ラピフォートワイプ2.5%(グリコピロニウムトシル酸塩)

💦 ラピフォートワイプとは(基本情報)

ラピフォートワイプ2.5%(グリコピロニウムトシル酸塩)

▲ ラピフォートワイプ(腋窩多汗症治療薬)

ラピフォートワイプは、有効成分グリコピロニウムトシル酸塩を含有する、原発性腋窩多汗症(わきの汗)専用の外用薬です。
使い切りタイプの1日1回のワイプ製剤で、手軽かつ衛生的に使用できます。

項目 内容
一般名 グリコピロニウムトシル酸塩水和物
剤形 外用ワイプ(1回使い切り)
適応症 原発性腋窩多汗症
保険適用 ○(保険診療にて処方可)
特徴 自律神経の末梢にあるムスカリン受容体をブロックし、
発汗を抑制するメカニズム。速やかに効果が現れるのが特徴です。

使用は夜間の清潔なわきに1回、翌朝以降に効果を実感しやすい設計です。
多汗に悩む方のQOL改善を目指した、新しい選択肢です。

💡 ラピフォートワイプの効果と作用機序

ラピフォートワイプ(成分名:グリコピロニウムトシル酸塩水和物)は、原発性腋窩多汗症に対して処方される外用薬です。
自律神経系に作用し、過剰な発汗を抑制する仕組みにより、日常生活の快適性を大きく改善します。

■ 発汗の原因にアプローチ

ラピフォートワイプの有効成分は、ムスカリン受容体(M3)をブロックすることで、汗腺からの発汗指令を遮断します。
これにより、わきの過剰な発汗を安全に抑制することができます。

■ 1日1回の簡単ケア

就寝前にわきに拭き取るだけで、翌日からの発汗量を顕著に減少させる効果が期待できます。
使用感もよく、速乾性の高いワイプ剤形で日常のケアに取り入れやすい設計です。

■ 即効性:初日~数日以内に効果を実感

ラピフォートワイプは使用初日から効果を感じる方も多く早期にQOLの改善が見込めます。
医師の指導のもと、継続的に使用することで安定した効果を得られます。

■ 注意点と副作用

口渇・目の乾燥・便秘・排尿困難など抗コリン作用に基づく副作用がまれに出ることがあります。
特に持病のある方やお薬を併用している方は事前に医師へ相談してください。

✅ ラピフォートワイプは、わき汗に悩む方のための新しい保険適用治療薬です。
毎日のケアをシンプルにし、汗染みやにおいによる不安を軽減します。
気になる方は、ぜひ一度医師へご相談ください。

🧴 ラピフォートワイプの使い方・使用方法

ラピフォートワイプは1日1回、就寝前にわきへ塗布する外用制汗薬です。
原発性腋窩多汗症(わき汗)に対して効果があり、使用翌日から発汗を抑える作用を発揮します。

■ 使用する順番(ケアの流れ)

  1. わきを洗う:石けんとぬるま湯でわきを清潔にし、水分をよく拭き取ります。
  2. ワイプで塗布:わきに均一にすべらせるように塗布します(片側に1枚ずつ)。
  3. 乾燥させる:塗布後はわきを乾かし、衣類と擦れないように注意します。

※ 傷や炎症、湿疹部位には使用しないでください。

■ 使用回数と時間帯

ラピフォートワイプは1日1回、就寝前の使用が推奨されています。
汗の分泌が少ない夜間に塗布することで、翌日の発汗抑制効果を高めます。

■ 使用量と範囲の目安

  • ● 両わきに1日1回、1枚ずつ使用します。
  • ● 肌が完全に乾いた状態で使用してください。

※ 1枚は個包装で、1回使い切りタイプです。

ラピフォートワイプ2.5%(グリコピロニウムトシル酸塩)

▲ ラピフォートワイプ外観

■ 使用時の注意点とトラブル時の対応

  • 目・口・粘膜への接触は避けてください(手を洗ってから顔を触る)。
  • 乾燥やピリつきを感じた場合は使用を一時中止し、医師に相談してください。
  • 💡 肌荒れがあるときは医師の確認を受けてから使用してください。

✅ ラピフォートワイプはわき汗に悩む方の生活をサポートする保険適用の新しい選択肢です。
医師の指導のもと、正しい手順で継続的に使用することで、快適な日常生活が期待できます。

⚠️ ラピフォートワイプの副作用と使用上の注意点

ラピフォートワイプは、原発性腋窩多汗症に用いられる処方薬です。汗の分泌を抑える有効成分「グリコピロニウム」が含まれ、1日1回、腋の下に塗布することで発汗をコントロールします。

■ 主な副作用

  • 口の渇き(口渇):唾液分泌の抑制によるもので、比較的よくみられます。
  • 目のかすみ:ピントが合いにくいなどの一時的な視覚障害が出ることがあります。
  • 便秘:消化管運動の抑制による症状です。
  • 尿が出にくくなる(排尿困難):特に前立腺肥大のある方は注意が必要です。
  • 皮膚のかぶれ・発赤:ワイプによる接触刺激やアレルギーによるものです。

■ 使用上の注意点(なぜ必要か?)

  • 目や口に触れないように注意:成分が粘膜に付着すると強い刺激や副作用のリスクがあります。
  • 塗布後はすぐに手を洗う:手に薬剤が残っていると、誤って目をこする・口を触ることで副作用が起きる可能性があります。
  • 他人との共用はNG:感染予防や薬剤管理の観点からも、一人一包装での使用が推奨されています。
  • 高温多湿の場所で保管しない:薬剤の安定性が低下し、効果や安全性に影響する可能性があります。

詳しくは、マルホ株式会社公式サイトをご覧ください。

■ 廃棄時の注意(特にお子様がいるご家庭へ)

使用済みのラピフォートワイプは成分が残っている可能性があるため、そのまま捨てずに袋に入れて封をしてから捨ててください
特に小さなお子様がいる家庭では、誤って触れたり、口に入れたりする事故防止のため、家庭ゴミとは別に、手の届かない場所に廃棄を徹底しましょう。

💧 多汗症治療薬の比較表

多汗症の治療には、塗り薬・内服薬・注射など複数の選択肢があります。以下は代表的な治療薬の比較表です。

薬剤名 剤形 主な作用 副作用 使用部位 保険適用
エクロックゲル 塗布(ゲル) 発汗を抑制する抗コリン作用(皮膚局所) 皮膚刺激、口渇、かすみ目 わき
ラピフォートワイプ 塗布(ワイプ式) 抗コリン薬で発汗抑制(より速効性) 口渇、視覚異常、めまい、皮膚炎 わき
プロバンサイン 内服(錠剤) 全身性に発汗を抑える抗コリン薬 眠気、口渇、便秘、排尿障害 全身
ボトックス注射 注射 神経伝達を遮断し汗腺の働きをブロック 注射部位の痛み、まれに筋力低下 わき(保険)、手・足(自費) ○(重度腋窩多汗症)

どの治療を選ぶかは「症状の程度」「部位」「生活スタイル」によって変わります。
医師と相談しながら、最も効果的で続けやすい治療法を選びましょう。

📚 ラピフォートワイプの効果とエビデンス

ラピフォートワイプ(一般名:ソフピロニウム臭化物)は、日本初のワイプ式抗コリン外用薬として2023年に承認されました。
主に原発性腋窩多汗症の治療に使用されており、発汗量を有意に抑制する効果が認められています。

■ 国内での承認と保険適用

  • 2023年6月に厚生労働省より承認。
  • 2023年12月から保険適用され、全国の皮膚科で処方可能となりました。
  • ● 日本皮膚科学会の「多汗症診療ガイドライン2023」でも、外用抗コリン薬の一つとして記載されています。

■ 臨床試験による有効性と安全性

  • ● 国内第Ⅲ相試験では、ラピフォート群で発汗量が有意に減少(p<0.001)。
  • ● 多汗症重症度スケール(HDSS)で、2段階以上の改善が約60%に達したと報告。
  • ● 皮膚刺激、口渇、視覚異常などの副作用はあるが、重篤な有害事象は少ないとされました。

■ 信頼できる情報ソース(外部リンク)

✅ ラピフォートワイプは、ワイプ式で使いやすく、即効性と実用性を兼ね備えた多汗症治療の新たな選択肢です。
科学的な根拠に基づいた使用により、日常生活の悩みを確実に軽減できます。

❓ ラピフォートワイプ よくある質問(FAQ)

通常は1日1回、両脇に1枚ずつ使用します(1回2枚使用)。
夜の入浴後など、肌が清潔な状態での使用が推奨されます。

はい、使用後は必ず石けんで手を洗ってください
手に薬剤が残っていると、目や口に触れた際に副作用(散瞳や口渇など)を引き起こす可能性があります。

汗をかいても基本的には効果が持続しますが、強くこすったり拭いたりすると効果が落ちることがあります。
使用後1時間程度はできるだけ擦らないようにしましょう。

ラピフォートワイプは比較的新しい薬剤であり、妊娠中や授乳中の安全性は十分に確立されていません
必ず医師に相談のうえ、使用の可否を判断してください。

一般的に外用抗コリン薬は、継続的に使用しても効果と安全性が認められていますが、
副作用(口渇、目のかすみ、皮膚刺激など)が出た場合は中止して医師に相談してください。

ラピフォートワイプはわき専用に設計されています。
手のひらや足、顔など他部位には安全性・効果が確認されていないため、使用は避けてください。

エクロックはゲルタイプで皮膚への刺激がやや少なく、継続的に使いたい方におすすめ
ラピフォートは即効性と利便性が高い一方で、やや副作用リスクもあります。
ボトックスは一度の治療で数ヶ月効果が持続しますが、費用や注射が必要です。

✅ それぞれのライフスタイルや症状の強さに応じて使い分けが重要です。

💰 ラピフォートワイプの薬価と自己負担について

ラピフォートワイプ(一般名:ソフピロニウム臭化物)は、原発性腋窩多汗症の治療に用いられるワイプ式外用抗コリン薬です。
2023年に保険適用され、1日1回の簡便な使用が可能な製剤として注目されています。

■ 保険診療での薬価(2024年時点)

製剤名 薬価(単価) 使用量目安 薬剤費(3割負担)
ラピフォートワイプ2.5% 250.6円/包 28包(1日2包×14日) 約2,105円(3割負担)

■ 自己負担の目安

  • 3割負担の方:1カ月あたり約2,105円(薬剤費のみ)
  • 1割負担(高齢者等):約700円前後
  • ● 医療機関での診察料・処方箋料・薬剤師の調剤料などは別途必要です

■ ジェネリック医薬品の有無

ラピフォートワイプには現在ジェネリック医薬品はありません(2024年時点)。
しかし、ワイプ式の利便性や即効性が評価されており、ライフスタイルに応じた選択肢として有効です。

✅ ラピフォートワイプは、日常生活に支障をきたす多汗症症状に対し、効果的かつ手軽な治療手段として使用されています。
治療コストや副作用リスクを含めて、医師と相談の上で最適な治療を選びましょう。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

ラピフォートワイプ2.5%(グリコピロニウムトシル酸塩)
「多汗症は“身体のQOL(生活の質)に大きく影響する疾患”です。
患者さんの悩みに寄り添い、エビデンスに基づいた治療で日常生活の不便を軽減することが私たちの使命です」

当院では、原発性腋窩多汗症に対し、外用薬(ラピフォートワイプ)やボトックス注射など、症状やライフスタイルに合わせた治療提案を行っています。
治療薬の使い方や副作用のリスク、他の疾患との兼ね合いまで、医師が丁寧に説明し、安全に治療が進められるようサポートいたします。

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/総合診療、救急科での診療歴10年以上

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