ボトックスの単位・回数・間隔|“打ちすぎない”設計ガイド
ボトックスは、ボツリヌス菌が作り出した神経毒を精製して作られた薬剤です。正式名称は「ボツリヌス毒素」ですが、アラガン社製の薬剤名が「ボトックス」として広く知られています。
ボトックスの単位・回数・間隔|“打ちすぎない”設計ガイド
「何単位が適切?」「どのくらいの間隔で続ける?」に、部位別の目安と抗体化を避ける打ち方で答えます。
国内承認(眉間・目尻)と、適応外(額・咬筋・首・多汗症の部位別自費 など)の取り扱いも明確に。
重要: 日本国内の美容領域で承認されているのは眉間・目尻(ボトックスビスタ®)。
額や咬筋(エラ)、口角、首などは適応外です。当院では十分な説明と同意のうえで医師判断により実施します。
※ 重度の原発性腋窩多汗症は保険診療の適用対象(条件あり)。
アクセス
東京都中央区日本橋二丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4階(東京駅八重洲口・日本橋駅から徒歩3分)
ボトックスのポイント(まずここだけ)
むずかしい言葉は使わずに、治療の「だいたい」を短くまとめました。
最短の目安は12週間(3か月)以上です。短い間隔でくり返すと、効きが不安定になることがあります。
表情じわは2週間前後でピーク、その後3〜4か月くらい続くことが多いです。汗の治療は数か月つづきます(個人差あり)。
体格や筋肉の強さ、左右差によって合う量が変わります。初回は控えめにして、次回に微調整していくのが安全です。
どうして「打つ深さ」で効き方が変わるの?
ボトックスは、筋肉をうごかす神経の出口に届くと、動きをやわらげます。
- 深め(筋肉の中)に打つ…
薬が筋肉に行きわたりしっかり効きやすい。
例:眉間・目尻・額・エラ(咬筋)など。 - 浅め(お肌の浅い層)に打つ…
「スキン(マイクロ)ボトックス」と呼ばれる方法。
毛穴・テカリ・ちりめんジワなどの質感ケアが中心。
筋肉の動きを止めすぎず、効きはマイルドになります。
※ 部位によってちょうどよい深さがちがいます。診察で表情のクセや筋肉の厚みを見て、深さ・広がり・量を決めます。
部位ごとの「打ち分け」イメージ
ふだん動く筋肉なので、筋肉内が基本。
額は打ちすぎると眉が下がることがあるため、眉間とのバランスを見ながら量と場所を調整します。
筋肉が厚く、層がわかれる場所。
必要に応じて超音波(エコー)で深さを確認し、狙った層にピンポイントで入れていきます。
食事中のだるさ・へこみが出ないよう、少なめから開始→調整します。
うすい筋肉が縦にすじ状に出るタイプのしわ。
声やのみ込みに配慮しつつ、安全な範囲でていねいに調整します。
ごく浅い層(皮内)に細かく広げて打つのが基本。
事前に汗の出やすい範囲をチェックして、むだなく均一に打っていきます。
お肌の浅い層に、ごく薄く・細かく。
毛穴・テカリ・ちりめんジワなどの質感の悩み向け。
表情の動きは止めすぎないように設計します。
※ 上記はあくまでイメージです。実際はお顔立ち・筋肉の強さ・左右差・ご予定に合わせて個別に決めます。
安心のための進め方
- まずは少なめ→次回微調整で理想に近づけます。
- その場で表情チェックをして、左右や動きのクセを確認。
- 必要に応じて超音波(エコー)で深さ・血管・神経の位置を確認。
- 次の注射は3か月以降が基本。無理のないペースを一緒に考えます。
よくあるご質問(タップで開く)
Q. すぐに効きますか?
A. 早い方で数日、2週間前後で実感がはっきりします。
Q. どのくらいもつ?
A. 多くの方は3〜4か月ですが、体質や部位で変わります。
Q. こわい副作用は?
A. 赤み・内出血・重さなどが出ることがあります。気になる変化があれば2週間以内にご連絡ください。
間隔の考え方と、どのくらい続く?
ボトックスの効果はゆっくり弱くなり、多くの方で6か月以内には元の状態に近づきます。その前に、3〜4か月ごろから筋肉の力が戻りはじめるため、この時期の再注射がおすすめです。
初めのうちは3〜4か月ごとに数回続けると、表情のくせが弱まり、その後は間隔を長めにできる方もいます(個人差あり)。
エラなど筋肉のボリュームは、動きが落ち着いてから小さくなるまで少し時間がかかるため、見た目の変化は1か月以降に感じやすいです。
それでも注射の間隔は同じ(3〜4か月ごと)で大丈夫です。
同じ部位を2週間以内に重ねると、広がりすぎや左右差の原因になります。
次回は最低でも12週間(3か月)以上あけるのが基本です。
- 3〜4か月ごとに続けると、くせが弱まりのちに間隔を延ばせることがあります。
- エラなどの小ささの変化は1か月以降に感じやすいですが、通院の間隔は変えなくてOKです。
- 迷ったら、イベントやお仕事の予定から逆算してご相談ください。
抗体(効きにくさ)を避けるコツ
美容で使う少なめの量では、抗体(効きにくさの原因)はできにくいと考えられています。
それでも、短い間隔でくり返す・とても多い量などは避けた方が安心です。
- 最小有効量からスタート(初回は控えめ→次回に微調整)。
- 12週間(3か月)以上あけるのを基本に。
- 短期の“追い打ち”注射は原則しません。
- 使う製剤は混同せず、単位(U)の換算はしません(製剤ごとに単位が違うため)。
長く続ける方の「製剤の選び方」
ずっとボトックスを続けたい方には、中身の作りが少しちがうタイプ(たとえば「余分なたんぱく質をほとんど含まない設計」の製剤)を提案することがあります。
- 理論的に“抗体ができにくい”設計とされます。
- 一方で、持続の長さがやや短めになるという報告もあります。
※ どの製剤が最適かは、目的・体質・ご希望の仕上がりで変わります。診察でご一緒に決めましょう。
| 選び方のポイント | 標準的な製剤 | “抗体ができにくい設計”の製剤 |
|---|---|---|
| 抗体への配慮 | 美容用量・適切な間隔ならリスクは低め | 理論的にさらに低くできる設計 |
| 持続の目安 | 多くは3〜4か月 | やや短めのことがある |
| おすすめの方 | 初めての方・まずは標準で様子を見たい方 | 長期で続けたい方・抗体リスクをさらに抑えたい方 |
イベントから逆算する最適スケジュール
まずは8〜12週前にお試し(少量)で効き方を確認 → 4〜6週前に微調整 → 2週前になったら注入は原則終了。
内出血の心配を減らしつつ、いちばん自然に見える時期を狙います。
額だけだと眉が下がって見えることがあります。眉間とセットで整えると不自然さを避けやすいです。
量は少なめから。効き方や表情のクセを見て、4〜6週前に最終調整すると安心です。
| 時期 | 推奨内容 |
|---|---|
| 本番の8~12週前 | 初回投与(少量)で“利き方”を把握。額を行うなら眉間セットでバランス確認。 |
| 本番の4~6週前 | 必要なら微調整(少量)。写真撮影・表情の癖に合わせて最終調整。 |
| 本番の2週前 | ダウンタイム(内出血)対策として注入は原則終了。スキンボトは早めに。 |
イベント日から自動計算
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よくある質問
Q. 額は何単位が正解?
個人差が大きく、~20Uを上限の目安に少量から。必ず眉間を同時調整し、眉下垂を避ける設計にします。
Q. どのくらいの間隔で続けますか?
同一部位は12週間(3か月)以上空けるのが基本です。短期の追注は抗体化や非対称の原因になるため推奨しません。
Q. 咬筋(エラ)は何単位?食べにくくなりませんか?
片側10~45Uが目安。初回は低用量で筋反応を確認します。咀嚼疲労や口元の変化が出すぎないようデザインします。
Q. 多汗症は?
腋窩は片側50Uが標準。効果は数か月持続。保険の適用条件があるため診察時にご説明します。
Q. 効果はどれくらい続きますか?
表情じわは3~4か月が目安。咬筋は3~6か月、腋窩は4~9か月とされます(個人差あり)。
Q. 抗体ができると効かなくなりますか?
頻回・高用量は抗体化の一因とされます。最小有効量・規定間隔での運用が推奨です。
Q. スキンボトックス(肌質目的)は表情が固まりませんか?
表情筋に入れず、浅層のみに微量多点で投与するため、表情の変化は最小限です。詳細はこちら。
👨⚕️ 医師監修
0th CLINIC 日本橋 院長/病理専門医 黒田 揮志夫
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