コラム
初回と2回目の違い:ボトックスの単位・間隔・“慣らし運転”完全ガイド
初回と2回目の違い:ボトックスの単位・間隔・“慣らし運転”完全ガイド
「効きすぎが不安」「2回目はいつ・どのくらい?」——初回は控えめに設計し、2〜4週で微調整、次回以降は“最小有効量”を維持するのが基本。部位別のスケジュールと、失敗しないリピート設計を医師が解説します。
この記事は美容医療の一般情報です。最終判断は診察に基づきます。適応外部位はリスク説明と同意の上で限定的に行います。
1. (先に結論)
- 初回は控えめに設計し、2〜4週で評価・微調整(必要なら追加)。
- 以降は3〜4か月(部位により前後)の周期で“最小有効量”を維持。
- イベント前は2〜3週間前を目安に最終注入・微調整のバッファ確保。
- 抗体化を避けるため、過度な頻回追加・短すぎる間隔は避ける。
2. なぜ初回は“慣らし運転”なのか
表情・骨格・筋力・左右差・既往治療によって、同じ単位でも効き方が異なります。初回から“理論最大値”を狙うと、眉・まぶたの重さ、笑いにくさなどのリスクが上がります。そこで当院は、
- 最小有効量から開始(控えめ)
- 2〜4週で再評価(ピークを見て微調整)
- 以降は得られた最適量・パターンで安定運用
初回は“効かせすぎない”ことが最大の安全策。2回目で“理想の見え方”に近づけます。
3. 単位(Dose)の組み立て:初回→2回目
初回の考え方
- 表情検査で効かせたい動きと残す動きを切り分け
- 拡散を考慮して層と配置をデザイン
- 左右差・体格・性別・職業表情(営業/講師など)を加味
2回目の考え方
- ピーク時(2週前後)の見え方を基準に微調整
- 足りない部位は+α、効き過ぎは分散・層変更で調整
- 総量は“最小有効量”に収束(抗体化回避・自然さ維持)
注意:初回直後(数日以内)の“まだ効いてない”段階での追加は早計。少なくとも2週間は待ってピークを見極めます。
4. 間隔(Interval)の決め方:見え方の推移
一般に、3〜7日で効き始め、2週間前後でピーク、その後ゆるやかに低下します。部位や目的により持続は異なります。
- 表情じわ(額・眉間・目尻):目安3〜4か月
- エラ(咬筋):目安4〜6か月(筋ボリューム変化は段階的)
- 多汗症(腋・手・足):目安4〜9か月
- スキン/マイクロ:目安2〜3か月(肌質は複合治療併用で安定)
個人差があります。イベントがある場合は2〜3週間前に微調整のバッファを。
5. 部位別・目的別のリピート設計(初回→2回目)
カテゴリ | 初回(慣らし運転) | 2回目(2〜4週後) | 次回以降の目安 |
---|---|---|---|
額・おでこ | 眉位置・眼瞼の重さを避けるため控えめ+分散 | 足りない中央/外側へ微量追加、層/拡散半径を微調整 | 3〜4か月ごと。表情を残す設計で安定 |
眉間 | 縦ジワの癖を抑えるポイントに最小有効量 | シワ痕が残る場合は点追加で均し | 3〜4か月ごとに維持 |
目尻 | 笑顔の自然さ優先で扇状に薄く | 笑いじわの端部に+α、乾燥ジワはスキン系併用 | 3〜4か月ごと |
エラ(咬筋) | 下歯列の噛み癖・厚みを評価し深部へ基本設計 | 咀嚼感の違和感がなければ必要最小限で+α/左右差調整 | 4〜6か月。写真で厚み推移を管理 |
首・肩こり | 僧帽筋のコリ点に分割投与、職業/姿勢を考慮 | 残るトリガーに点追加。肩痩せ希望は別設計へ誘導 | 3〜4か月。必要に応じストレッチ併用 |
肩(夏ボト・ドレス) | 僧帽筋のアウトラインを見ながら少量スタート | 左右差・ラインを整えるため点追加 | 3〜4か月(衣装日程から逆算) |
多汗症(脇・手・足) | 発汗マップに沿って均一投与、痛み対策を併用 | 汗の残るゾーンに面追加 | 4〜9か月(季節で前後) |
マイクロボトックス | テカリ/毛穴の部位限定で浅層メッシュ | テカリ残存部に面で+α、広げすぎは避ける | 2〜3か月(スキン系と交互) |
スキンボトックス | 頬・Tゾーン中心に薄く面設計 | 毛穴/テカリが残る部位に微量追加 | 2〜3か月(季節と皮脂で調整) |
6. 効きすぎ/効きにくい時の分岐と対処
効きすぎ(重さ・不自然)
- 次回は単位を減量、層を深く/分散へ変更
- 額は外側の抑制を弱め、眉位置を温存
- 経過観察で自然回復を待つ(通常は数週〜)
効きにくい(持続が短い等)
- 2回目で部位限定の+α(漫然と総量を増やさない)
- 希釈/層/配置の再設計、生活要因(表情癖・歯ぎしり・発汗刺激)を評価
- 追加はピーク後(2週以降)に検討
過度な頻回追加は抗体化のリスクや不自然さにつながります。医師と方針を共有し、記録(ロット・単位・配置)を残しましょう。
7. 次回予約のベストプラクティス
- 初回実施日に2回目の評価枠(2〜4週後)を仮押さえする
- 写真(無表情/最大表情)を毎回撮影し、見え方を可視化
- イベントがある場合は2〜3週間前に最終微調整の枠を確保
8. 関連リンク
9. ミニFAQ
Q. 2回目はいつ受けるべき?
A. 初回から2〜4週間でピークの見え方を確認し、必要に応じて微調整します。
Q. 追加は初週でもOK?
A. 早すぎる追加は推奨しません。少なくとも2週間は待ち、効きのピークを見極めてから判断します。
Q. 次回以降の間隔は?
A. 多くの表情じわは3〜4か月が目安。咬筋は4〜6か月、多汗は4〜9か月を目安に個別調整します。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「ボトックスは“設計の医療”です。初回は控えめに、2回目で理想に近づけ、以降は最小有効量で自然さを保つ——このサイクルが長く続けられる秘訣だと考えています。」
0th CLINICでは、表情検査・写真比較・温度/ロット記録まで含めた安全設計で、個々の“ちょうど良さ”を探ります。イベント前の逆算や他治療との併用もご相談ください。
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医)/0th CLINIC 日本橋 院長
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