腎・膀胱・前立腺エコー(腹部超音波)
概要:被ばくなしで“腎→膀胱→前立腺”を一度に評価
腹部エコーは、超音波で臓器を描出する検査です。腎の腫れ(水腎症)、腎・尿管の結石の手がかり、膀胱の壁肥厚・腫瘤・結石、排尿後の残尿量(PVR)、男性では前立腺体積の推定が可能です。痛みや被ばくが少なく、外来でその場で結果の説明ができます。
適応・受診の目安
| 背部痛・疝痛 | 尿路結石や水腎症の有無をまず確認。 |
|---|---|
| 発熱+排尿症状 | 腎盂腎炎の合併や閉塞のチェック(再発・重症は培養や画像精査も)。 |
| 血尿(健診/肉眼) | 腎・膀胱のスクリーニング。必要時は尿細胞診やCT/内視鏡へ。 |
| 頻尿・尿勢低下・残尿感 | 残尿量(PVR)や前立腺体積を把握し、治療選択に反映。 |
| 既往/経過観察 | 腎嚢胞・腎腫瘍のフォロー、前立腺肥大の経時評価など。 |
症状が強い・急変時は救急受診の判断が必要です。院内での判断がつき次第、連携病院と一緒に精査・加療を進めます。
見えるもの(代表例)
腎
- 腎盂・腎杯の拡張(水腎症)
- 腎結石の手がかり(高エコー+音響陰影)
- 腎嚢胞・腎腫瘍のスクリーニング
膀胱・尿道出口
- 膀胱壁肥厚・腫瘤・結石
- 排尿直後の残尿量(PVR)
- 膀胱憩室・カテーテル位置の確認
前立腺(男性)
- 体積推定(BPH評価の一助)
- 中葉肥大・膀胱頸部の観察
- PSA高値や腫瘍疑い時はMRIや生検と組み合わせます
当日の流れ・準備
| 食事・内服 | 通常どおりでOK(腹部全体の精査では一部制限を案内することがあります)。 |
|---|---|
| 膀胱の張り | 残尿測定や膀胱観察のため、検査前は少し尿をためると描出が良くなります。 |
| 所要時間 | 10〜20分程度(症状・項目により前後)。当日その場で結果を説明します。 |
| 服装 | お腹を出しやすい服装で。ゼリーを塗布して観察します。 |
安全性と限界
安全性
- 被ばくなし、妊娠中でも実施可能
- 痛みはほぼなく、アレルギーの心配も基本的にありません
限界
- 小さな結石・尿管遠位部は見えにくいことがあります
- 膀胱腫瘍の微小病変は内視鏡が感度に優れます
- 前立腺癌の質的診断はMRIや生検が必要です
どんな時にCT/MRI・内視鏡へ?
| 結石が強く疑われる | CTで位置・大きさ・閉塞の程度を評価。 |
|---|---|
| 血尿の精査 | CT尿路造影+膀胱鏡を検討(持続・再発時)。 |
| 膀胱腫瘍が疑われる | 膀胱鏡での直接観察・生検。 |
| 前立腺癌が疑われる | MRIで局在評価→必要に応じ生検。 |
当院で必要性を判断し、連携病院と一緒に速やかに精査へ進みます。
費用の目安(保険/自費の考え方)
| 腎・膀胱・前立腺エコー | 保険(自己負担は保険種別・項目で変動) |
|---|---|
| 関連検査 | 尿検査・尿流測定/残尿・CT/MRI・膀胱鏡は症状に応じて選択 |
当院は自費は性感染症の一部のみ、画像検査は原則保険で対応します。
FAQ:よくある質問
準備は必要ですか?食事は?
基本は不要です。腹部全体の精査が必要な場合は事前にご案内します。
残尿はどう測りますか?
排尿直後に膀胱断面を測定して体積を推定します(PVR)。尿流測定/残尿と併用すると客観的です。
痛みや被ばくはありますか?
痛みはほぼなく、被ばくはありません。ゼリーのひんやり感がある程度です。
結果はいつ分かりますか?
その場で口頭説明します。追加精査が必要な場合は連携先での検査をご提案します。
👨⚕️ 医師監修
荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科
本ページの医学的内容(適応・限界・連携方針)を確認しています。
※診療時間はお知らせをご覧ください。
- 監修日:2025-11-01
- 最終更新日:2025-11-01
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