家庭血圧 vs 外来血圧 vs ABPM|“24時間血圧”の意味・適応と最短ルート|日本橋の循環器内科 0th CLINIC
家庭血圧 vs 外来血圧 vs ABPM(24時間血圧)
“診察室だけ高い(白衣)”“家では高い(仮面)”…
血圧は測る場所・時間で姿を変えます。最短で正確に把握し、ムダのない治療へ。
まず結論:こう使い分けます
- 家庭血圧(HBPM):毎日の“素の血圧”。治療方針の中心はここ。
- 外来血圧:診察室の“瞬間の血圧”。基準点だが、白衣の影響に注意。
- ABPM(24時間血圧):昼夜のリズム・夜間高血圧・早朝高血圧を客観評価。
家庭・外来・ABPMの比較
項目 |
家庭血圧 |
外来血圧 |
ABPM(24時間) |
測定環境 |
自宅(朝晩) |
診察室 |
携帯計で昼夜連続 |
強み |
日常の平均を反映/治療調整に最適 |
機器・手技が標準化 |
夜間・早朝/日内変動・ディッパー判定 |
よくある用途 |
白衣/仮面の判定・薬調整 |
初診の目安・緊急時評価 |
仮面疑い・難治例・合併症高リスク |
高血圧の目安* |
≥ 135/85 mmHg |
≥ 140/90 mmHg |
24h平均 ≥ 130/80 / 昼 ≥ 135/85 / 夜 ≥ 120/70 |
* いずれも一般的な目安です。年齢・合併症・ガイドライン改訂で解釈が変わることがあります。
白衣高血圧・仮面高血圧の見つけ方
白衣高血圧
外来では高いが、家庭血圧やABPMは許容範囲。生活指導中心で経過観察が基本。
仮面高血圧
外来は正常でも、家庭/夜間が高い。動脈硬化リスクが上がりやすく、ABPMが有用。
ABPM(24時間血圧)が向いているケース
- 仮面高血圧が疑われる(朝だけ/夜だけ高い、家庭で高い)
- 白衣の影響が強い または数値のばらつきが大きい
- 難治性高血圧(3剤以上でコントロール不良)
- 糖尿病・CKD・睡眠時無呼吸など合併症リスクが高い
- 職業や生活パターン的に日中の変動把握が重要(交代勤務など)
当日の流れ(来院〜装着)と結果説明
- 問診:症状・生活リズム・服薬状況を確認
- 外来血圧+身長体重・必要に応じ採血/ECG
- ABPM装着(携帯計 24時間)
- 翌日返却 → 解析(夜間/早朝/日内パターン・平均値)
- 結果説明:治療方針(生活調整・薬物調整)を具体化
※ 家庭血圧の記録があると判断が早くなります。測り方と血圧日誌(PDF)をご活用ください。
当日できること/手配できること
- 外来血圧・診察・ECG・採血(腎機能・電解質・脂質 他)
- ABPM装着(当日〜枠の空きに応じて対応)
- 睡眠時無呼吸など関連検査の連携も可能
よくある質問
- Q. ABPMは痛い?仕事中でも可能?
- A. 測定時に腕が締まる感覚があります。装着中も多くの方は通常勤務が可能です。
- Q. どの数値から“治療が必要”ですか?
- A. 年齢・合併症・家庭/外来/ABPMの総合判断で決めます。一般に家庭平均や夜間高血圧は重要です。
- Q. 既に薬を飲んでいます。ABPMは意味ある?
- A. あります。夜間・早朝の上昇や日内変動を確認し、薬の時間帯/種類を最適化できます。
- Q. 白衣と仮面、どちらもあり得ますか?
- A. 状況によりあります。家庭血圧とABPMの併用で見逃しを減らします。
監修・改訂情報
本ページは循環器領域を担当する医師が監修しています。最新のガイドライン・エビデンスを踏まえて定期的に見直します。
- 監修医師:0th CLINIC 日本橋(循環器内科)
- 最終改訂:2025-09-21
👨⚕️ 医師からのコメント・監修
「循環器疾患は、多くが静かに進行します。
だからこそ、症状のないうちから予防と管理に取り組むことが重要です。
検査データや生活背景まで丁寧に確認し、“納得して続けられる医療”を心がけています。」
0th CLINICの循環器内科では、高血圧・動脈硬化・不整脈などの疾患を中心に、忙しい現代人にも続けやすい医療設計を行っています。
未来の病気を防ぐ「未病医療」を、あなたの日常に無理なく取り入れていきましょう。
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/外科病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上