シタフロキサシン(グレースビット)
シタフロキサシン(グレースビット)|泌尿器感染症における位置づけ
ニューキノロン系の経口抗菌薬。培養・感受性と患者背景(腎機能・既往・薬歴)を踏まえ、必要最小限の期間で使用します。
0th CLINICは抗菌薬適正使用と迅速な検査連携で、再発・耐性化を抑えながら最短解決を目指します。
この薬のポイント
- 薬効分類:ニューキノロン系抗菌薬(経口)
- 想定する主な適応領域:泌尿器(膀胱炎/腎盂腎炎/前立腺炎/尿道炎など)でシタフロキサシン感受性菌が推定される場合
- 特徴:組織移行性に優れ、前立腺など深部組織への到達が報告(文献/添付文書参照)
- 注意:下痢・軟便が比較的多い/痙攣性疾患既往・腎機能低下・高齢者では用量に注意/腱障害/中枢神経症状/光線過敏/QT延長などクラス警告に留意
用法・用量(成人)
通常、成人に1回50mgを1日2回、または1回100mgを1日1回経口投与。
効果不十分と思われる場合は1回100mgを1日2回まで増量可。
※腎機能や年齢、合併症、感染の重症度により調整。投与期間は“必要最小限”を原則(培養結果で適宜de-escalation)。
泌尿器科での使い分け(院内方針の例)
相互作用と服薬のコツ
- 金属含有製剤(Mg/Alの制酸剤、鉄/亜鉛/カルシウム含有サプリ):吸収低下。前後数時間あける。
- ワルファリン等の抗凝固薬:作用増強の報告。PT-INR等のモニタリング。
- QT延長リスク薬との併用注意。
- 日光/紫外線で光線過敏の恐れ→長時間の直射日光は避ける。
禁忌・注意(抜粋)
- 腎機能障害:血中濃度上昇に注意。用量調整や他剤選択を検討。
- 痙攣性疾患の既往:ニューキノロンで痙攣の報告あり。
- 妊娠/授乳:胎児・乳児への影響を考慮し有益性投与の原則。
- 腱障害既往/ステロイド併用/高齢:腱炎・腱断裂のリスクに注意。
詳細は添付文書・PMDA情報をご確認ください。
抗菌薬適正使用と再発予防
- 原則として尿培養/感受性を確認し、結果で適切にde-escalation。
- 投与は必要最小限の期間にとどめる。
- 再発性膀胱炎では生活習慣/骨盤底/膣内環境など非薬物対策も併用。
持ち物:保険証、内服・サプリの一覧、健診/培養結果(あれば)
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よくある質問
- Q. サプリ(鉄やカルシウム)と一緒に飲んでもいい?
- A. 吸収が落ちる可能性があります。前後数時間は間隔をあけてください。
- Q. 何日くらい飲みますか?
- A. 病型・重症度・培養結果で変わります。最短コースで調整します。
- Q. 下痢が出やすい?
- A. 報告があります。強い腹痛/血便/発熱を伴う場合は内服を中止しご連絡ください。
参考・出典
- KEGG JAPIC 医療用医薬品「グレースビット」用法・用量:1回50mg 1日2回 または 1回100mg 1日1回、効果不十分時は1回100mg 1日2回可(最小限期間投与等の注意)。出典:KEGG JAPIC 医療用医薬品ページ。
- PMDA 公表資料(Sitafloxacin hydrate)および添付文書改訂情報:安全性項目の追記・注意喚起。