抗生剤と整腸剤(プロバイオティクス)の併用|下痢・むかつき対策

抗生剤と整腸剤(プロバイオティクス)の併用|下痢・むかつき対策|0th CLINIC

抗生剤 × 整腸剤(プロバイオティクス)の併用ガイド

抗生剤の服用で下痢・軟便・むかつきが心配な方へ。
本ページでは整腸剤の選び方・飲むタイミング・注意点を、受診の目安とともに解説します。

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抗生剤と整腸剤(プロバイオティクス)の併用|下痢・むかつき対策

なぜ整腸剤を併用するの?

抗生剤は原因菌を退治する一方で、腸内の善玉菌も減らしやすいため、下痢・軟便・腹部不快が起こることがあります。整腸剤(プロバイオティクス/プレバイオティクス/ポストバイオティクス)は、 腸内環境をサポートし、症状の軽減や回復の後押しが期待できます。

まずは症状のタイプを確認:
・主に皮膚症状(発疹/かゆみ/むくみ)→ 抗生剤アレルギー(薬疹)
・主に消化器症状(下痢/むかつき)→ 抗生剤の副作用(下痢・吐き気)

整腸剤の使い方(飲むタイミングと期間)

  1. 抗生剤と2〜3時間ずらして服用(同時だと菌製剤の働きが弱まることがあります)。
    ※酵母(Saccharomyces)は抗生剤の影響を受けにくいとされます。
  2. 抗生剤の内服中〜終了後1〜2週間の継続を目安に。症状に合わせて医師が調整します。
  3. 水分はしっかり。脱水を避けることが重要です。
ピロリ除菌・強めの抗生剤治療時は、整腸剤の併用で不調が軽くなることがあります。胃酸対策薬は タケキャブ(ボノプラザン)もご参照ください。

主な成分と特徴(代表例)

分類特徴ひと言メモ
乳酸菌 Lactobacillus属 など 腸内pHやバリア機能をサポート。ガス/膨満の軽減に寄与することあり。 抗生剤と時間をずらすのがコツ。
ビフィズス菌 Bifidobacterium属 など 大腸で働きやすく、便性状の整えに寄与。 複数菌種ブレンドも選択肢。
酪酸菌 酪酸産生菌(例:Clostridium butyricum 酪酸は大腸のエネルギー源。腸粘膜をサポート。 食物繊維/プレバイオティクスと相性◎。
酵母 Saccharomyces(ボウラルディ等) 抗生剤の影響を受けにくい。抗生剤起因性下痢対策で用いられることあり。 免疫抑制中/中心静脈カテーテルの方は注意。
プレ/ポストバイオティクス イヌリン等食物繊維/菌代謝産物 善玉菌の“エサ”や代謝産物で環境を整える。 ガスが出やすい人は少量から。

受診の目安(整腸剤を使っても…)

様子見可

  • 軽い軟便(1〜3日)
  • 食欲低下が軽度

受診を検討

  • 下痢が3日以上続く/体重減少
  • 腹痛・発熱・血便を伴う

感染性腸炎・C. difficileも考慮。

至急受診

  • 脱水(口渇・尿が少ない・ふらつき)
  • 強い腹痛/高熱/意識もうろう

整腸剤に注意が必要な方

  • 免疫抑制中/抗がん剤治療中、中心静脈カテーテル留置中
  • 重度の心疾患・腎疾患・肝疾患で治療中の方(事前に相談)
  • 妊娠・授乳中/小児(基本的に使用可能な剤も多いが、用量・製剤の選択は医師と相談)
  • 発疹・むくみ・息苦しさなどアレルギー症状が出た場合は中止し 抗生剤アレルギー 参照+受診

よくある質問(FAQ)

Q1. 整腸剤は抗生剤と一緒に飲んでOK?

同時でも問題ない製剤もありますが、2〜3時間ずらすとより無難です。酵母は影響を受けにくいとされます。

Q2. どのくらいの期間、続ければいい?

目安は抗生剤内服中〜終了後1〜2週間。症状や既往により医師が調整します。

Q3. 整腸剤で改善しなければ?

脱水予防と受診を。持続する下痢/血便/発熱は 感染性腸炎(C. difficile 等)を評価します。

Q4. タケキャブ(ボノプラザン)と併用は?

目的が異なるため併用されることがあります。胃のムカつきや胸やけが強い方は タケキャブを参照し、医師へご相談ください。

Q5. SIBO(小腸細菌過増殖)やIBSがある場合は?

個別調整が必要です。SIBOIBS のページをご確認のうえ受診ください。

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👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

抗生剤と整腸剤(プロバイオティクス)の併用|下痢・むかつき対策
「抗生剤治療を安全・快適に続けるために、整腸剤の適切な併用は有効な選択肢です。重い症状や長引く下痢は早めにご相談ください。」

0th CLINICでは、症状や既往に合わせた整腸剤の選択、食事アドバイス、必要時の検査まで包括的にサポートします。

監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/消化器病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長|総合診療・救急の診療経験10年以上
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※本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断・治療は医師の診察に基づいて行われます。重い症状・急変時は至急受診してください。

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