液体窒素(Cryotherapy)|陰部疣贅など皮膚病変の凍結治療
液体窒素(Cryotherapy)
陰部疣贅(HPV)や小型の皮膚良性病変に対し、低温で凍らせて壊死→自然脱落を促す外来処置です。
痛みや水疱、色素変化などを最小限にするため、当院で評価・説明・在宅ケアを丁寧にご案内します。
※診療時間はお知らせをご確認ください。
概要:低温で“狙って壊す”外来処置
液体窒素(−196℃)で病変部を数十秒単位で凍結し、細胞を壊して自然に脱落させます。メスを使わないため縫合は不要ですが、痛み・水疱・色素変化が起こることがあります。位置・大きさ・数によっては複数回に分けて行います。
対象・適応(代表例)
| 陰部疣贅(HPV) | 小型〜中等度のブツブツ。病気ページで検査・治療全体像を解説。 |
|---|---|
| スキンタグ・小型の良性腫瘍 | 摩擦部の小突起など(部位により適否を判断)。 |
| 再発への対応 | HPVは再発が比較的多いため、間隔をおいて数回の治療を前提に設計します。 |
大きい・広い・粘膜深部の病変は、切除やレーザー、連携機関での治療を検討します。
処置の流れ(外来〜在宅)
- 評価・説明:病変の種類・数・位置を確認し、回数の目安をご説明。
- 凍結:綿棒orスプレーで数秒〜数十秒×数回。部位と痛みで時間を調整。
- 冷却後:軽いヒリヒリ感。必要に応じて保護材を貼付。
- 在宅ケア:下記「痛み・在宅ケア」を参照。摩擦・こすり過ぎを避ける。
- 再診:2〜4週間を目安に状態を確認し、必要なら追加凍結。
痛み・在宅ケア(翌日以降の経過)
よくある経過
- 赤み→腫れ→水疱(みずぶくれ)→かさぶた→自然脱落。
- ヒリヒリ痛みは通常数日で軽くなります。
- 色素沈着(茶色〜薄黒)は数週〜数か月で薄くなることが多いです。
ケアのポイント
- シャワーは当日〜翌日から可(こすらず軽く洗う)。
- 軟膏:刺激少なめを薄く。ワセリン/必要時は軽いステロイド外用を短期で。
- 下着は摩擦の少ないものに。運動・長風呂は数日控えめ。
- 水疱は自分でつぶさない(感染・瘢痕の原因)。
すぐ相談:強い痛み/悪寒・発熱、広がる赤みや膿、出血が止まらない、激しい腫れ。
リスク・起こりやすいこと
| 痛み・水疱・びらん | 数日で軽快。保護と清潔を保つ。 |
|---|---|
| 色素沈着・色むら | 時間で薄くなることが多い。UV・摩擦を避ける。 |
| 瘢痕・凹み | 深い凍結や体質で少数例。経過で評価。 |
| 再発 | HPVは再発があり得ます。総合治療と合わせて対策。 |
| 感染 | まれに二次感染。悪化時は早めに受診し抗菌薬を検討。 |
避けるべきケース(事前相談)
- 広範囲・深部・出血しやすい部位(他治療や連携機関を検討)。
- 糖尿病など創傷治癒に影響がある場合は慎重に。
- 妊娠中:場所と大きさで可否を個別判断(基本的に局所治療は可だが要相談)。
- 自己判断での切除・薬剤塗布歴がある場合は必ず共有を。
費用の考え方(保険/自費)
| 診察 | 保険(病変の評価・説明) |
|---|---|
| 液体窒素 | 保険(部位・個数・難易度で点数が変動) |
| 薬(軟膏など) | 保険(必要時) |
| 自費 | 当院は性感染症の一部のみ自費。凍結は原則保険内で対応。 |
個別の費用は診察時にご案内します。
FAQ:よくある質問
1回で取りきれますか?
大きさ・数により2〜4週間おきに複数回必要なことがあります。
痛みはどのくらい?
処置中はピリッとした痛み、その後はヒリヒリが数日。鎮痛薬が必要なほど強い痛みは稀です。
性行為はいつから?
びらん・水疱が落ち着き、痛みや染みがない状態になってから。パートナーへの配慮も含め、病気ページをご参照ください。
再発を防ぐには?
摩擦を減らし清潔に。必要に応じて追加凍結や別治療、HPV全体の管理(検査・治療)を行います。
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