続・再発や腫瘍疑い時に選択的に。 |
| STI検査 | クラミジア・淋菌等を状況に応じて実施。 |
治療:安心をベースに、原因へアプローチ
| 説明・安心 | 多くは自然軽快。パートナー配慮の声掛け、再発時の受診目安を共有。 |
|---|---|
| 抗菌薬・抗炎症薬 | 前立腺炎/精嚢炎が疑わしい場合に使用。培養結果に基づき最適化。 |
| 生活調整 | 一時的禁欲〜頻度調整、飲水、便秘対策、長時間の自転車・会陰圧迫の回避。 |
| 薬剤調整 | 抗凝固/抗血小板薬の調整は主治医と連携して慎重に。 |
| 手技・手術 | 嚢胞/結石・閉塞が原因なら、連携病院で内視鏡・手術を検討。 |
| 当院の方針 | 必要に応じ連携病院と一緒に治療し、当院で術前後の継続フォローを行います。 |
セルフケア:再発時のコツ
まずは
- 数回の射精で色調が薄くなるか観察。
- 発熱・強い痛み・血尿があれば受診。
- パートナーには感染症でない場合も多いと説明(疑い時は検査)。
生活の工夫
- 飲水・便秘予防・温める(会陰部の過度な圧迫を避ける)。
- 自転車・長時間座位はクッション活用。
- 喫煙・高血圧の管理も再発予防に寄与。
費用の目安(保険/自費の考え方)
| 診察+尿検査 | 保険(自己負担は保険種別・項目で変動) |
|---|---|
| 血液・PSA・エコー | 保険(症状や年齢・所見により実施) |
| STI検査 | 保険/自費(症状・希望で選択) |
| MRI/内視鏡など | 保険(必要時/連携病院で施行する場合あり) |
当院は自費は性感染症の一部のみ、血精液症の評価は原則保険で対応します。
FAQ:よくある質問
パートナーにうつりますか?
多くは感染症が原因ではありません。性行動や症状でSTIが疑われる場合は、双方の検査をおすすめします。
がんの可能性は?
若年〜中年では非常に稀です。40歳以上・持続・再発では前立腺を中心に安全確認(PSA/エコー等)を行います。
何もしなくても治りますか?
一過性の場合は自然軽快が多いです。繰り返す/長引く場合は原因評価を行い、必要に応じ治療します。
性行為や運動は控えるべき?
痛みや発熱がなければ日常生活は概ね可能です。再発時は頻度や会陰部への負荷を調整します。
👨⚕️ 医師監修
荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科
本ページの医学的内容(受診目安・検査・治療の考え方)を確認しています。
- 監修日:2025-10-31
- 最終更新日:2025-10-31
- 監修範囲:本文全体(FAQ・費用方針を含む)
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