セフポドキシム(Cefpodoxime)|泌尿器での使い方・用量・腎機能調整・注意点

セフポドキシム(Cefpodoxime)|泌尿器での使い方・用量・腎機能調整・注意点|0th CLINIC 日本橋

セフポドキシム(Cefpodoxime proxetil)|第三世代セフェム経口薬

急性単純性膀胱炎などで用いられる経口第三世代セフェム。培養・感受性結果に基づく適正使用を重視します。食後投与で吸収が安定。

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目次
  1. 概要・位置づけ
  2. 泌尿器での主な適応
  3. 用量・投与方法(成人)
  4. 腎機能別調整
  5. 相互作用
  6. 副作用・注意
  7. 妊娠・授乳
  8. よくある質問
  9. 関連ページ

1. 概要・位置づけ

セフポドキシム プロキセチル(Cefpodoxime proxetil)は第三世代セフェム系の経口抗菌薬です。グラム陰性桿菌(例:E. coli)に一定の活性を持ち、急性単純性膀胱炎を中心に使用されます。 一方、前立腺炎など組織移行性が重要な病態では第一選択になりにくく、ニューキノロンST合剤を培養・感受性に基づき検討します。

※ 地域・時期により耐性率は変動します。尿培養・感受性結果でのデエスカレーションを推奨。

2. 泌尿器での主な適応

  • 急性単純性膀胱炎(女性)
  • 急性複雑性UTIの一部でのステップダウン(培養結果で有効性確認できる場合)
  • 尿路感染症の再発抑制には通常用いません(耐性化リスク)

※ 急性腎盂腎炎/高熱や悪寒戦慄など全身症状を伴う場合は、セフトリアキソン等の静注治療・連携入院を含めて個別判断。

3. 用量・投与方法(成人)

適応 通常用量 期間の目安 補足
急性単純性膀胱炎 100 mg 1回1日2回(朝夕)食後 3〜5日(症状・培養で調整) 食後投与で吸収↑。自己中断は再発・耐性化の原因。
複雑性UTIのステップダウン 100〜200 mg 1回、1日2回 食後 7日程度(個別) 感受性一致時のみ。重症例は静注継続を検討。

小児・高齢者は個別調整。処方は医師の診察に基づき決定します。

4. 腎機能別調整

推定CrCl/eGFR 調整目安
≥ 30 mL/min/1.73m²通常用量(1日2回)
< 30 mL/min/1.73m²投与間隔を1日1回へ延長など(個別調整)
透析個別設計(透析後追加投与などを検討)

5. 相互作用

  • 制酸薬・H2ブロッカー:胃内pH上昇で吸収低下。2〜3時間あける
  • プロベネシド:腎排泄阻害で血中濃度上昇。
  • ワルファリン等:腸内細菌叢変化でINR変動の可能性。凝固能をモニター
  • 強いβラクタムアレルギー既往:交叉反応に留意。投与前に詳細確認。

6. 副作用・注意

  • 胃腸症状(悪心・下痢)、発疹、肝機能値上昇
  • 偽膜性大腸炎など重篤な下痢:持続する下痢は受診
  • 自己判断の中断・再開は耐性化・再発の原因

抗菌薬は症状が軽快しても処方どおりに内服を。抗生剤の副作用ページもご参照ください。

7. 妊娠・授乳

妊娠・授乳中は必ず事前にご申告ください。セフェム系は比較的安全性が知られていますが、利益とリスクの比較衡量が必要です。

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8. よくある質問

Q. 食前でも大丈夫?
A. 食後のほうが吸収が安定します。基本は食後で。
Q. 何日で効きますか?
A. 膀胱炎なら通常1〜2日で症状軽快が始まりますが、指示日数は守ってください。
Q. 前立腺炎にも使えますか?
A. 組織移行の観点から第一選択ではありません。培養・感受性と症状で他剤(例:ニューキノロン、ST合剤)を検討します。
Q. 市販の胃薬と一緒に飲んでいい?
A. 制酸薬・H2ブロッカーは吸収を下げます。2〜3時間あけてください。
Q. 再発を繰り返します…
A. 生活習慣・婦人科要因・性交関連UTIなどの評価が有用です。再発性膀胱炎の対策をご参照のうえご相談ください。

【免責】本ページは一般情報です。診断・処方は個別の診察に基づきます。抗菌薬の自己判断内服はお控えください。
【当院方針】培養・感受性検査の結果に応じて、より狭域な薬へデエスカレーションを行います。