リベルサス

リベルサス(経口セマグルチド)| 0th CLINIC
GLP-1 受容体作動薬(経口)

リベルサス®(経口セマグルチド)

週1回注射のセマグルチドと同系統の経口GLP-1受容体作動薬
日本国内適応は「2型糖尿病の血糖コントロール」です。体重減少は期待できますが、体重管理の単独適応はありません

一般名:セマグルチド
剤形:経口錠(3mg/7mg/14mg)
用法:1日1回 空腹時に内服
体重への影響 小〜中等度 ※個人差あり
投与頻度 1日1回 起床時 空腹で
国内適応 2型糖尿病 肥満単独は適応外

アクセス

東京都中央区日本橋二丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4階(東京駅八重洲口・日本橋駅から徒歩3分)

リベルサス

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作用機序

リベルサス
リベルサス錠剤(経口GLP-1受容体作動薬)

GLP-1(インクレチン)受容体を刺激し、食欲の低下・満腹感の増強・胃排出遅延を介して摂取量を減らします。 さらに膵β細胞からのインスリン分泌促進(高血糖時)、α細胞からのグルカゴン分泌抑制により、血糖を改善します。 経口製剤のため、空腹時・水少量での正しい服用が吸収に重要です。

血糖改善が主目的:体重減少はあくまで二次的効果。減量のみを目的とした使用は原則推奨しません。

どのくらい効く?

2型糖尿病患者でHbA1cの低下とともに、体重の減少(目安:数%)がみられます。体重効果は注射用セマグルチド(週1回2.4mg)ほど大きくはありません。

減量を最優先する場合:注射セマグルチド(2.4mg)チルゼパチドを検討します(適応・費用・忍容性で選択)。

用法・用量(外来での標準的な漸増)

期間 用量 目的/備考
開始〜4週 3mg 1日1回 忍容性確認。起床時に空腹で水120mL以下、服用後30分は飲食・他薬を避ける
5〜8週 7mg 1日1回 効果と副作用を見ながら漸増。
9週以降 14mg 1日1回(最大) 十分な効果が得られない場合に検討。
消化器症状が強い場合は漸増を遅らせる/据え置き。
吸収を最大化するコツ:①起床直後に内服 ②水は120mL以下 ③服用後30分は何も摂らない ④その後に朝食や他の内服を行ってください。

主な副作用

  • 消化器症状:吐き気、嘔吐、下痢、便秘、胃もたれ
  • 稀:胆嚢疾患、膵炎、腸閉塞・胃不全麻痺など
  • 低血糖:単独では稀ですが、インスリンやSU薬と併用時は注意
すぐ受診:持続する激しい腹痛・繰り返す嘔吐、黒色便/血便、黄疸や濃い尿、意識が遠のく低血糖症状など。

禁忌・注意

  • 禁忌:妊娠中、重篤な胃腸障害(例:重い胃排出遅延)、過去の重い過敏症
  • 慎重投与:膵炎既往、胆石/胆嚢疾患、重度の胃腸運動障害、腎機能障害(脱水時の増悪に注意)
  • 手術/全身麻酔予定:1週間前から休薬を検討(遅延胃排出による誤嚥リスク対策)

併用薬との関係

  • インスリン/SU薬:低血糖リスク↑ → 用量調整を検討
  • 消化管運動に影響する薬剤:吸収に影響する可能性(要個別判断)
  • 他の朝の内服:本剤の30分後以降に回すと安全

生活・フォロー

  • 開始後4〜6週で副作用と体重/血糖を確認、その後は2〜3か月ごと
  • 食事・運動・睡眠などの行動療法を必ず併用
  • 体重狙いなら:減量薬の選び方でGLP-1注射/チルゼ等を比較検討

肥満外来での位置づけ(当院方針)

リベルサスは糖尿病治療薬としては有力な選択肢ですが、肥満単独の体重管理に対する国内適応はありません。 減量自体を主目的とする場合、効果・適応・費用の観点からは 週1回セマグルチド(2.4mg)チルゼパチドなどを第一選択にします。

  • 適応が合う方:2型糖尿病で注射に抵抗がある/経口を希望する場合
  • 見直し目安:最大耐用量で12週前後の体重変化が乏しい、消化器症状で継続困難 など

リベルサス(経口セマグルチド)を肥満症薬として使う場合の要点まとめ

最終更新:2025-08-12(情報は公開文献に基づき作成。医療判断は個別にご相談ください)

【重要】承認状況(FDA・肥満症)

リベルサスは肥満症(体重管理)を適応としてFDA承認されていません。 現在の承認は2型糖尿病の血糖コントロールです。肥満症目的の使用は未承認治療となります。

体重減少に関する研究結果(要約)

用量や対象集団により減量効果は大きく異なります。代表的なデータを整理します。

試験/用量・期間 対象 主要結果(体重) 備考
オーラルSemaglutide 50 mg/日(漸増)
約68週間
肥満/過体重の非糖尿病成人 平均−15.1%(プラセボ −2.4%)
≥5%: 85%/≥10%: 69%/≥15%: 54%/≥20%: 34%
ランダム化比較試験。高用量で大きな減量が示唆。
PubMed 37385278
PIONEER 1:14 mg/日
26週間など
2型糖尿病成人 体重約 −4 kg
≥5%減量達成41%(プラセボ 15%)
低〜中用量域では減量幅は中等度。
PMC 12158668(レビュー)
実臨床(2型糖尿病)
各種報告
2型糖尿病成人 おおむね−2〜5 kg程度の報告 用量・併用療法・生活介入で幅あり。
Rybelsus® 公式

解釈と臨床での注意点

  • リベルサスは肥満症の適応外であり、体重減少目的の投与はオフラベルです。
  • 体重減少効果は用量依存的で、高用量(50 mg)では注射製剤に匹敵する減量が報告も、実臨床での忍容性・副作用管理(消化器症状など)に留意。
  • 低〜中用量(3/7/14 mg、糖尿病適応用量)では、減量は数kg程度にとどまる報告が多いです。
  • 減量目標や併用療法(食事・運動、他の肥満薬)を含め、総合プランで検討してください。
服用方法(参考:糖尿病適応での基本ルール)
起床時の空腹に少量の水(120mL以下)で内服し、30分以上は飲食・他薬を避ける。その後に朝食や他剤を服用。

参考文献・出典

  1. Oral semaglutide 50 mg in adults with overweight/obesity: 68-week RCT
  2. Oral semaglutide:作用/有効性レビュー(PIONEERデータ要約)
  3. Rybelsus® 公式:臨床試験結果

※本セクションは学術情報提供を目的としています。各薬剤の承認条件・用法用量は国/地域で異なります。適応外使用の可否や投与は、患者さんの状態を踏まえ医師の裁量でご判断ください。

解釈と臨床での注意点

  • リベルサスは肥満症の適応外であり、体重減少目的の投与はオフラベルです。
  • 体重減少効果は用量依存的で、高用量(50 mg)では注射製剤に匹敵する減量が報告されていますが、実臨床での忍容性・副作用管理(消化器症状など)に留意が必要です。
  • 低〜中用量(3/7/14 mg、糖尿病適応用量)では、減量は数kg程度にとどまる報告が多いです。
  • 減量目標や併用療法(食事・運動、他の肥満薬)を含め、総合的なプランで検討してください。
服用方法(参考:糖尿病適応での基本ルール)
起床時の空腹に少量の水(120mL以下)で内服し、30分以上は飲食・他薬を避ける。その後に朝食や他剤を服用。

参考文献・出典

  1. Oral semaglutide 50 mg in adults with overweight/obesity: 68-week RCT
  2. Oral semaglutide:作用/有効性レビュー(PIONEERデータの要約含む)
  3. Rybelsus® 公式:臨床試験結果

※本コンテンツは学術情報の提供を目的としたもので、各薬剤の承認条件・用法用量は国・地域で異なります。適応外使用の可否や投与は、患者さんの状態を踏まえ医師の裁量でご判断ください。

解釈と臨床での注意点

  • リベルサスは肥満症の適応外であり、体重減少目的の投与はオフラベルです。
  • 体重減少効果は用量依存的で、高用量(50 mg)では注射製剤に匹敵する減量が報告されていますが、実臨床での忍容性・副作用管理(消化器症状など)に留意が必要です。
  • 低〜中用量(3/7/14 mg、糖尿病適応用量)では、減量は数kg程度にとどまる報告が多いです。
  • 減量目標や併用療法(食事・運動、他の肥満薬)を含め、総合的なプランで検討してください。
服用方法(参考:糖尿病適応での基本ルール)
起床時の空腹に少量の水(120mL以下)で内服し、30分以上は飲食・他薬を避ける。その後に朝食や他剤を服用。

参考文献・出典

  1. Oral semaglutide 50 mg in adults with overweight/obesity: 68-week RCT
  2. Oral semaglutide:作用/有効性レビュー(PIONEERデータの要約含む)
  3. Rybelsus® 公式:臨床試験結果

※本コンテンツは学術情報の提供を目的としたもので、各薬剤の承認条件・用法用量は国・地域で異なります。適応外使用の可否や投与は、患者さんの状態を踏まえ医師の裁量でご判断ください。

よくある質問

朝に水をたくさん飲んで服用しても大丈夫?
吸収が落ちるため、水は120mL以下で服用してください。服用後30分は飲食・他薬を避けるのがコツです。
体重はどれくらい落ちますか?
個人差がありますが、2型糖尿病の方で数%程度の減少が目安です。減量最優先なら注射GLP-1やチルゼパチドをご案内します。
吐き気が強いときは?
食事量を小分けにする・脂質を控える・漸増を一段階戻す/据え置くなどで緩和することがあります。改善しない場合はご相談ください。
手術の予定があります。
遅延胃排出により誤嚥リスクが上がるため、1週間前からの休薬を含め、術前指示に従ってください。
肥満だけでも処方できますか?
国内適応は2型糖尿病です。肥満単独の体重管理は適応外のため、当院では原則第一選択としません(他の選択肢をご提案します)。
本ページの情報は一般向け解説であり、医師の診療・指示に優先するものではありません。
医薬品の適正使用は添付文書・最新のガイドラインをご確認ください。緊急時は受診・相談窓口へ。

💊 リベルサスの薬価と自己負担について

リベルサス(一般名:セマグルチド)は、GLP-1受容体作動薬としては初の経口剤で、2型糖尿病の治療に使用されます。
以下は、各用量ごとの薬価と3割・1割負担時の自己負担額の目安です(2024年時点)。

■ 保険診療での薬価(2024年改定時点)

製剤名 薬価(1錠) 3割負担 1割負担
リベルサス錠 3mg 139.6円 約42円 約14円
リベルサス錠 7mg 325.7円 約98円 約33円
リベルサス錠 14mg 488.5円 約147円 約49円

■ 自己負担の目安(1日1錠使用時)

  • 3割負担の方: 約42〜147円/日
  • 1割負担(高齢者など): 約14〜49円/日
  • ※ 診察料・血液検査・指導料などは別途かかります

✅ リベルサスは注射を使わずにGLP-1製剤の効果を得られる革新的な治療薬です。
ただし、服用方法(空腹時に飲水量制限付き)が厳格であり、医師の指導のもと正しく継続することが重要です。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

リベルサス
「リベルサス(セマグルチド経口剤)は、GLP-1受容体作動薬として初の内服可能な治療薬です。
注射が苦手な方や、より手軽に始めたい患者様にとって、画期的な選択肢となります。」

GLP-1製剤はもともと注射剤として発展してきましたが、リベルサスの登場により、服薬アドヒアランスや心理的ハードルの低下が期待できるようになりました。
正しい服薬タイミングを守ることが重要ですが、科学的根拠に基づく体重・血糖の改善効果は注射製剤と同等レベルに近づきつつあります。

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/元外科専門医)
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/慢性疾患・代謝疾患に関する診療経験多数

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