脂質異常症の運動療法|何をどれくらい?有酸素運動+筋トレの始め方
脂質異常症の運動療法
何をどれくらい? 有酸素運動+筋トレの始め方
脂質異常症の運動療法は、きつい運動を短く行うことよりも、
中等度の運動を継続することが基本です。
目安は、週150分以上の有酸素運動に、筋力トレーニング週2〜3日。
さらに、座りっぱなしを減らすことまで含めて考えると、現実的で続けやすいプランになります。
先に結論
まず優先したいこと
脂質異常症では、週150分以上の有酸素運動を軸に考えると始めやすく、継続しやすいです。
次に足したいこと
筋トレを週2〜3日加えると、筋力・体力・血糖・体重管理まで含めた全体の底上げがしやすくなります。
見落としやすいこと
運動の時間だけでなく、座りっぱなしを減らすことも重要です。30〜60分ごとに一度立つだけでも続けやすくなります。
運動で何が変わるのか
脂質異常症の運動療法は、コレステロールの数字だけでなく、全身の代謝を整える治療です。
脂質への効果
- 中性脂肪(TG)が高い方では、まず反応を実感しやすいことがあります。
- HDLコレステロールは、継続的な有酸素運動で改善が期待できます。
- LDLコレステロールは、運動単独では変化が小さいこともありますが、食事・体重管理と組み合わせると改善しやすくなります。
脂質以外への効果
- 血糖が安定しやすくなり、インスリン抵抗性の改善が期待できます。
- 血圧、体重、体脂肪、体力、気分の面にも良い影響があります。
- 将来的な動脈硬化リスクを下げる土台になります。
何をどれくらい行う?
迷ったら、次の3本柱で考えるとシンプルです。
1. 有酸素運動
- 週150分以上を目標にします。
- 例:30分×5日、20分×7日、10分×3回/日でも構いません。
- 速歩、ウォーキング、自転車、水中歩行などが続けやすいです。
2. 筋力トレーニング
- 週2〜3日を目安にします。
- スクワット、椅子立ち上がり、チューブ運動、腕立ての軽い変法でも十分です。
- 下半身・体幹を中心に、日常生活を支える筋力を維持します。
3. 座りすぎ対策
- 長時間座りっぱなしを避けます。
- デスクワーク中も、30〜60分ごとに立つ・少し歩く・階段を使うなどを取り入れます。
- 「運動時間」以外の身体活動も積み上げて考えるのがコツです。
最初から1日60分を目指さなくても大丈夫です。まずは1日合計40分を目標に、無理のない強度から始めると続けやすくなります。
脂質パターン別にみる運動の考え方
| タイプ | 運動で意識したいこと | ポイント |
|---|---|---|
| TG高値が目立つ | 有酸素運動を中心に、頻度を確保する | 「週150分以上」が特に重要です。食事調整や体重減少と組み合わせると改善が出やすくなります。 |
| HDL低値が目立つ | 短期で結果を求めすぎず、継続重視 | 運動量の積み上げが大切です。速歩や自転車など、話せる程度の中強度を続けるのが基本です。 |
| LDL高値が中心 | 運動だけに頼らず、食事・体重・薬も含めて考える | 運動は重要ですが、LDLの改善幅はTGほど大きくないことがあります。必要なら薬物療法も併用していきます。 |
| 肥満・血糖高値もある | 有酸素+筋トレの併用が実践的 | 脂質、血糖、体重、血圧をまとめて整えやすくなります。 |
運動強度の目安
難しく考えず、「会話できるか」で判断するとわかりやすいです。
有酸素運動の目安
- 少し息が上がるが、会話はできる程度が基本です。
- 速歩、やや早歩きの散歩、平地の自転車、軽い水中歩行などが目安になります。
- 「きつすぎて続かない」強度より、「また明日もできる」強度を選ぶほうが結果的に長続きします。
筋トレの目安
- 少しきついがフォームを崩さず続けられる程度で十分です。
- 反動を使わず、ゆっくり丁寧に行います。
- 翌日に強い関節痛が残るほど追い込む必要はありません。
4週間の始め方
いきなり理想形にせず、「慣れる → 続ける → 増やす」の順で考えます。
| 期間 | 有酸素運動 | 筋トレ | 目標 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 10〜15分を週4〜5回 | 椅子立ち上がり・軽いスクワットを週2回 | まず習慣化する |
| 2週目 | 15〜20分を週5回 | 下半身+体幹を週2回 | 息が少し上がる強度に慣れる |
| 3週目 | 20〜25分を週5回 | 上半身も含めて週2〜3回 | 運動量を増やし始める |
| 4週目 | 30分前後を週5回 | 週2〜3回を安定化 | 週150分に近づける |
※ 痛みや強い息切れがある場合は無理に増やさず、メニューを調整してください。
関節・腰にやさしい代替メニュー
ウォーキングがつらい方
- 水中ウォーキング
- エアロバイク
- クロストレーナー
膝・腰が不安な方
- 椅子スクワット
- 寝たまま足上げ
- チューブトレーニング
忙しい・在宅中心の方
- 10分×3回の分割歩行
- 通勤・買い物を歩数に換算
- 家事・階段・立ち仕事を運動化
運動前に相談したい方
特に相談をおすすめしたいケース
- 胸痛、強い息切れ、失神、動悸などがある
- 心臓病や脳卒中の既往がある
- 高血圧や糖尿病が未調整のまま強い運動を始めたい
- 膝・腰・足の痛みで歩行自体がつらい
安全に始めるコツ
- 最初は普段の生活より少し多く動く程度から始める
- 痛みや息苦しさが強い日は強度を下げる
- 定期受診中の方は、採血や病状とあわせて運動量を調整する
よくあるご質問
脂質異常症では、まず有酸素運動と筋トレのどちらを優先すべきですか?
ウォーキングだけでも効果はありますか?
LDLが高い場合、運動だけで下がりますか?
毎日30分続けられない場合はどうすればよいですか?
医師からのコメント・監修
「運動療法は、脂質の数値だけを下げるためのものではありません。血糖、血圧、体重、体力、将来の動脈硬化リスクまで含めて整える治療です。大切なのは、無理な運動ではなく、続けられる形に落とし込むことです。」
脂質異常症の方では、有酸素運動を軸に、筋トレと日常の身体活動を組み合わせることが実践的です。0th CLINIC 日本橋では、採血結果や体力、関節の状態、生活リズムに合わせて、無理のないプランを一緒に整理しています。
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