筋力低下(力が入らない)
筋力低下(力が入らない)
「握力が落ちた」「立ち上がりづらい」「階段がつらい」「片側だけ力が入らない」などは、脳・神経・筋・内分泌・電解質・薬剤など多様な原因が関与します。突然の片側麻痺や言語障害を伴う場合は緊急評価が必要です。
今すぐ受診(救急)の目安
🚑 次の症状があれば速やかに救急受診を検討
- 突然発症の片側の筋力低下、顔のゆがみ、ろれつが回らない、視野の異常(脳卒中疑い)
- 急速に広がる両側性の筋力低下、歩行困難、呼吸が浅い/息苦しい(ギラン・バレー症候群など)
- 強い筋肉痛・尿の色が濃い/茶色い(横紋筋融解症の可能性)
- 周期的な脱力発作+脱水/嘔吐/下痢後(低/高カリウム血症 などの電解質異常)
- 胸痛・動悸・息切れを伴う、あるいは失神を伴う
- 発熱・項部硬直・意識障害を伴う(中枢神経感染/炎症など)
「力が入らない」が急に起きた・進行が早い・呼吸や嚥下に影響する場合は、しゃがみ込んで様子見せず緊急評価が必要です。
当日〜早めの受診
- 階段・立ち上がり・洗髪動作が以前よりつらい(近位筋優位の筋力低下)
- 頭を支えにくい・物を持ち上げづらい・握力低下を感じる
- 薬の開始/増量後に悪化(スタチン、ステロイド、ベンゾ系、抗がん剤 など)
- 甲状腺、糖尿病、腎機能、低栄養の既往がある
- しびれ・筋萎縮・体重減少を伴う
主な原因の整理
中枢(脳・脊髄)
- 脳梗塞/脳出血・一過性脳虚血発作(TIA):片側の麻痺、言語障害、視野異常
- 脊髄疾患:両下肢優位の脱力、膀胱直腸障害の合併
末梢神経・神経筋接合部・筋
- 末梢神経障害:糖尿病・栄養/ビタミン欠乏(B12 など)・薬剤性
- 神経根症/脊椎症:片側の筋力低下+放散痛/しびれ
- 重症筋無力症:易疲労性、眼瞼下垂、嚥下/発声困難
- 炎症性/代謝性ミオパチー:多発筋痛、近位筋の筋力低下、CK上昇(多発筋炎、甲状腺ミオパチーなど)
- 横紋筋融解症:筋痛、褐色尿、CK著明高値
内分泌・代謝・電解質
- 甲状腺機能異常(低/亢進)
- 電解質異常(K、Na、Ca、Mg)
- 副腎不全(全身倦怠、低血圧、食欲低下)
- 腎障害・肝障害、低栄養、ビタミン欠乏
薬剤・毒性・その他
- スタチン、フルオロキノロン、ステロイド長期、ベンゾ系、抗がん剤、アルコールなど
- 感染後・免疫関連疾患
まず試せること(安全第一)
- 転倒防止:段差・階段は手すりを使用、入浴は見守り/入替推奨
- 休息と水分:脱水が疑わしいときは経口補水
- 自己判断の運動・マッサージ過多は避ける(悪化することがあります)
- 新規/増量した薬があれば名称を控える(お薬手帳を持参)
進行性・左右差あり・嚥下/呼吸への影響・神経症状を伴う場合はセルフケアにこだわらず受診を。
当院でできる評価と治療
- 問診・診察:発症様式(突然/徐々)、分布(片側/両側、近位/遠位)、随伴症状(構音・嚥下・視力・感覚・痛み)を整理、MRCスケールで筋力評価
- 検査:採血(電解質、腎肝機能、CK、甲状腺、血糖、炎症、B12 など)、尿検査、心電図。必要に応じて胸部X線/頭部CT・MRIは連携で手配
- 治療:電解質補正、薬剤調整(スタチン等の中止/変更提案)、逆流/炎症の治療、疼痛・痙縮対策。嚥下・呼吸障害が疑われる場合は入院評価を調整
- 連携:神経内科、整形外科、循環器、内分泌代謝科へ適切に紹介
- 再発予防:栄養・服薬管理、運動処方(理学療法の紹介を含む)
よくある質問(要点)
「だるい」と「筋力低下」は違いますか?
「だるい(倦怠)」は疲れや意欲低下の主観的訴えで、筋力低下は客観的に力が出ない状態です。区別が診断の手掛かりになります。
片側だけ力が入らないのは?
脳血管障害など中枢性の可能性があります。突然の片側麻痺・言語障害・視野異常は救急へ。
スタチン(コレステロール薬)で筋力低下は?
まれに筋障害〜横紋筋融解症が起こり得ます。筋痛・褐色尿・発熱を伴えば至急受診し、CKなど評価します。
カリウム異常のサインは?
筋力低下・脱力発作・不整脈・しびれなど。嘔吐/下痢/利尿薬/過度な補給が背景にあることがあります。
受診や相談は、LINEで24時間
最短でご返信します。症状の始まり・左右差・日内変動・服薬歴(新規/増量)・随伴症状をお知らせください。
