尿膜管遺残(Urachal Remnant)|症状(臍からの分泌・下腹部痛)

尿膜管遺残(Urachal Remnant)|症状(臍からの分泌・下腹部痛)・検査・治療(手術/感染対策)|0th CLINIC 日本橋

尿膜管遺残(Urachal Remnant)

臍(へそ)から分泌・におい・浸出が続く、下腹部のしこり/痛みがある――その原因のひとつが尿膜管遺残です。
評価は超音波・CTを軸に。感染時は抗菌薬+切開排膿で炎症を落ち着かせ、炎症消退後に尿膜管摘出(必要時:臍合併/膀胱頂部部分切除)を検討します。
精密検査・手術・入院治療が必要な場合は、連携病院と一緒に治療にあたります。
当院は完全予約制当日/直前予約OK・出勤前/後も可です。
※診療時間はお知らせをご確認ください。

概要:臍と膀胱をつなぐ“胎児期の管”が残った状態

胎児期に膀胱頂部から臍へ伸びる尿膜管は通常生後に閉鎖しますが、閉鎖不全があると尿膜管遺残として臍分泌や下腹部不快、反復感染の原因となります。
代表的な形は尿膜管洞(臍側開口)尿膜管嚢胞尿膜管憩室(膀胱側開口)尿膜管開存(臍〜膀胱の貫通)です。

※診療時間はお知らせをご確認ください。

受診・救急の目安

救急へ:強い下腹部痛と発熱(膿瘍形成の疑い)/血の塊で排尿困難/嘔気・全身状態悪化
早めの受診を:臍からの分泌・悪臭が続く/下腹部にしこり・痛み/血尿や膀胱炎を繰り返す

主な症状

臍のトラブル分泌・湿り・悪臭・赤み(臍炎)。繰り返す皮膚トラブル。
下腹部症状正中のしこり・違和感・痛み(嚢胞/膿瘍)。
尿路症状頻尿・残尿感・排尿痛、時に血尿(膀胱側開口時)。

検査:画像で形態を把握し、感染の有無を評価

視診・触診臍部の開口/分泌、正中腫瘤の有無を確認。
超音波(エコー)腹部エコーで嚢胞・膿瘍・管状構造を評価。
造影CTCTで尿膜管の走行、膿瘍・周囲炎症、膀胱頂部への連続を評価。
培養検査臍分泌や膿の細菌培養。必要に応じて抗菌薬感受性。
尿検査尿検査で血尿/感染の確認(膀胱側開口の示唆)。
膀胱鏡膀胱開口が疑われる場合に選択(状況に応じて)。

タイプ(代表例)

尿膜管洞(臍側開口)臍から分泌・感染を繰り返す。
尿膜管嚢胞正中の嚢胞が感染し疼痛・発熱。膿瘍形成あり。
尿膜管憩室(膀胱側)膀胱近くで開口し、血尿や膀胱炎反復の原因に。
尿膜管開存臍〜膀胱が貫通し、臍から尿が滲むことも。

🖼️ 図で分かる尿膜管遺残(小図)

尿膜管遺残(Urachal Remnant)|症状(臍からの分泌・下腹部痛)
  • ① 完全遺残(開存)
  • ② 尿膜管嚢胞
  • ③ 臍側洞
  • ④ 膀胱側憩室

※イメージ図。実際の診断はエコー/CT等で行います。

治療:まず感染を鎮め、根治術を安全に

保存的治療感染時は抗菌薬・創部ケア。膿瘍は切開排膿を検討。
炎症鎮静後の根治術尿膜管摘出(臍側~膀胱頂部までの索状物を全切除)。状況により臍合併切除膀胱頂部部分切除を追加。
アプローチ開腹/腹腔鏡/ロボット等を症例に応じ選択(連携病院で実施)。
当院の方針精密検査、手術、入院が必要な場合は連携病院と一緒に治療にあたります。外来での評価・創部/感染管理・術前後フォローを当院が継続して行います。

美容面(臍の形状・瘢痕)にも配慮し、術後のケアを説明します。

合併症と注意

  • 感染再燃・膿瘍:発熱・痛みは早期受診を。
  • 瘻孔/皮膚トラブル:創部の清潔と適切なドレッシング。
  • 稀な悪性化:成人で稀に尿膜管癌(腺癌)が見つかることがあり、画像・病理で慎重に評価します。

費用の目安(保険/自費の考え方)

診察+エコー/CT/培養保険(自己負担は保険種別・項目で変動)
抗菌薬・切開排膿保険(感染の程度による)
尿膜管摘出(臍/膀胱頂部合併切除含む)保険(提携病院で実施、詳細は診察で説明)

当院は自費は性感染症の一部のみ、尿膜管遺残の診療は保険で対応します。

FAQ:よくある質問

臍から膿や液が出ます。すぐ手術が必要?
まずは感染を鎮める治療(抗菌薬・必要に応じ排膿)を行い、炎症が落ち着いてから根治術の計画を立てるのが安全です。
傷あとや臍の形が心配です。
切開線や臍形成を含め、術後の見た目に配慮して計画します。個別にご相談ください。
再発はありますか?
遺残組織を含めて摘出すれば再発は稀です。感染徴候があれば早めに再受診を。
仕事や学校への復帰は?
処置内容により異なりますが、軽作業は数日〜1週間が目安です。術式により個別に説明します。

👨‍⚕️ 医師監修

尿膜管遺残(Urachal Remnant)|症状(臍からの分泌・下腹部痛)

荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科

本ページの医学的内容(受診目安・検査・治療の考え方)を確認しています。

  • 監修日:2025-10-31
  • 最終更新日:2025-10-31
  • 監修範囲:本文全体(FAQ・費用方針を含む)

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