ニフェジピン徐放錠(アダラートCR)

ニフェジピン|高血圧・妊娠高血圧治療薬|0th CLINIC

💊 ニフェジピンCRとは(基本情報)

ニフェジピン徐放錠(アダラートCR)

▲ ニフェジピンCR錠

ニフェジピンCR(持続性製剤)は、高血圧症や妊娠高血圧症候群の治療に使われる、カルシウム拮抗薬(CCB)です。
急激な血圧低下を避けるため、ゆっくりと有効成分が放出される徐放設計となっており、夜間高血圧や朝の血圧上昇を抑えるのにも効果的です。

項目 内容
一般名 ニフェジピン徐放錠(Nifedipine Controlled Release)
剤形 持続性内服錠(10mg, 20mg, 40mg)
適応症 高血圧症、狭心症、妊娠高血圧症候群
保険適用 ○(保険診療にて処方可能)
特徴 急激な降圧作用がなく、1日1回の服用で24時間持続します。
妊婦や高齢者にも使用されることがあり、夜間・早朝の血圧上昇に対応可能です。

● 副作用には頭痛、顔のほてり、動悸、めまいなどがありますが、従来の即放性製剤に比べて発現頻度は低めです。
● 他の降圧薬(ARB、利尿薬など)と組み合わせることで、さらなる降圧効果が得られます。

💡 ニフェジピンCRの作用と使い方

■ 血圧を下げるしくみ(カルシウム拮抗薬)

ニフェジピンはカルシウム拮抗薬(CCB)に分類され、血管の平滑筋に働きかけて血管を広げ、血圧を下げる作用があります。
心臓の負担を軽減し、狭心症の発作予防や妊娠高血圧症候群にも使用されます。

■ 徐放性製剤(CR)でゆるやかに効く

ニフェジピンCRは有効成分が時間をかけて放出されるタイプで、急激な血圧低下を防ぎつつ24時間効果を持続します。
夜間高血圧や早朝高血圧に対して特に有効です。

■ 服用方法と注意点

● 通常は1日1回、朝または夕方に内服します(医師の指示に従ってください)。
● 錠剤はかまずにそのまま服用し、割ったり砕いたりしないようご注意ください。
● 他の降圧薬との併用や、妊娠中の使用についても安全性に配慮が必要です。

■ よくある副作用

主な副作用は、頭痛、顔のほてり、動悸、浮腫などがあります。
持続性製剤により即放性のニフェジピンより副作用の出現頻度は抑えられている傾向があります。
気になる症状がある場合は、自己判断で中止せず、医師へご相談ください。

■ 効果の実感まで:数日〜1週間

内服開始から数日〜1週間ほどで徐々に血圧が安定してきます。
血圧手帳での記録や生活習慣の見直しとあわせて、長期的な血圧管理を行いましょう。

✅ ニフェジピンCRは持続的な降圧効果と副作用の少なさから、夜間・妊娠高血圧にも広く使われる薬です。
医師の指示を守って継続服用し、日々の血圧管理と生活改善を続けていきましょう。

💡 ニフェジピンCRの適応と使い分け

高血圧症 持続性製剤により夜間や早朝の血圧変動を安定化。第一選択薬の一つ。
妊娠高血圧症候群 妊婦にも使用されることがあり、安定した降圧効果が期待できる。
夜間高血圧・早朝高血圧 CR製剤による24時間持続効果が有効。朝方の血圧急上昇を防ぐ。
狭心症(特に労作性) 冠動脈拡張作用により、胸部症状の予防が可能。

✅ 他の降圧薬との使い分け

分類 主な薬剤 使い分けのポイント
ARB オルメサルタン、カンデサルタン など 蛋白尿・糖尿病・心不全がある場合に第一選択。ニフェジピンCRとの併用例も多い。
ACE阻害薬 リシノプリル、ペリンドプリル など 空咳などの副作用が出た場合はCCBへの変更が検討される。
利尿薬 トリクロルメチアジド、フロセミド など 体液貯留のある患者や高齢者、併用で降圧効果増強。
β遮断薬 ビソプロロール、カルベジロール など 頻脈や心筋梗塞後、心機能低下例に適応。CCBとの併用注意。

✅ ニフェジピンCRが向いている患者

  • 夜間や早朝の血圧上昇が顕著な方
  • 妊娠中の血圧管理が必要な方(妊娠高血圧症候群)
  • アムロジピンでむくみなどの副作用が出た方
  • 狭心症の予防目的で血圧コントロールも必要な方

ニフェジピンCRは急激な降圧を避けつつ、長時間安定して作用する安全性の高いCCBです。
妊娠中や高齢者など幅広い層に適応されており、特に夜間・早朝高血圧への使用が効果的です。

💊 高血圧治療におけるカルシウム拮抗薬の比較

カルシウム拮抗薬(CCB)は、血管の平滑筋を拡張し、血圧を下げる作用をもつ降圧薬です。種類によって、作用時間や副作用、適応疾患が異なります。

薬剤名 特徴 適応・使い分け 副作用
アムロジピン 半減期が長く、1日1回で効果が持続 初期治療、高齢者、腎障害、高血圧+狭心症に むくみ、動悸、歯肉肥厚
ニフェジピンCR 持続放出型で急激な血圧低下を回避 妊娠高血圧、夜間高血圧などに 頭痛、顔面紅潮、心拍数増加
シルニジピン 交感神経抑制作用あり、腎機能への影響少ない 蛋白尿あり、頻脈を避けたい人に ふらつき、胃部不快感
アゼルニジピン 脂溶性が高く、血管選択性が強い 心拍数上昇が少ない高血圧に ほてり、むくみ、立ちくらみ
ベニジピン Caチャネル以外にも作用。心拍数抑制傾向 頻脈・動悸を避けたいケースに 口渇、めまい

アムロジピンは汎用性が高く第一選択になりやすいですが、患者さんの併存疾患や副作用リスクに応じて、CCBを適切に使い分けることが重要です。

💡 Ca拮抗薬と他の降圧薬の比較

分類 主な薬剤 作用機序 適応・使い分け 副作用・注意点
Ca拮抗薬(CCB) アムロジピン、ニフェジピンCR 血管平滑筋のCa²⁺流入を抑制 → 血管拡張・降圧 高齢者、夜間高血圧、狭心症、腎機能低下に。
ニフェジピンCRは妊娠高血圧や早朝高血圧にも有用。
むくみ、動悸、歯肉肥厚(アムロジピン)、
頭痛・顔面紅潮(ニフェジピン)
ARB ロサルタン、テルミサルタン など アンジオテンシンⅡ受容体遮断 → 血管収縮・アルドステロン分泌を抑制 糖尿病、蛋白尿、慢性腎臓病(CKD)、心不全など
CCBとの併用が基本
高K血症、腎機能悪化、妊娠禁忌
利尿薬 ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド Na⁺・水分の排泄促進 → 循環血液量を減らす 高齢者、塩分感受性高い症例、浮腫や心不全の合併に
CCBまたはARBとの併用で効果増強
低K血症、高尿酸血症、耐糖能悪化

Ca拮抗薬は高齢者や心血管リスクのある方に広く使用される基本薬です。
ARBとの併用で相乗的な降圧効果が得られ、浮腫がある場合は利尿薬を追加するなど、症例ごとに柔軟な調整が行われます。
✅ ニフェジピンCRは特に夜間・妊娠高血圧・早朝高血圧に有用です。

■ おすすめの方

  • ✔️ 高血圧症のコントロールを安定的に行いたい方
  • ✔️ 狭心症の予防治療を行いたい方
  • ✔️ 1日1回の服用で長時間効果を期待する方(徐放製剤使用時)

■ 注意が必要な方

  • ⚠️ 重度の低血圧や頻脈がある方
  • ⚠️ 心不全や大動脈弁狭窄のある方
  • ⚠️ 肝障害のある方(代謝遅延に注意)
  • ⚠️ 高齢者(副作用が強く出ることがあります)
  • ⚠️ 妊娠中・授乳中の方(使用可否は医師と相談)

■ 服用できない方(禁忌)

  • ❌ ニフェジピンにアレルギーのある方
  • ❌ 重度の低血圧のある方
  • ❌ 急性心筋梗塞発症直後の方(症状を悪化させる可能性あり)
  • ❌ 妊娠後期の方(子宮収縮抑制効果があるため)

■ 主な副作用

比較的よくある副作用:

  • ・頭痛、ほてり
  • ・顔面紅潮、動悸
  • ・浮腫(特に足)
  • ・めまい、倦怠感

重大な副作用(まれですが注意が必要):

  • 狭心症の増悪(特に短時間作用型使用時)
  • 歯肉肥厚
  • 重度の低血圧
  • 肝機能障害
  • 徐脈や頻脈、不整脈

■ 他のお薬との併用について

  • 降圧薬(ARB、ACE阻害薬、利尿薬など)との併用で降圧効果が強まります
  • β遮断薬と併用時は血圧や心拍数を慎重に管理
  • グレープフルーツジュースで薬の作用が強く出ることがあります
  • 抗てんかん薬や抗真菌薬などとの相互作用に注意が必要です

■ 食事・生活上の注意

  • ・規則正しい服薬を心がけましょう(特に徐放製剤は決まった時間に)
  • ・塩分や体重管理もあわせて行うことで降圧効果を高められます
  • ・立ちくらみやめまいが起こることがあるため、急な姿勢変化に注意
  • ・副作用が出た場合は医師に相談し、自己判断で中止しないようにしましょう

✅ ニフェジピン(アダラートCRなど)は、高血圧や狭心症に有効なカルシウム拮抗薬であり、長時間作用型の製剤では1日1回の服用で安定した効果が得られます。
医師の指導のもと、安全に使用を継続しましょう。

💡 ニフェジピンCRの臨床エビデンス

ニフェジピンCR(持続性製剤)は、高血圧症・狭心症・妊娠高血圧症候群などに広く用いられるカルシウム拮抗薬です。
徐放性製剤により急激な血圧低下を防ぎつつ、24時間にわたる安定した降圧効果が得られることが多数の研究で示されています。

■ 主な臨床エビデンスと出典

✅ ニフェジピンCRは安定した降圧と忍容性の高さから、高齢者・妊娠中・夜間高血圧の治療においても推奨される薬剤です。
長期的な血圧管理においても安全性が確認されており、多くのガイドラインに掲載されています。

🗣️ ニフェジピンCRを使用した患者さんの声

朝と夜で血圧の差が大きかったのですが、ニフェジピンCRを飲むようになってからは1日中安定しています。
※これはあくまで個人の感想であり、効果には個人差があります。

他の降圧薬では頭痛やふらつきがありましたが、ニフェジピンCRではそういったことがなく安心して続けられています。
※これはあくまで個人の感想であり、効果には個人差があります。

❓ よくある質問(FAQ)

一般的には朝1回の服用が基本ですが、夜間高血圧がある場合は医師の指示で夜に服用することもあります。

気づいた時点で早めに服用してください。ただし、次の服用が近い場合は1回分飛ばしてください。
※2回分をまとめて飲むのは避けましょう。

頭痛、ほてり、動悸が見られることがあります。まれに歯肉の肥厚やむくみも起こるため、症状が強い場合はご相談ください。

はい。ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬などと併用されることが多いですが、過度な血圧低下や浮腫に注意する必要があります。

ニフェジピンCRは妊娠高血圧症候群(PIH)に対しても使用実績があり、比較的安全とされています。
ただし、妊娠中は必ず専門医の指示に従って使用してください。

はい。ニフェジピンCRは長期使用でも安定した降圧効果と安全性が報告されています。
継続的な医師の診察と血圧管理が重要です。

💊 ニフェジピンCR製剤の薬価と自己負担の目安

製剤名 薬価(単価) 服用量(1ヶ月) 薬剤費(3割負担)
アダラートCR錠10mg 7.2円/錠 30錠(1日1錠) 約65円
アダラートCR錠20mg 13.2円/錠 30錠 約119円
アダラートCR錠40mg 23.8円/錠 30錠 約214円
ニフェジピンCR錠10mg「サワイ」 8.9円/錠 30錠 約80円
ニフェジピンCR錠20mg「サワイ」 9.1円/錠 30錠 約82円
ニフェジピンCR錠40mg「サワイ」 17円/錠 30錠 約153円

■ 自己負担の目安(30日分)

  • アダラートCR 20mg: 3割負担 → 約119円 / 1割負担 → 約40円
  • サワイCR 20mg(後発品): 3割負担 → 約82円 / 1割負担 → 約27円
  • ● 他に診察料・薬局調剤料・処方箋料等がかかります

✅ ニフェジピンCR製剤は1日1回の服用で血圧を安定させやすく、夜間高血圧にも対応できます。
後発品でも効果に大きな差はなく、コスト重視の選択も可能です。医師と相談のうえ、体質・ライフスタイルに合った選択をしましょう。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

ニフェジピン徐放錠(アダラートCR)
「アムロジピンは高血圧治療の中でも長時間作用型で安定性に優れた第一選択薬です。
ただし、むくみや動悸といった副作用が出ることもあるため、患者さまの状態を丁寧に見極めながら処方しています。」

当院では、年齢・生活習慣・併用薬・副作用リスクなどを総合的に判断し、アムロジピンの適正な使用を心がけています。
長期的な内服が必要なケースも多いため、無理なく続けられるよう医師がしっかりとサポートいたします。
ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/総合診療医)
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急医療における診療経験10年以上

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