コラム

男性のテストステロンが低いと、寿命が縮む?

男性のテストステロンが低いと、寿命が縮む?
〜科学的研究が示した「ホルモンと生存率」の関係〜

イギリスで行われた大規模な前向き研究(EPIC-Norfolk研究)によって、内因性テストステロン(体内で自然に分泌される男性ホルモン)の低下が、全死亡率および心血管疾患による死亡リスクの上昇と関係していることが明らかになりました。

📊 研究概要:11,000人超の男性を10年間追跡

1993〜1997年にかけて、40〜79歳のイギリス人男性11,606人を調査し、その後約10年間にわたって死亡率との関連を検証。
心疾患やがんなどの既往がない人に絞って分析した結果、テストステロン値が高いほど、死亡率が有意に低いことが確認されました。

🧬 テストステロンが低い人ほど死亡率が高い

血中テストステロン濃度が高いグループでは、全死亡・心血管疾患死亡・がん死亡いずれも明確にリスクが低下していました。
具体的には、テストステロン値が6nmol/L上昇すると、全死亡リスクが約19%低下するという結果も得られています。

🩺 テストステロンは「命を守るホルモン」かもしれない

この研究は、テストステロンが単なる“男性らしさ”のホルモンではなく、心血管の健康や長寿にも関わっている可能性を示しています。
つまり、テストステロンの低下は「老化」ではなく「病的状態」のサインかもしれません。

テストステロンの低下を、
「年齢のせい」にせず、医学的に整えることが健康長寿の第一歩です。

AMS(Aging Male’s Symptoms)スコアチェック

  1. 総合的に調子が思わしくない(健康状態、本人自身の感じ方)
  2. 関節や筋肉の痛み(腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛み)
  3. ひどい発汗(思いがけず突然汗が出る。緊張や運動とは関係なく)
  4. 睡眠の悩み(寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、寝起きが早く寝れない)
  5. よく眠くなる、しばしば疲れを感じる
  6. いらいらする(当たり散らす、些細なことで怒る、不機嫌になる)
  7. 神経質になった(緊張しやすい、精神的に落ち着かない)
  8. 不安感(パニック状態になる)
  9. からだの疲労や行動力の減退
  10. 筋力の低下
  11. 憂うつな気分(落ち込み、悲しみ、意欲の低下など)
  12. 「絶頂期は過ぎた」と感じる
  13. 力尽きた、と限界にいると感じる
  14. ひげの伸びが遅くなった
  15. 性能力の衰え
  16. 早朝勃起(朝立ち)の回数の減少
  17. 性欲の低下(セックスが楽しくない、性欲がわかない)

各項目について、以下から選択してください:

1 = なし, 2 = 軽い, 3 = 中等度, 4 = 重い, 5 = 非常に重い

テストステロン = バイタリティ
生きる力を支えるホルモン

「冒険したい」「人と関わりたい」「社会に役立ちたい」
そんな思いや行動力の背景には、男性ホルモン「テストステロン」が大きく関わっています。 テストステロンは、筋肉や性機能だけでなく、心のあり方や人とのつながり、社会性にも関係している重要なホルモンです。

🧳 冒険:新しいことに挑む意欲

旅行、狩猟、挑戦への欲求。
変化を恐れず一歩踏み出す「冒険心」は、テストステロンがしっかり働いていると自然と湧き上がってきます。

👥 仲間:人とのつながりを大切に

仲間や家族と関わる、信頼を築く、絆を深める——
テストステロンは、社会性や人間関係の形成にも影響を与えるホルモンです。

🏆 競争:達成感と前向きなエネルギー

スポーツやゲーム(麻雀・囲碁・将棋など)、ランキングへのこだわり。
テストステロンは、達成感を求める行動や競争心を後押しします。

⚖️ 公平:誠実さと道徳性を育む

正直であること、嘘をつかない、分け与える気持ち——
テストステロンは、倫理的な行動や公正な判断にも関わっているとされています。

🌱 社会貢献:他者への思いやり

ボランティア活動や寄付、地域への関心。
「誰かのために行動したい」と思う気持ちも、テストステロンが支える心のバイタリティのひとつです。


「最近やる気が出ない」「挑戦する気持ちが薄れてきた」「誰かと関わるのが面倒」—— それは年齢のせいだけではなく、テストステロンの低下が関係している可能性があります。

あなたらしい「生きる力」を取り戻す第一歩として、
テストステロンを正しく知り、整えることから始めてみませんか?

👨‍⚕️ コラムに関する医師からのコメント

男性のテストステロンが低いと、寿命が縮む?
“何となく調子が出ない”という違和感が、実は男性ホルモンの低下によるものかもしれません。
更年期障害は女性だけのものではなく、男性にも確かな医学的根拠と治療法があります。」

テストステロン値の低下によって心身に不調が現れる「LOH症候群」は、生活の質に大きな影響を及ぼします
当院では、テストステロン補充療法や分泌促進療法など、エビデンスに基づいた複数の治療選択肢をご提案しています。

「加齢のせい」とあきらめず、お気軽にご相談ください。

監修:荘子 万可 医師
0th CLINIC メンズヘルス外来 監修医
・日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
・日本抗加齢医学会専門医
・テストステロン治療認定医
男性のテストステロンが低いと、寿命が縮む?
ホルモンバランスの乱れは、見た目や心にも現れることがあります。
一人で悩まず、安心して受診いただける体制を整えています。」

男性の更年期は、皮膚・代謝・免疫・精神面まで幅広い影響を及ぼす可能性があります。
血液検査や内服薬、注射療法など多面的にサポートいたしますので、ご安心ください。

監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
・医学博士/日本病理学会認定 病理専門医
・総合診療・救急医として10年以上の臨床経験
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