食欲がない・食べられない(食欲低下)
食欲がない・食べられない(食欲低下)
「なんとなく食べたくない」「少し食べるとすぐにお腹いっぱい」「数週間で食事量が減った気がする」——。
食欲低下は、ちょっとした体調不良から、感染症・消化器疾患・糖尿病・心不全・腎機能・薬の影響・こころの不調まで、さまざまな病気のサインになることがあります。
0th CLINIC 日本橋では、総合内科の立場から全身をチェックし、必要に応じて 消化器・循環器・精神科などと連携しながら、原因の整理と栄養管理を行います。
すぐ受診・場合によっては救急を検討してほしいサイン
- ほとんど食べられず水分も十分にとれない(口が渇く・ふらつく)
- 数週間で体重が急に落ちた(5%以上)
- 強い腹痛・黒色便・血を吐く・吐き気が止まらない
- 息切れ・むくみ・尿量減少を伴う(心不全・腎機能低下のサイン)
- 高熱・咳・強い倦怠感など、感染症を疑う症状がある
- 急な気分の落ち込みが続き、日常生活に支障が出ている
これらに当てはまる場合は、早めの受診や救急外来での評価が必要なことがあります。時間帯によっては#7119(救急相談窓口)もご活用ください。
セルフチェック|診察前に整理しておくと良いポイント
食欲・食事量について
- いつ頃から食欲が落ちたか(◯日前/◯週間前/数か月以上)
- 1日何食・どれくらい食べられているか(ご飯◯杯・惣菜など)
- 「食べたい気持ち」はあるか、それとも見ても食べたくないか
- 食べると気持ち悪くなる・腹痛が出る・すぐいっぱいになる などの有無
全身状態の変化
- 最近の体重変化(◯kg → ◯kg)
- 発熱・咳・のどの痛み・下痢・便秘などの有無
- 倦怠感・めまい・息切れ・むくみ・動悸の有無
- こころの状態(気分の落ち込み・不安・眠れない など)の変化
これらをメモやスマホにまとめておくと、診察が短時間で的確に進みます。
原因と鑑別|「どんな食欲低下か」で考えられる病気
1)発熱・のどの痛み・咳・胃腸症状を伴う食欲低下
急に食欲が落ちて、発熱・のどの痛み・咳・下痢・嘔吐などを伴う場合、 かぜ・インフルエンザ・胃腸炎などの急性の感染症が原因のことが多くなります。
- かぜ・上気道炎:のどの痛み・鼻水・咳・微熱とともに一時的に食欲が落ちる
- インフルエンザ:高熱・全身倦怠・関節痛・筋肉痛などが強く、食事がとりづらい → インフルエンザ
- 胃腸炎:吐き気・嘔吐・下痢・腹痛を伴う食欲低下
感染症が回復しても食欲が戻らない、体重減少が続く場合は、 他の原因(消化器・内分泌・心不全・腎機能・メンタルなど)が隠れていないか確認が必要です。
2)胃もたれ・胸やけ・すぐにお腹がいっぱいになる
「少し食べるとすぐにいっぱい」「胃のあたりが張る・重い」「胸やけ・げっぷが多い」場合は、 胃や十二指腸・食道の病気が関係していることがあります。
- 慢性胃炎・逆流性食道炎:胃もたれ・胸やけ・上腹部の不快感
- 胃・十二指腸潰瘍:みぞおちの痛み・黒色便・貧血症状を伴うことも
- 機能性ディスペプシア:検査で大きな異常はなくても、胃の動きや感受性の変化で食欲が落ちる状態
3)口渇・多尿・体重減少を伴う食欲低下
「食欲がない+のどが渇く+トイレが多い+体重が減る」といった組み合わせは、 糖尿病や脱水が背景にあることがあります。
- 糖尿病・高血糖:口渇・多飲・多尿・体重減少・だるさなど →
のどの渇きが強い /
トイレが近い(頻尿・夜間多尿) /
体重減少・だるさ
詳細:糖尿病 総合 - 糖尿病性ケトアシドーシス・HHS:ぐったりする・吐き気・呼吸が速いなどがあれば救急対応が必要な場合も → DKA / HHS
4)むくみ・息切れ・だるさを伴う食欲低下
「むくみが増えた」「階段で息切れする」「体がだるい」といった症状と一緒に食欲が落ちている場合、 心不全や腎機能低下、肝疾患などが背景にあることがあります。
- 心不全:労作時の息切れ・横になると苦しい・夜間の呼吸困難など
- 慢性腎臓病:むくみ・尿量変化・倦怠感・貧血
- 肝疾患:だるさ・黄疸・腹水・出血傾向など
5)こころの不調・ストレスによる食欲低下
「気分が晴れない」「何をしても楽しくない」「眠れない・早く目が覚める」といったこころの症状とともに食欲が落ちる場合、 うつ状態・適応障害・不安症などが関係していることがあります。
こころの不調と身体症状は密接に関連しており、「とりあえず検査だけ」では原因がわかりにくいこともあります。
0th CLINICでは、身体面と生活背景を一緒に整理しながら、必要に応じて専門機関と連携します。
6)薬の影響・生活リズムの乱れ
- 薬剤性:一部の降圧薬・抗うつ薬・鎮痛薬・抗がん剤などで食欲低下が出ることがあります。
- 生活リズム:夜型生活・飲酒・過度なダイエット・偏った食事も食欲低下の背景になります。
どの科に相談?|受診先と当院の役割
| 症状のパターン | まず相談したい診療科 | ポイント |
|---|---|---|
| 発熱・咳・のどの痛み・全身倦怠を伴う | 内科(総合) | 感染症の有無を評価し、必要に応じてインフルエンザ等の検査・治療を行います。→ インフルエンザ |
| 胸やけ・胃もたれ・上腹部の痛みを伴う | 消化器内科(窓口は総合内科) | 内視鏡検査が必要かどうか、全身状態とあわせて判断します。 |
| 口渇・多尿・体重減少を伴う | 糖尿病内科 | 血糖・HbA1c・尿検査で糖尿病の有無を評価します。→ 糖尿病 総合 |
| むくみ・息切れ・尿量の変化を伴う | 内科(循環器・腎臓) | 心不全・腎機能低下の有無を評価します。血液検査・心電図・エコーなどが検討されます。 |
| 気分の落ち込み・不安・不眠とともに食欲がない | 内科(総合)/メンタルヘルス | まず身体疾患の除外と生活状況の整理を行い、必要時に精神科・心療内科と連携します。 |
| どの科に行けば良いか判断がつかない | 総合内科(0th CLINIC) | 全身をまとめて評価し、優先すべき検査や専門科への紹介を一緒に検討します。 |
0th CLINIC 日本橋では、まず総合内科としてご相談をお受けし、
糖尿病内科・循環器・泌尿器など、院内外の専門と連携しながら診療を行っています。
0th CLINICで行う検査と診療の流れ
- 問診・診察
食欲低下の始まり・きっかけ・食事量の変化・体重変化、発熱や痛み、排便・排尿の様子、服薬状況、こころの状態などを丁寧に伺います。 - 基本検査
血液検査(炎症反応・貧血・肝機能・腎機能・電解質・血糖・HbA1cなど)、尿検査、必要に応じて心電図やレントゲンを行います。 - 必要に応じた画像検査・専門検査
腹部エコー・胸部画像、提携施設での内視鏡検査などを検討します。 - 原因に応じた治療・フォロー
感染症や消化器疾患には薬物治療・点滴、糖尿病には血糖コントロール、心不全・腎疾患には体液管理など、原因別に優先度の高い治療から進めます。 - 栄養・生活サポート
食べ方・食事内容の工夫、必要に応じて栄養補助食品や漢方の活用など、その日からできる工夫も一緒に考えていきます。
検査や治療はすべて一度で行う必要はありません。ご希望や生活状況を伺いながら、段階的に進めていきます。
よくある質問(FAQ)
Q. 1週間くらい食欲がないだけなら、様子を見ても大丈夫ですか?
A. 風邪や軽い胃腸炎の回復期など、一時的な食欲低下はよくあります。ただし、 1〜2週間以上続く・体重が減ってきた・熱や痛みがある場合は、一度検査で確認した方が安心です。
Q. 食べられなくても水やお茶だけ飲んでいれば問題ありませんか?
A. 水分はとても大切ですが、それだけでは筋肉や免疫力を保つための栄養が不足します。
ゼリー・経口補水液・栄養補助飲料などを少しずつでも取りながら、長引く場合は原因を調べることをおすすめします。
Q. ダイエット中で食事量を減らしています。どこまでが「食欲低下」になりますか?
A. 自主的に量を調整しているだけで、元気・体重変化が大きくない・日常生活に支障がなければ、必ずしも病気とは限りません。
ただし、ふらつき・集中力低下・月経異常・強い疲労感などが出てきた場合は、栄養不足・ホルモンバランスの乱れなどの可能性があり、一度ご相談ください。
食欲が戻らない・体重が落ちてきたと感じる方へ
食欲低下は、「少し様子を見ているうちに」体重や体力が落ちてしまうこともあります。
早めに原因を整理しておくことで、重症化の予防や生活の質の維持につながります。
体重のメモや、ここ1〜2週間の食事内容がわかる写真・メモがあると、診察がより具体的になります。
関連ページ:
・体重が急に減った・だるい
・のどの渇きが強い・水をがぶ飲みする
・糖尿病 総合ページ
監修
「食欲の低下は、『疲れているだけ』『年のせい』と見過ごされがちですが、
背景に治療が必要な病気が隠れていることも少なくありません。
気になった段階で相談していただくことで、より軽い段階での介入が可能になります。」
0th CLINICでは、症状だけでなく生活背景や価値観も含めてお話を伺い、
「どこまで検査をするか」「どのくらいのペースでフォローするか」を一緒に相談しながら決めていきます。
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/プライマリ・ケア連合学会認定 プライマリ・ケア認定医
日本医師会認定 産業医・健康スポーツ医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
