コラム
乳製品・ホエイの見極め(記録法)|ニキビが増える?14日トラッキング法と代替案
乳製品・ホエイの見極め(記録法)|ニキビが増える?14日トラッキング法
「牛乳やホエイで悪化する気がする…」を“気のせい”で終わらせない。
医師監修の除去→再導入→判定で、あなたの肌に合うバランスを見つけましょう。
なぜ“乳製品/ホエイ”で差が出る?(個人差の話)
ニキビは 皮脂・角化・細菌・炎症 の四要素で成り立ちます。乳製品やホエイで悪化する方は、食後のホルモン応答や血糖変動、トレーニング直後の汗/摩擦などが重なりやすい傾向があります。ただし全員が悪化するわけではありません。だからこそ、個人差を“記録”で見極めます。
本コラムは「見極めの方法」に特化しています。薬の選び方や機器治療は ニキビ総論 をご覧ください。
悪化しやすいシグナル:自己チェック10項目
- □ ホエイドリンクを運動直後に飲むことが多い
- □ 甘味入りヨーグルト・アイス・カフェラテを間食に選びがち
- □ 同じ部位(顎/フェイスライン)に炎症性が繰り返す
- □ 乳製品摂取48–72時間後に増える気がする
- □ 高GIの主食・おやつが多い
- □ 汗/ヘルメット/マスクの摩擦が重なっている
- □ 便秘や下痢など腸の不調がある
- □ 夜更かしや睡眠不足が続いている
- □ クレンジング・洗顔のタイミングが遅い
- □ レチノイド/過酸化ベンゾイル導入期で刺激が出やすい
14日トラッキング法:手順(保存版)
Day0:準備
- 顔(正面/左右)・背中の写真を撮る(同じ照明・同距離)。
- 「何を・どれくらい・いつ」摂るかをメモ(例:ホエイ30gを17:30)。
- スコア表を用意(肌:0=落ち着く〜3=強い炎症、睡眠時間、便通)。
Day1–7:除去(エリミネーション)
- 牛乳/ヨーグルト/チーズ/アイス、ホエイ/カゼインを一旦中止。
- 代替:ソイ/ピープロテイン、無糖豆乳、アーモンドミルク等。
- 夜はぬるま湯+低刺激洗顔→保湿。運動後は汗を流す導線を固定。生活のコツ
Day8–14:再導入(1種類ずつ)
- 例:Day8–10 低脂肪乳コップ1杯、Day11–12 ヨーグルト100g、Day13–14 ホエイ30g。
- 各アイテムは単独で、量も一定に。甘味添加は避け比較可能に。
- 摂取後48–72時間の変化をスコア(新規炎症・同部位再発)。
判定
- 関連あり:再導入のたびに炎症性が増える/同部位が連続。
- 関連弱い:非炎症性のみ増える/ばらつきが大きい。
- なし:有意な差が出ない。他因子を見直し。
ABABテストで確度を上げる
時間が取れる方は ABABテスト(A=代替、B=問題疑い食品)を各2–3日ずつ交互に実施。
例:ソイ(A)→ホエイ(B)→ソイ(A)→ホエイ(B)。B日だけ炎症が増えるなら関連が濃厚です。
ホエイを継続したい場合は、アイソレート(乳糖等をより除いたもの)・量・タイミング(運動直後→就寝前に分割)の再設計で折り合いをつけます。
代替案リスト(学校・職場・ジム・外食)
学校/職場
- カフェラテ → 無糖ソイ/アーモンドミルク
- 甘味ヨーグルト → プレーン+フルーツ少量
- チーズスナック → 素焼きナッツ/小魚
ジム
- ホエイ一気飲み → ソイ/ピーまたは分割摂取
- 汗だくのまま移動 → シャワー→着替え導線を固定
- タンクトップ摩擦 → 吸汗速乾+ゆとりのあるウェア
外食
- クリーム系 → トマト/和風/オイル控えめに置換
- デザート → 果物/寒天/糖質控えめ
- 主食 → 未精製穀類やサラダ先行でGIコントロール
受診の目安|保険中心+必要時のみ自費
よくある質問
乳製品は完全NGにすべき?
いいえ。反応がある種類・量・タイミングのみを調整し、栄養は別源で補いましょう。まずは記録で切り分けます。
発酵乳やハードチーズは?
問題ない方もいます。再導入を小量から行い、48–72時間の変化を記録してください。
カルシウムは何で補う?
小魚、豆腐、青菜、カルシウム強化食品など。必要時は医療者に相談を。