糖尿病治療薬の“地図”|まず何から?次は?—ASCVD/CKD/肥満/低血糖リスクで分岐

糖尿病治療薬の“地図”|まず何から?次は?—ASCVD/CKD/肥満/低血糖リスクで分岐

糖尿病治療薬の“地図”
— まず何から? 次は?(ASCVD / CKD / 肥満 / 低血糖リスクで分岐)

このページは“比較と分岐のハブ”です。
手技・費用・副作用対策などの詳細は、各薬の個別ページへご案内します。

この地図の使い方
  1. まず現在地(合併症・A1c・体重・低血糖リスク・費用感)を確認
  2. 分岐に沿って候補クラスを把握
  3. 各クラス/薬の個別ページで手技・費用・副作用を確認→来院で最終調整

1. まず確認する4条件

① ASCVD/CKD/心不全
心筋梗塞/脳梗塞歴、蛋白尿やeGFR低下、心不全の既往・兆候の有無
② 体重(肥満の寄与)
減量優先か/体重増加は避けたいか
③ 低血糖リスク
高齢/腎機能低下/職業上の制約の有無
④ HbA1cと症状
著明高値・症状ありならインスリンの一次導入も検討

2. 分岐フロー(“まずは→つぎに”の道筋)

STEP 0:生活療法 + メトホルミン(多くの方で第一選択)

禁忌/不耐の場合は他クラスへ。詳細:メトホルミン

STEP 1:合併症ドリブンで“軸”を決める

STEP 2:低血糖・年齢・費用感で微調整

STEP 3:著明高値・症状あり/急速是正が必要 → インスリン導入を検討

基礎+追加、もしくは一時的導入。詳細はインスリン各ページへ:

STEP 4:多剤併用の整理

  • よくある軸:メトホルミン + (SGLT2 or GLP-1) ± DPP-4/TZD/α-GI/インスリン
  • SU薬(グリメピリド 等)は低血糖に注意し慎重に運用
  • 腎機能・脱水・感染症・高齢者では、用量と副作用モニタリングを厳密に

3. 目的別ショートカット

4. クラス別リンク(詳細は各ページへ)

クラス 代表薬(リンク) ポイント
ビグアナイド メトホルミン 多くで起点。腎機能・消化器症状に注意
SGLT2 ダパエンパカナイプラ 腎/心不全/蛋白尿で優先。脱水・尿路生殖器感染に注意
GLP-1/GIP-GLP-1 セマグルチドチルゼパチドデュラリラリベルサス 体重・ASCVDに配慮。消化器症状・胆道系イベントに注意
DPP-4 シタリナアロビルテネ 低血糖少・使いやすい。腎機能で用量調整(リナは不要)
TZD ピオグリタゾン 抵抗性改善。浮腫/体重増・心不全に注意
α-GI アカルボースボグリボースミグリトール 食後高血糖に。腹部症状に注意
グリニド ナテミチレパ 食直前投与/短時間作用。低血糖に注意
SU グリメピリドグリベンクラミドグリクラジド 低血糖・体重増に注意。高齢者では特に慎重に
インスリン/配合 基礎追加ミックスソリクアゾルトファイ 著明高値/症状時や他薬で不十分な時に
このページの範囲:比較と分岐のガイドに限定しています。
用法・用量・自己注射手技・服用ルール・費用・詳細な副作用/禁忌/相互作用は、各薬の個別ページをご参照ください。

医師があなたの“現在地”と合併症・生活環境を踏まえて最適化します。まずは検査・内服の見直しから。

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よくある質問(FAQ)

Q. まず何から始めればいい?

A. 多くの方は生活改善 + メトホルミンから。合併症(CKD/心不全/ASCVD)や体重、低血糖リスクで次の軸を決めます。

Q. 体重を下げたい場合は?

A. GLP-1系が選択肢になります。セマグルチドチルゼパチドなど。

Q. 腎臓や心不全が心配です。

A. SGLT2の優先度が上がります。エンパグリフロジン などを検討します。

Q. 低血糖を避けたい/高齢です。

A. GLP-1、SGLT2、DPP-4などが選択肢。SUやインスリンは低血糖に注意して慎重に。

Q. すでに複数飲んでいます。次は?

A. メトホルミン +(SGLT2 or GLP-1)を軸に、DPP-4/TZD/α-GI/インスリンを症状・検査と副作用プロファイルで最適化します。

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