過活動膀胱の薬(β3作動薬/抗コリン薬/デスモプレシン)比較と選び方
過活動膀胱の薬(β3作動薬抗コリン薬デスモプレシン)|比較と選び方
※このページは薬の比較・安全性チェックに特化しています。症状や検査の解説は 「過活動膀胱(OAB)総論」でご確認ください。
まず結論:ざっくり“向き・不向き”
デスモプレシン(夜間頻尿)
- 夜間多尿型に適応。寝付き・中途覚醒の改善を狙う
- 低Na血症対策でNa測定・用量管理が必須
- デスモプレシンOD錠
薬剤比較表(効き方・副作用・注意点)
カテゴリ | 代表薬 | 主な利点 | 主な注意点 | 関連リンク |
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β3作動薬 | ミラベグロン/ビベグロン | 切迫感・回数の改善、口渇・便秘が少ない | 血圧・心拍、CYP相互作用(薬歴確認)。禁忌・慎重投与に該当時は回避 | ミラベグロン/ビベグロン |
抗コリン薬 | ソリフェナシン/イミダフェナシン/トルテロジン ほか | 古典的で経験豊富、費用対効果◎ | 口渇・便秘・眠気・認知機能(高齢者)。緑内障/尿閉リスクに注意 | ソリフェナシン/イミダフェナシン/フェソテロジン |
夜間頻尿 | デスモプレシンOD | 夜間覚醒の減少(夜間多尿型に合致時) | 低Na血症(開始〜数週はNaチェック)。高齢・利尿薬併用は特に注意 | デスモプレシン |
※具体的な用量・禁忌は各薬ページでご確認ください(自己判断内服は避け、医師にご相談を)。
当院の基本戦略(処方アルゴリズムの考え方)
安全性の要点(来院前に知っておくと安心)
- β3作動薬:既往症(高血圧・不整脈)や併用薬(CYP)を確認。自己判断の増減はNG。
- 抗コリン薬:口渇・便秘・眠気対策を併記。緑内障・前立腺肥大による尿閉は必ず申告を。
- デスモプレシン:開始〜数週は血清Naを確認。飲水指導を守ること。
- 妊娠・授乳・高齢・腎機能障害・認知症リスクがある方は方針が変わります。
費用と通院の目安
保険診療(3割負担)の一例です。実際は症状・検査内容で変動します。
- 初診:診察+尿検査+OABSS → 当日から内服開始が可能なことが多いです
- 再診:効果判定(2〜4週)、副作用チェック、必要時に薬剤変更
よくある質問(薬に関するQ&A)
- Q. すぐ効きますか?
- A. 体感は1〜2週で出ることが多く、十分な判定は2〜4週で行います。
- Q. 口渇・便秘が心配です。
- A. β3作動薬はその点で有利です。抗コリン薬を使う場合は整腸剤・生活指導を併用します。
- Q. 夜間のトイレが特に困るのですが?
- A. 夜間多尿型ならデスモプレシンを検討。開始後はNaチェックを行います。
- Q. 長く飲んでも大丈夫?やめ時は?
- A. 症状安定後は段階的に減量・中止を検討。再発時は早めに相談を。
持ち物:お薬手帳/健診結果/排尿日誌(あれば)
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