フェノフィブラート(トライコア®)|中性脂肪が高い脂質異常症の治療
フェノフィブラート(トライコア®)
フェノフィブラートは、中性脂肪(トリグリセリド:TG)が高い脂質異常症でよく検討される フィブラート系治療薬です。LDL-Cだけでなく、non-HDL-C・ApoB・HDL-C・TGを立体的に評価しながら、 食事・運動・体重管理と組み合わせて治療方針を考えます。
0th CLINIC 日本橋では、数値だけを追うのではなく、動脈硬化リスク・生活習慣・二次性脂質異常症・併用薬まで含めて、 続けやすく納得感のある脂質治療をご提案しています。
※ 実際の処方は、脂質プロフィール、腎機能、肝機能、併用薬、既往歴を踏まえて医師が判断します。
まず知っておきたいポイント
1. 中性脂肪が高い方で重要な選択肢です
フェノフィブラートは、特にTG高値が目立つ脂質異常症で使いやすいフィブラート系薬です。 HDL-Cが低い、non-HDL-Cも高い、という方でも検討しやすい薬です。
2. 食後に1日1回が基本です
本剤は空腹時だと吸収が悪くなるため、食後服用が基本です。 飲み方がシンプルで、継続しやすさにもつながります。
3. 腎機能・スタチン併用に注意します
腎機能低下がある方や、スタチン併用例では、横紋筋融解症や腎障害のリスクに注意が必要です。
フェノフィブラート(トライコア®)とは
どんな作用がある薬?
フェノフィブラートはPPARαを活性化し、脂質代謝に関わる蛋白の発現を調整することで、 血清トリグリセライドやコレステロールを低下させ、HDL-Cを上昇させる方向に働きます。
日本動脈硬化学会でも、フェノフィブラートはTG高値に有効なフィブラート系薬として位置づけられています。
どんな方で相談しやすい?
- 健診で中性脂肪(TG)高値を指摘された
- HDL-Cが低い、non-HDL-Cも高い
- スタチンでLDL-Cは改善したが、TG高値が残る
- 高トリグリセリド血症の治療をきちんと続けたい
- 飲酒、糖代謝、体重、睡眠なども含めて整理したい
期待できる効果
国内臨床試験では、フェノフィブラート投与で総コレステロールは約9〜22%低下、 トリグリセリドは約33〜54%低下、LDL-Cは約17〜29%低下、 HDL-Cは約25〜67%上昇したと報告されています。
TG高値は、食事、飲酒、肥満、糖代謝異常、甲状腺機能、遺伝的背景などの影響を受けやすいため、 薬だけでなく原因の見極めと生活習慣の調整を組み合わせることが重要です。
当院での評価ポイント
脂質プロフィール
LDL-C、HDL-C、TG、non-HDL-C、必要に応じてApoBやLp(a)も確認します。
二次性脂質異常の確認
糖尿病、甲状腺機能、飲酒、肥満、睡眠、腎・肝機能、併用薬などを見直します。
リスクの層別化
家族歴、FHの可能性、喫煙、高血圧、画像評価などから動脈硬化リスクを整理します。
治療選択
生活習慣介入を土台に、スタチン、エゼチミブ、EPA、フィブラート系などを個別に選びます。
飲み方
通常量
通常、成人ではフェノフィブラートとして1日1回106.6mg〜160mgを食後に経口投与します。 1日160mgを超える用量は使用しません。
トライコア®錠では、53.3mg錠×2錠=106.6mg、80mg錠×2錠=160mgが目安になります。
開始量の考え方
- IIb・III型:106.6mgから開始しやすい
- IV・V型(TG主体):53.3mgから開始可
- 肝機能検査異常あり / 肝障害の既往:53.3mgから開始
- 血清Cr 1.5〜2.5mg/dL未満:53.3mg開始または投与間隔延長を検討
治療中に大切なこと
- 投与前に十分な検査を行い、脂質異常症の診断を確定する
- 食事療法・運動療法を継続する
- 投与中は脂質値を定期的に再評価する
- 肝機能検査は開始3か月までは毎月、その後は3か月ごとに確認する
- 効果が乏しい場合は、漫然と続けず治療方針を見直す
禁忌・慎重投与
投与できない方
- 本剤成分に対して過敏症の既往がある方
- 肝障害のある方
- 血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上またはCCr 40mL/min未満の方
- 胆のう疾患のある方
- 妊婦または妊娠の可能性がある方、授乳中の方
特に慎重にみるポイント
- 胆石の既往
- 軽〜中等度の腎機能低下
- 肝機能異常の既往
- 高齢者
- スタチン、ワルファリン、糖尿病薬などの併用
副作用と注意点
特に注意したい副作用
- 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇、急性腎障害
- 肝障害:AST、ALT上昇、肝炎、黄疸
- 膵炎:強い腹痛、嘔気、嘔吐
比較的みられる副作用
- 腹痛、悪心、便秘などの消化器症状
- 皮疹、そう痒感
- γ-GTP、AST、ALTなどの上昇
- クレアチニン上昇
併用薬で気をつけるもの
- HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン):腎機能異常があると横紋筋融解症リスクが上がります
- ワルファリン:抗凝固作用が増強するためPT-INRをみながら調整します
- スルホニル尿素薬:低血糖に注意
- コレスチラミン:服用間隔をあけます
特に、筋肉痛・脱力・尿の色が濃い・強いだるさが出た場合は、早めにご相談ください。
脂質異常症をより深く知りたい方へ
基礎知識・検査・原因
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よくある質問
フェノフィブラートはどんな脂質異常症に向いていますか?
LDLコレステロールだけが高い場合にも使いますか?
なぜ食後に飲む必要がありますか?
スタチンと一緒に飲めますか?
どんな副作用に注意すればよいですか?
薬だけで改善しますか?
医師監修:遠藤大介 医師
「フェノフィブラートは、TG高値が目立つ脂質異常症で非常に重要な薬です。LDL-Cだけでなく、 TG・HDL-C・non-HDL-C・ApoBまでみながら、生活習慣と組み合わせて治療することで意味が高まります。」
卒業大学:筑波大学医学専門学群医学類(2010年)/順天堂大学大学院(2017年)
専門分野:成人心臓血管外科
資格:日本外科学会外科専門医、心臓血管外科専門医・修練指導者、腹部ステントグラフト実施医・指導医、胸部ステントグラフト実施医・指導医、TAVR/TAVI実施医、ロボット支援下心臓手術認定術者
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