イブプロフェン(解熱鎮痛・NSAIDs)|炎症性の痛み・発熱に
イブプロフェン(解熱鎮痛・NSAIDs)
イブプロフェンは、いわゆる市販の解熱鎮痛薬(例:かぜ薬・生理痛薬)などにもよく含まれているNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)です。
炎症に伴う痛みや発熱を抑える目的で、内科・整形外科・婦人科・皮膚科・歯科口腔外科など幅広い診療科で使用されます。
一方で、胃潰瘍・腎機能・心血管リスクへの配慮が必要な薬でもあり、アセトアミノフェンやロキソプロフェンとの使い分けが重要です。
主な使いどころ(代表例)
用法・用量の目安
成人:通常、イブプロフェンとして 1回 200〜400 mg を、1日3回まで、症状に応じて服用します。
一般的な目安として、1日の総量は 1,200 mg を超えない範囲で調整します(体格・年齢・併用薬・肝腎機能などにより変わります)。
胃腸障害・腎機能低下・心血管リスクなどがある場合、そもそもNSAIDsを避けた方がよいケースもあります。
小児には体重に応じたシロップ/細粒などを用いますが、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。妊娠後期は原則として使用しません。
注意すべき点
- 胃腸障害(胃痛・胃潰瘍・黒色便):胃薬(PPI/H2ブロッカー等)を併用する場合や、そもそもNSAIDsを避けてアセトアミノフェンを検討する場合があります。
- 腎機能への影響:脱水・高齢・慢性腎臓病がある方では、NSAIDsにより腎機能が悪化することがあります。
- 心血管リスク:心筋梗塞・脳梗塞・心不全などの既往がある方は、NSAIDs全般の使用に注意が必要です。
- 喘息・アスピリン喘息:NSAIDsで喘息発作が誘発されるタイプの方は原則禁忌です。
- 複数のNSAIDsや市販薬との重複:市販の鎮痛薬・かぜ薬にもイブプロフェンや他のNSAIDsが含まれていることがあり、自己判断での併用・重複は危険です。
- 妊娠後期・授乳中:妊娠後期は胎児・母体への影響から原則避けます。妊娠初期〜中期・授乳中の使用可否は医師が個別判断します。
アセトアミノフェン・ロキソプロフェンとの使い分けイメージ
よくある質問
- Q. ロキソニン®との違いはありますか?
- A. どちらもNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)で、作用の方向性は似ていますが、成分が異なります。 どちらを使うかは効き方・副作用の出方・基礎疾患などを見ながら医師が判断します。
- Q. アセトアミノフェンと一緒に飲んでもいいですか?
- A. 状況によっては医師の管理のもとで交互に使用するなどの方法が取られることもありますが、自己判断での併用はおすすめできません。 用量超過や副作用リスクを高める可能性があるため、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
- Q. どのくらいで効きますか?
- A. 30〜60分程度で効果が出てくることが多いです。痛みや発熱が長引く場合、繰り返し必要になる場合は、原因を含めた評価が必要です。
- Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
- A. アルコールは胃腸や肝臓への負担を増やし、NSAIDsによる副作用リスクを高める可能性があります。 飲酒を控えた状態での服用をおすすめします。
関連する疾患・検査・薬
費用の目安
保険診療:症状・検査内容により自己負担が変わります(初診料・再診料・検査料など)。
イブプロフェン自体は保険適用内で処方されます。詳しくは診察時にご説明します。
持ち物:お薬手帳・常用薬リスト、健診/検査結果(お持ちであれば)
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注意・免責
- 本ページは一般向け解説であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 用量・投与間隔・使用期間は年齢・体重・肝腎機能・心血管リスク・併用薬・既往で変わります。自己判断での連用/高用量は避けてください。
- 胃痛・黒色便・むくみ・息切れ・アレルギー症状などを疑う場合は中止し、すぐに医療機関へ。
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