コラム
ラン/マラソン後のニキビ対策|汗・摩擦・装備別のケア完全ガイド(医師監修)
ラン/マラソン後のニキビ対策|汗・摩擦・装備別のケア完全ガイド
運動は肌にも良い。ただし汗・摩擦・装備・洗浄タイミングが噛み合わないと、顎・頬・背中に“ラン後ニキビ”が出やすくなります。
今日からできる時系列ケアで、走っても荒れにくい肌へ。
1. なぜ“走るとニキビ”が起きるのか(仕組み)
ラン後は、汗+皮脂+日焼け止め+粉塵が混ざり、マスクやウェアの摩擦・蒸れで角栓が形成→炎症化しやすくなります。加えて、長時間の紫外線や塩分でバリア機能が一時的に低下し、刺激外用がしみやすくなります。
ポイント:「汗をかくこと」自体は悪ではありません。放置時間と摩擦を減らせば、運動はむしろ肌にプラスです。
2. 悪化因子チェックリスト(10項目)
- □ ゴール後30分以上、汗を拭くだけで洗っていない
- □ 帽子やヘッドバンドの縫い目が肌に当たる
- □ 合成繊維インナー1枚を長時間着続ける
- □ 背中・胸の汗を拭かずに移動する
- □ マスク/バフで頬〜顎ラインが擦れている
- □ 日焼け止めを重ね塗り→落とさず就寝
- □ ラン後すぐレチノイド/ピーリングを塗る
- □ プロテイン直後に甘味飲料や乳製品を多く摂る
- □ ランニングキャップやウェアをこまめに洗わない
- □ 帰宅後も前髪や整髪料が額に触れっぱなし
3. 時系列ケア:ゴール直後→帰宅→就寝前
① ゴール直後(〜30分)
- 柔らかいタオルで押さえるように汗をオフ(擦らない)
- 可能なら水ですすぐ/ウォーターシートで代替
- マスクは予備に交換、インナーは吸汗速乾に
- 前髪・帽子・バフは一旦オフ
② 帰宅直後
- 顔:低刺激のクレンジング→ぬるま湯洗顔
- 体:背中・胸はシャワーで汗/日焼け止めを落とす
- 保湿(ジェル/乳液)でバリア回復
- 刺激性外用(BPO/レチノイド)は夜に再開
③ 就寝前
- 外用(指示があれば)を低頻度から再開
- 枕カバーを清潔に(汗の日は交換)
- 水分と軽い糖質で回復、甘味飲料は控えめに
4. 装備/ウェアのコツ(ヘルメット・帽子・マスク)
帽子/ヘッドバンド/サングラス
- 裏地が滑らか・縫い目が当たりにくいもの
- 吸湿速乾+洗濯しやすい素材を選ぶ
- フレームが頬に触れ続けないフィット感
マスク/バフ/ウェア
- 通気・速乾・摩擦の少ない素材+こまめな交換
- インナーは汗を抱え込まない設計(綿100%一枚は×)
- ザック/ベルトの当たり部はワセリン等で摩擦低減
5. 部位別:顔・背中/胸・首/うなじ
6. やりがちNG(3つ)
- × 強擦での拭き取り:摩擦で悪化。押さえ拭きに。
- × ラン直後の強い外用:バリア低下時は刺激が出やすい。
- × 帰宅後も“とりあえず放置”:落とす→保湿→再開の順で。
7. 受診の目安&当院でできること
8. よくある質問
- Q. 運動後、何分以内に洗うのがベスト?
- A. 可能なら30分以内。難しければ水拭き→帰宅後すぐ洗浄で代替。
- Q. ラン直後にベピオ/レチノイドを塗ってOK?
- A. 直後は保湿優先。刺激性外用は夜に再開が無難です。
- Q. プロテインで悪化する?
- A. ホエイで悪化する人がいます。量/タイミング/種類を調整し、症状と記録で相関を見ます。