アウィクリの概要
| 商品名 | アウィクリ注フレックスタッチ |
|---|---|
| 一般名 | インスリン イコデク（insulin icodec） |
| 適応症 | インスリン療法が適応となる糖尿病（診療で個別判断） |
| 用法用量 | 週1回、毎週同じ曜日に皮下注射 |
| 半減期 | 約7日間 |
| 薬価（参考） | 2,081円／1本（300単位）※公表値の更新で変動し得ます |
| 発売日 | 2025年1月30日 |
※新薬のため、導入初期は受診間隔を短め（例：2週間毎）に設定する場合があります。
アウィクリ注フレックスタッチ（インスリン イコデク）｜週1回の基礎インスリン
アウィクリ注フレックスタッチ（一般名：インスリン イコデク）
週1回、毎週同じ曜日に皮下投与する基礎インスリンの一例です。本ページは0th CLINIC 日本橋の一般情報として、適応、用法用量、安全上の留意点などをまとめています。治療の可否・用量は診察と検査に基づき、医師が個別に判断します（宣伝・販売を目的としません）。
アウィクリの重要ポイント
- 基礎インスリン 週1回 皮下注
- 作用とタイミング：ゆっくり長く働く特性（詳細は下記）。
- 注射器の特徴：専用ペン「フレックスタッチ」。濃度700単位/mL、1目盛＝10単位。
- 単位調整：導入/切替時の設計が重要。以後は週単位で微調整（診療で決定）。
作用と注射タイミング
アウィクリ注は週1回投与の基礎インスリンです。毎週同じ曜日に皮下注射します（時間は前後しても構いませんが、医師と取り決めた範囲で）。
注射を忘れた場合の一般的な考え方
- 気づいた時点でできるだけ早く注射する
- 次回は4日以上間隔を空ける
- 以後は新しい曜日を基準に継続
※患者さんの状況で対応が異なるため、外来で個別に取り決めます。
注射器（フレックスタッチ）の特徴
- 濃度と内容量：週1回分を1回で投与するため濃度700単位/mL。1本300単位だが薬液は途中まで充填（約0.43mL）。
- 目盛り：1クリック＝10単位。微量調整が必要な方には適さない場合があります。
- 針と空打ち：毎回新しい針を使用し、装着放置は避ける。投与前に1クリック（10単位）の空打ちで通りを確認。
インスリン単位の調整方法（外来で設計）
以下は一般的な設計例であり、実際は検査値・低血糖リスク・生活パターン等により個別設計します。
他の基礎インスリンから切替
- 前の基礎インスリン1日量の7倍を計算（週量の目安）。
- 初回は状況に応じ7倍量の1.5倍で投与する設計が用いられることがあります（低血糖リスクが高い場合は例外）。
- 2回目以降は7倍量を基本に、3回目以降は目標空腹時血糖に応じて±10〜20単位/週で微調整。
インスリン未使用から新規導入
- 体格や感受性に応じ、例として30〜50単位/週から開始する設計が用いられます。
- 以後、目標空腹時血糖に応じて±10〜20単位/週で調整。
※自己判断での増減・中断は低血糖/高血糖の危険があるため厳禁です。
期待されること（一般情報）
週1回投与のため、注射回数の削減が期待できる一方、導入・切替時は反応の立ち上がりや低血糖リスクを見ながら計画的な調整が必要です。特定の効果を約束するものではありません。
安全上の注意点
- 低血糖：冷汗・ふるえ・動悸・眠気など。各投与後2〜4日は特に注意。兆候時の対処（速効性糖質）を事前に確認。
- 病時（シックデイ）：発熱・嘔吐/下痢・食事摂取不良時は早めに連絡。モニタリングと用量運用が変わることがあります。
- 併用薬・既往：他剤/サプリ・腎肝機能・睡眠時無呼吸などは必ず申告。
- デバイス運用：毎回新しい針、適切な保管（高温・直射日光回避）。
適する／適さない患者像（目安）
適する可能性がある方
- インスリンが必要だが注射回数の多さが障壁になっていた方
- 介護者・訪問看護など、毎日の注射が現実的でないケース
- 連日投与の基礎インスリンから回数を減らしたい希望がある方（個別評価が前提）
適さない可能性がある方
- 微量調整（0.5〜1単位刻み等）が必須の方（ペン最小目盛は10単位）
- 日ごとに基礎量の細かな調整が必要な生活・体調（活動量の大きな変動、月経周期など）
- 認知機能の問題などで、誤って毎日投与するリスクが高い場合
- 医師が1型糖尿病等の理由で不適と判断した場合
今回のまとめ
- アウィクリ注は週1回の基礎インスリン（半減期 約7日）。
- 専用ペン（1目盛10単位）。針は毎回交換、空打ち推奨。
- 導入/切替は設計が重要。以後は週ごとに安全に微調整。
- 低血糖対策と病時対応、定期フォローが安全運用の鍵。
- 適する/適さないケースがあるため個別判断が必須。
受診・ご相談
適応の有無、開始量や切替の可否は診察と検査に基づき医師が個別に判断します。まずは現状の把握から進めましょう。
※本ページは教育・情報提供を目的としています。特定製品の優越性や効果を断定する表現は行いません。可否・用量・頻度は診察・検査にもとづき医師が個別に判断します。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修（アウィクリ注：インスリン イコデク）
「アウィクリ注（インスリン イコデク）は、週1回投与の基礎インスリンとして位置づけられます。
半減期はおよそ7日で、ゆっくり長く作用する特性があり、毎週同じ曜日に皮下注射するのが基本です。
導入・切替時は反応の立ち上がりや低血糖リスクを見ながら計画的に調整することが重要で、特に投与後2〜4日目の低血糖には注意します。」
当院では、体格・腎肝機能・低血糖歴・日々の活動量・併用薬を確認し、週1回の基礎インスリンとしての可否を検査と診察に基づき検討します。
注射は毎週同じ曜日に行い、やむを得ず忘れた場合の取り扱いは個別の指示に従います（一般的には気づいた時点で速やかに投与し、次回まで4日以上間隔を空ける等の考え方）。
用量は他の基礎インスリンからの切替や新規導入で設計が異なり、以降は週ごとに±10〜20単位程度の幅で微調整する設計が用いられることがあります（自己調整は不可）。
デバイスは専用のフレックスタッチを用い、濃度は700単位/mL、1クリック10単位です。
毎回新しい針を使用し、装着したままの放置は避けます。投与前に空打ち（1クリック）で薬液の通りを確認し、注射部位はローテーションを行います。
保管は直射日光や高温を避け、未開封・開封後の取扱いは指示に従って管理します。
なお、微量（0.5〜1単位刻み等）の調整が必要な方、日ごとの基礎量調整が不可欠な生活パターン（活動量の大きな変動・月経周期など）の方、誤投与リスクが高い状況等では適さない場合があります。適応の可否や目標設定は、中立な立場でご説明します。
監修：黒田揮志夫 医師（病理専門医／総合診療医）
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医／糖尿病を含む慢性疾患のチーム医療と、安全なインスリン治療の運用に従事
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医／糖尿病を含む慢性疾患のチーム医療と、安全なインスリン治療の運用に従事
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