コラム
鼻・鼻下のニキビ|マスク摩擦の原因と対策チェックリスト(医師監修)
鼻・鼻下のニキビを“マスク摩擦”から守る
原因は摩擦+蒸れ+皮脂の三条件。サイズとつけ方、昼のリセット、夜の戻し方、そして保険の標準治療で、
鼻〜鼻下のくり返しを現実的にコントロールします。
なぜ鼻・鼻下で悪化?(仕組み)
マスク内は、呼気で湿度と温度が上がり、動くたびに布が肌を擦過します。鼻〜鼻下は皮脂が出やすく、角栓(面皰)ができやすい部位。「蒸れ+摩擦+皮脂」が重なると、角層バリアが崩れ、赤いにきびへ移行しやすくなります。
“動かない・擦れない・こもらない”を設計すれば、繰り返しは減らせます。
悪化因子チェック(10項目)
- サイズが合わず、会話で上下に動く
- ノーズワイヤーの折り目が当たる位置
- 表面がザラつく/硬い(乾燥肌で摩擦高)
- 汗っかきで、内側が常に湿っている
- 昼に交換や拭き取りをしていない
- 厚塗りメイク(油分多めの下地)
- 髭剃り直後すぐにマスク
- 外したマスクを再利用している
- 香辛料/カフェインで発汗増の直後に装着
- 鼻下の触る癖(位置直しが多い)
今日からの手順(朝・日中・夜・運動後)
朝:バリアを整えて“動かない”装着
- 洗顔はぬるま湯+低刺激、こすらない
- 保湿→(医師指示があれば)外用→日焼け止め→薄いメイク
- マスクは鼻ワイヤーを鼻梁に沿わせ、頬骨でフィット
- サイズは口を開けても上下動しないものを選ぶ
日中:2〜4時間ごとに“リセット”
- 手洗い→清潔なティッシュで汗・皮脂を押さえる
- 乾燥を感じたらミスト→軽い保湿
- 湿ったら交換(予備を常備)
- 会話中に触って直さない(耳紐で調整)
運動・外回り:汗の直後に“交換”
- 汗の直後は押さえて拭く→交換
- 替えマスク・薄手タオルを携行
- 帰宅後は速やかに洗浄と保湿
素材の推奨は個人差が大きいですが、共通するのは摩擦の少なさと清潔。サイズと装着の見直しが最優先です。
やりがちNGと置き換え
避けたいこと
- 厚塗り下地+長時間の密閉
- アルコール高濃度の頻回ふき取り
- かゆくてこする/つまむ
- 濡れたマスクの再使用
置き換え
- 薄塗り・ノンコメド設計+こまめなオフ
- 水で押さえて拭く→低刺激保湿→交換
- 触る代わりに耳紐で微調整
- 予備マスクを携行
受診の目安&当院でできること
よくある質問
- Q. 不織布と布、どちらがニキビに良い?
- A. 個人差があります。まずは摩擦の少ないフィットと清潔さ(交換頻度)を優先してください。
- Q. 何時間ごとに交換?
- A. 汗や蒸れが強い日は2〜4時間を目安に。湿ったらすぐ交換を。
- Q. ニキビパッチは使うべき?
- A. 摩擦軽減の利点もありますが、粘着でかぶれる方は注意。長時間の貼りっぱなしは避けましょう。
- Q. 髭剃りとマスク、順番は?
- A. 剃毛→保湿→時間を少し置いて装着が基本。朝が難しければ夜のシェービングも検討を。
- Q. イベント前に鼻下が腫れた
- A. 局所注射が選択肢になることがあります(適応は診察で判断)。ニキビ注射をご参照ください。
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)/0th CLINIC 日本橋 院長