吐き気・むかつき(嘔気)|受診の目安と原因別ガイド
吐き気・むかつき(嘔気)
原因は消化器が多い一方、心疾患・代謝/内分泌・神経/耳鼻科・薬剤など多岐にわたります。このページでは各原因をフラットに整理し、赤旗(危険サイン)と受診の目安、セルフケア、当院の対応をまとめました(参考として片頭痛も掲載)。
緊急性が高い可能性(赤旗)
次に当てはまる場合は救急受診を含めて至急ご相談ください。
- 胸痛・圧迫感、冷汗、呼吸苦(心筋梗塞・不整脈が疑わしい)
- 吐血/黒色便、激しい持続腹痛・反跳痛(消化管出血・腹部救急)
- 嘔吐が止まらず水分がとれない/尿が極端に少ない/意識混濁
- 高熱と項部硬直、強い頭痛・神経症状(複視・麻痺・失調 等)
- 妊娠初期で水分も保てない、糖尿病で口渇・多尿・深呼吸(DKA懸念)
- 黄疸・濃い尿(胆道/肝障害)や背部へ放散する激痛(膵炎)
→ 詳細は 赤旗チェック を参照。
原因別ガイド(代表例・フラット)
心筋梗塞・不整脈・心不全
- 胸痛/圧迫感、背部・顎・左腕の放散痛、冷汗・嘔気
- 高リスク(高齢/糖尿病/女性)は胸部症状が乏しいことも
※ 胸部症状+嘔気は救急判断を優先
代謝・内分泌(DKA/腎不全/甲状腺)
- 口渇・多尿・深呼吸、倦怠、むくみ、体重変動 など
前庭性(BPPV/メニエール等)・頭蓋内病変
- 回転性めまい+嘔気、耳鳴り・難聴/激しい頭痛・神経症状
薬剤・アルコール/カフェイン・毒物
- 抗菌薬・鎮痛薬・向精神薬・GLP-1製剤 等で嘔気
- 中止/増減は独断で行わず、処方医に相談
※ 上記は代表例です。複数要因が重なることもあります。迷う場合は受診してご相談ください。
受診の目安と簡易フローチャート
まずは
- 赤旗があれば救急/至急受診
- いつから・誘因(食事/体位/運動/薬)・便通/尿量・発熱をメモ
- 服薬(処方/市販/サプリ/GLP-1)と飲酒/カフェイン量を整理
当院でできること
- 問診・診察、必要に応じて採血・尿検査・心電図
- 腹部エコー/内視鏡/CT/MRIは提携機関で手配、結果説明
- 脱水補正(点滴)・制吐/制酸など初期対応、再発予防のアドバイス
- 必要時:消化器内科・循環器内科・耳鼻科・産科・神経内科へ連携
初期セルフケア(安全域で)
水分・食事
- こまめな水分(経口補水液など)を少量ずつ
- 脂っこい/刺激物を避け、消化の良い食事(おかゆ・バナナ等)
- アルコールは控える、カフェインは過不足に注意
生活・薬の扱い
- 十分な睡眠、におい・乗り物など誘因回避
- 市販薬の連用は回数管理、MOHを避ける
- 妊娠の可能性がある場合は薬の使用前に相談
※ 改善しない/悪化する/反復する場合は受診してください。処方薬の中止/増量は独断で行わないでください。