イミダフェナシン(ウリトス®)|作用・用法用量・副作用・併用注意
イミダフェナシン(ウリトス®)|過活動膀胱(OAB)の選択肢
抗コリン薬のひとつ。尿意切迫・頻尿・切迫性尿失禁の改善が期待できます。
まずは症状評価(OABSS)と内科的鑑別を行い、副作用リスク(便秘・口渇・尿閉 など)を見極めてから開始します。
作用機序(どう効く?)
膀胱の平滑筋にあるムスカリン受容体(M3など)を遮断し、膀胱の過剰な収縮を抑制。
その結果、尿意切迫感の軽減・排尿回数の減少・切迫性尿失禁の改善が期待できます。
用法・用量(目安)
- 通常:0.1mg 1日2回(朝・夕)から開始(錠/OD錠)。
- 症状や副作用に応じて減量(0.1mg/日)等を検討。
- 高齢者・便秘傾向・ドライアイ/緑内障疑い・前立腺肥大症合併では慎重投与。
※ 個々の状態により異なります。医師が総合的に判断します。
期待できる効果(目安)
- 尿意切迫の回数減少、夜間頻尿の軽減
- 切迫性尿失禁のエピソード減少
- OABSSの改善(ベースライン比)
※ 反応には個人差があります。β3作動薬(ミラベグロン)併用や切替を検討する場合があります。
安全性・副作用(よくある/注意すべきサイン)
比較的よくある
- 口渇・のどの渇き
- 便秘(便秘既往がある方は特に注意)
- かすみ目・近見調節の低下
- 軽い眠気・めまい感
受診が必要なサイン
- 尿が出にくい・尿が出ない(尿閉の疑い)
- 強い腹痛・重度の便秘・嘔気
- 見えにくい・眼痛(閉塞隅角緑内障の既往/疑いは特に)
- 発熱・腰背部痛・悪寒(尿路感染の悪化疑い)
※ 夏季は発汗低下による脱水・熱中症にも注意(こまめな水分補給)。
禁忌・注意・併用(概要)
- 禁忌:尿閉・胃腸閉塞/麻痺性イレウス、未治療の閉塞隅角緑内障 等
- 慎重投与:前立腺肥大症による排尿障害、重度便秘、認知機能低下が疑われる方、高齢者 など
- 併用注意:他の抗コリン薬(相加的に副作用↑)、一部のCYP代謝に影響する薬剤(医師へ常用薬を申告)
- 妊娠/授乳中・緑内障・重い肝腎機能障害の既往がある方は必ず事前にご相談ください。
※ 本ページは一般情報です。個別の適応判断・用量調整は診察後に決定します。
他剤との比較・併用戦略(概要)
- ミラベグロン(β3作動薬):便秘・口渇が気になる方で選択されやすい。高血圧・不整脈既往は医師と相談。
- ビベグロン:β3の別選択肢。
- ソリフェナシン / トルテロジン など:抗コリン薬の他剤。
- 反応が不十分な時は少量併用やスイッチングを検討(診察時にご提案)。
当日の流れ(最短ルート)
- 症状ヒアリング+OABSSの評価
- 尿検査(感染/血尿の併存チェック)、必要に応じて超音波
- 薬剤選択(イミダフェナシン/β3作動薬 等)と副作用対策の説明
- 2〜4週後の効果判定・用量調整の計画
よくある質問
- Q. 効果はいつ頃から感じますか?
- A. 早い方で1〜2週間、2〜4週間で評価するのが一般的です。
- Q. 便秘や口渇が心配です。対策は?
- A. 水分・食物繊維・整腸剤などの対策を併用。強い場合は用量調整や他剤を検討します。
- Q. 緑内障ですが内服できますか?
- A. 閉塞隅角では通常禁忌です(眼科情報をご提示ください)。開放隅角でも必ず事前相談を。
- Q. 高齢でも使えますか?
- A. 可能ですが、尿閉・便秘・認知機能など副作用リスクに十分配慮して慎重に用います。
持ち物:お薬手帳・既往歴メモ(眼科/前立腺/便秘/不整脈)・健診結果
スマホで読み取ってLINE予約
本ページは一般向け情報です。自己判断の内服は危険です。必ず診察のうえ医師が適応・用量を判断します。
監修:0th CLINIC 日本橋 泌尿器科/最終改訂: