ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ)

フォシーガ(ダパグリフロジン)|SGLT2阻害薬

2型糖尿病の血糖管理に加え、心不全・慢性腎臓病(CKD)で予後改善が期待される“心腎保護”薬。肥満では「第一選択の減量薬」ではないが、適応がある方で体重・血圧の改善を後押し。

  • インスリン非依存の血糖降下(尿中糖排泄)
  • 心不全入院リスク↓/腎機能悪化抑制(適応あり)
  • 体重・血圧の軽度改善が見込める
  • 注意:脱水/尿路・外陰部感染/(正常血糖)DKA

アクセス

東京都中央区日本橋二丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4階(東京駅八重洲口・日本橋駅から徒歩3分)

ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ)

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💊 基本情報

フォシーガはSGLT2阻害薬です。腎臓でのブドウ糖再吸収を抑え、尿に糖を出すことで血糖を下げると同時に、体重・血圧の改善心腎保護が期待できます。

一般名ダパグリフロジン(Dapagliflozin)
剤形内服錠(5 mg/10 mg)
主な適応2型糖尿病/慢性心不全/慢性腎臓病(CKD)
保険適用保険診療にて処方可能(詳細は最新の添付文書をご確認ください)
特徴低血糖を起こしにくい・体重/血圧の軽度改善・心腎保護エビデンス
ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ)
フォシーガ錠(イメージ)

🧭 適応と使い分け(当院の考え方)

適応ポイント
2型糖尿病 尿中糖排泄で血糖↓。体重/血圧の軽度改善。メトホルミン・DPP-4阻害薬等と併用しやすい。
慢性心不全(HFrEF/HFpEF) 再入院リスク低減が示され、予後改善が期待。糖尿病の有無を問わず検討。
慢性腎臓病(CKD) 腎機能悪化抑制・蛋白尿減少が期待。腎保護目的での価値が大。
肥満を伴う生活習慣病 体重減少は平均2–3%目安。減量主目的の第一選択にはしない。

他薬との位置づけ:体重減少を優先するならGLP-1/GIP製剤を第一候補に。心腎保護の観点が強ければSGLT2を積極的に選択/併用。

⏱ 用法・用量(概要)

適応通常用量備考
2型糖尿病 1日1回 5 mg(必要に応じて10 mg) 腎機能や併用薬で調整。低血糖リスク薬併用時は注意。
慢性心不全/CKD 1日1回 10 mg 腎機能・血圧・体液量をフォロー。透析中は通常使用不可。

※ 上記は一般的な目安です。最新の添付文書・ガイドラインおよび個別の臨床判断を優先します。

⚖️ 肥満症での役割(当院の運用)

30秒まとめ
  • 第一選択の減量薬ではない。 体重減少は平均2–3%目安。
  • 価値が出やすい層:2型糖尿病/心不全/CKDを合併。
  • 「食欲抑制」ではなくカロリー排泄+軽い利尿が主軸。
  • 正常血糖DKA・脱水・尿路/外陰部感染に注意。

開始前チェック

  • 腎機能/脱水リスク/DKA既往
  • 尿路・外陰部感染の既往、飲酒状況
  • 極端な糖質制限・断食の有無

フォロー

  • 導入後4–6週で副作用・体重推移、その後2–3か月ごと
  • 血圧・腎機能・尿所見を定期確認

中止・休薬ルール

  • シックデイ:発熱/嘔吐下痢/食事が摂れない日は中止
  • 手術・内視鏡・絶食:手技3日前から休薬(再開は食事再開後、医師判断)
  • DKA疑い:強い口渇・腹痛・吐き気・深い呼吸など→直ちに受診
食事注意:強い糖質制限や断食は避ける(正常血糖DKAリスク↑)。

GLP-1/GIP製剤との使い分け(簡略)

論点SGLT2(ダパグリフロジン)GLP-1/GIP(セマグルチド/チルゼパチド)
主な作用糖排泄↑・軽い利尿食欲↓・満腹感↑・胃排出遅延
体重減少小〜中(2–3%)大(5–20%)
付加価値心腎保護(適応がある層)薬剤により心血管イベント低減データ
使いやすさ1日1回内服多くは週1回注射/一部経口
注意点(正常血糖)DKA/脱水/感染消化器症状/稀な胆道・膵合併症
結論:肥満「単独」の減量目的では第一選択にしない。ただし糖尿病/心不全/CKDでは、減量補助+臓器保護として採用価値。

🛡 安全性・休薬の考え方

主な副作用

  • 頻尿・口渇・脱水
  • 尿路感染症/外陰部カンジダ症 など
  • (正常血糖)糖尿病性ケトアシドーシス(倦怠感・悪心嘔吐・腹痛・呼吸促迫)

併用上の注意

  • 利尿薬併用:脱水・低血圧に注意
  • インスリン/SU剤併用:低血糖に注意し用量調整を検討

※ 妊娠・授乳、重度の腎機能低下、SGLT2起因性DKA既往、頻回感染、重い低栄養などは慎重に。必ず医師にご相談ください。

🔄 他のSGLT2/経口糖尿病薬との比較(要点)

SGLT2内での比較(概観)

  • フォシーガ(ダパグリフロジン):心不全・CKD適応あり、バランス良好。
  • ジャディアンス(エンパグリフロジン):心血管アウトカムの実績が豊富。
  • カナグル(カナグリフロジン):CKD抑制データに強み(地域差の注意点あり)。

※ 各薬剤でラベルや適応が異なる場合があります。最新情報をご確認ください。

他クラスとの比較(概観)

  • ビグアナイド(メトホルミン):第一選択・併用しやすい。
  • DPP-4阻害薬:高齢者・腎機能低下でも使いやすい。
  • チアゾリジン(ピオグリタゾン):強いIRに有用も、浮腫・体重増加に注意。

❓ よくある質問

肥満だけでも処方されますか?

国内の保険適用は糖尿病・心不全・CKDなど本来の適応疾患です。肥満単独の減量目的は原則適応外で、当院でも第一選択にはしていません(個別に利点・リスク・代替薬を説明のうえ判断)。

どれくらい体重が落ちますか?

平均2–3%程度が目安。12週で3%未満なら方針見直しを検討します。

糖質制限と併用は?

強い糖質制限や断食は避けてください。 正常血糖でもDKAのリスクが上がります。

💊 フォシーガ(ダパグリフロジン)の薬価と自己負担目安

製剤名 薬価(単価) 服用量(1ヶ月) 薬剤費(3割負担)
フォシーガ錠5mg 149.3円/錠 30錠(1日1錠) 約1,342円
フォシーガ錠10mg 220.3円/錠 30錠(1日1錠) 約1,983円

■ 自己負担の目安(30日分)

  • フォシーガ錠5mg: 3割負担 → 約1,342円 / 1割負担 → 約447円
  • フォシーガ錠10mg: 3割負担 → 約1,983円 / 1割負担 → 約661円
  • ● ※薬価は変動する可能性があるため、最新情報は薬局または主治医にご確認ください
  • ● ※薬剤費以外に診察料・調剤料・薬局管理料などが加算されます

✅ フォシーガはSGLT2阻害薬に分類される新しいタイプの糖尿病治療薬で、血糖コントロールだけでなく心不全・腎機能への保護効果も報告されています。
医師と相談の上で、用量・併用薬・効果に応じた選択が重要です。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ)
「フォシーガは血糖管理だけでなく、心不全や腎機能保護にも効果が期待できる画期的な薬剤です。
高齢の方や慢性疾患を抱える患者さまにとっても、全身の予後改善を視野に入れた治療選択が可能になります。」

当院では、血糖値だけでなく心血管リスクや腎機能状態、脱水傾向なども総合的に評価した上で、SGLT2阻害薬の導入を検討します。
尿路感染症や脱水のリスクにも配慮しつつ、ライフスタイルに合った無理のない処方設計を心がけています。
ご心配な点があれば、診察時に遠慮なくお申し出ください。

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/総合診療医)
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/糖尿病・循環器・腎疾患を含む総合的な慢性疾患管理に従事

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