尿道狭窄(Urethral Stricture)|症状(出にくい・分岐尿)

尿道狭窄(Urethral Stricture)|症状(出にくい・分岐尿)・検査(尿流測定・RUG/内視鏡)・治療(拡張/DVIU/尿道形成術)|0th CLINIC 日本橋

尿道狭窄(Urethral Stricture)

尿道が瘢痕(はんこん)で狭くなることで、出にくい・途切れる・時間がかかる・分岐尿などが起こる状態です。
原因を確認しつつ、尿流測定・造影(RUG/VCUG)・内視鏡で部位と長さを把握し、拡張→内尿道切開(DVIU)→尿道形成術を段階的に検討します。
精密検査や手術の適応では、連携病院と一緒に治療にあたります。
当院は完全予約制当日/直前予約OK・出勤前/後も可です。
※診療時間はお知らせをご確認ください。

概要:瘢痕で狭くなる“通り道”をどう扱うか

尿道狭窄は、尿道上皮の損傷後にできた瘢痕組織が管腔を狭める病態です。軽症では自覚が乏しいこともありますが、進行すると排尿困難・残尿・感染・尿閉・腎機能低下の原因になり得ます。評価は安全(上部尿路保護)と生活のしやすさの両立を重視します。

※診療時間はお知らせをご確認ください。

受診・救急の目安

救急へ:まったく出ない(尿閉)/発熱+背部痛(腎盂腎炎・閉塞の疑い)/血塊で出にくい
早めの受診を:急な悪化、排尿時間の延長、繰り返すUTI、夜間何度も起きる、腎機能の異常を指摘

主な症状

排出のトラブル尿が出にくい、途切れる、弱い、時間がかかる、いきみ。
残尿感・尿閉出し切れない感じ、急に出なくなる。
見た目の変化分岐尿・噴射の散り、排尿後滴下。
随伴頻尿・UTI・血尿・会陰部の違和感/痛み。

原因(代表例)

  • 医原性:カテーテル・内視鏡処置後、尿道手術後の瘢痕。
  • 外傷:会陰部打撲・骨盤骨折、サドル外傷。
  • 炎症性皮膚疾患:陰茎硬化性苔癬(Lichen sclerosus)など。
  • 感染:尿道炎の後遺変化(尿道炎)。
  • その他:原因不明(特発性)。

検査:部位・長さ・重症度を“見える化”

尿検査感染・血尿の確認、再発UTIでは培養。
残尿量(PVR)超音波で測定(推移を重視)。
尿流測定(UFM)最大尿流率・排尿時間・曲線形状の評価。
画像(RUG/VCUG)逆行性尿道造影・排尿時膀胱尿道造影で部位と長さを特定。
内視鏡柔らかい内視鏡で狭窄の通過性・周囲所見を確認(無理押しはしない)。
上部尿路腎・膀胱エコーで水腎症の有無を確認。

評価の軸は上部尿路保護生活のしやすさです。

治療:再発リスクとダウンタイムのバランスで段階設計

拡張(ブジー) 外来での一時的拡張。再発が多いため適応を慎重に。
内尿道切開(DVIU) 内視鏡で狭窄を切開。短い単発狭窄に適することがあります。
尿道形成術 口腔粘膜移植などで再建。長い/再発例で有力な選択肢。
一時的対応 尿閉・感染リスク高では恥骨上膀胱ろう(膀胱瘻)で減圧してから計画。
当院の方針 精密検査、手術、入院が必要な場合は連携病院と一緒に治療にあたります。当院では評価・保存的治療・術前後フォローを行い、適切な施設と連携します。

Lichen sclerosus 関連では包皮・亀頭の皮膚管理も含め総合的に設計します。

在宅ケア・再発予防のコツ

日常の工夫

  • 便秘対策・水分バランスで排尿時の負担を軽減。
  • 排尿は焦らず、時間に余裕を。
  • 再発UTIがあれば早めに受診(培養で最適化)。

術後フォローの要点

  • 出血・発熱・尿閉など異変はすぐに連絡。
  • 再狭窄兆候(尿勢低下・時間延長)を記録。
  • 職業・生活リズムに合わせ復帰目安を個別調整。

費用の目安(保険/自費の考え方)

診察+尿検査保険(自己負担は保険種別・項目で変動)
残尿測定・尿流測定・エコー保険(症状に応じて実施)
RUG/VCUG・内視鏡保険(必要時/提携施設で実施する場合あり)
拡張・DVIU・尿道形成術保険(適応・術式・入院日数で変動)

当院は自費は性感染症の一部のみ、尿道狭窄は原則保険で対応します。

FAQ:よくある質問

薬だけで治りますか?
狭窄そのものは瘢痕のため薬では治りません。症状緩和や感染対策は薬で行います。
拡張を繰り返すべきですか?
再発が多く、長期的には形成術が有利なケースもあります。部位・長さで最適解を検討します。
DVIU後の管理は?
早期は尿勢や排尿時間を記録。再狭窄兆候があれば早めに再評価します。
仕事を休む期間は?
拡張は当日〜翌日復帰可が多く、DVIUは数日、形成術は術式により1〜2週以上が目安です(個人差あり)。

👨‍⚕️ 医師監修

尿道狭窄(Urethral Stricture)|症状(出にくい・分岐尿)

荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科

本ページの医学的内容(受診目安・検査・治療の考え方)を確認しています。

  • 監修日:2025-10-31
  • 最終更新日:2025-10-31
  • 監修範囲:本文全体(FAQ・費用方針を含む)

※診療時間はお知らせをご覧ください。

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