口周りのニキビ|歯磨き粉・マスクで悪化する理由と今日からの対策(医師監修)
「顎〜口の周りだけ繰り返す」――その背景に、歯磨き粉の成分残留とマスクの摩擦・蒸れが隠れていることがあります。
本稿は“なぜ?”(Why)と“どうする?”(How)を簡潔に。保険中心+必要時のみ自費のスタンスでお伝えします。
1. どうして口周りだけ繰り返すの?(Why)
歯磨き粉の「泡・飛沫・拭き残し」
- 口角〜顎に泡の飛沫が付着しやすい
- 洗顔より歯磨きが後だと成分が残留
- 成分(例:発泡剤・香味・研磨)で刺激/乾燥→バリア低下
刺激でバリアが乱れると、角栓形成→炎症化のループに入りやすくなります。
マスクの「摩擦・蒸れ・密閉」
- 会話・呼気で湿熱↑ → 角層ふやけ
- 素材/サイズ不一致 → 擦れで微細外傷
- 皮脂+汗+メイクの混在で毛穴詰まり促進
“マスクライン”はにきび×接触皮膚炎が併発しやすいゾーンです。
2. よくある悪化因子チェック(当てはまるものに☑︎)
- 歯磨き後、口周りを水だけで軽く流している
- 歯磨き粉をたっぷり使う(泡が多い)
- マスクの内側が湿る・取り替え頻度が少ない
- 顎に触れる/頬杖の癖がある
- 帰宅後すぐに洗顔しない(メイク/汚れ残存)
- 寝具やタオルを長期間替えていない
- ヒリつき・痒みがあり接触皮膚炎の疑いがある
- 同じ場所が何度も腫れる/しこり化する
- 新しい歯磨き粉・うがい液に変えてから悪化
- スポーツや長時間会話でマスク時間が長い
3. 今日からの手順(How:朝・日中・夜・歯みがき直後)
朝
- 洗顔→保湿→日焼け止め(SPF30+/PA+++以上)→薄めのメイク
- マスクは肌に触れる面を清潔に。サイズ/素材を見直す
日中(マスク使用時)
- 会話が多い日はこまめに交換(湿ったらチェンジ)
- 可能なら小休憩で口周りの汗をオフ(摩擦最小で軽く押さえる)
夜
- 帰宅後は早めにメイク/皮脂/汚れをオフ
- 低刺激・ノンコメドの保湿でバリア回復
歯みがき直後のポイント(ここが肝)
- 泡・飛沫はティッシュで先に拭き取り→ぬるま湯で十分にリンス
- 歯磨き粉は適量に(多すぎる泡は残留リスク)
- 洗顔は歯磨きの後に回す(成分残りをオフ)
- しみる/痒みが出る製品は一旦休止し、別製品に切替検討
“歯みがき→洗顔”の順番にするだけでも、口周りのトラブルが改善しやすくなります。
4. やりがちNG(3つ)
- 強く擦る洗顔(バリア破綻→悪化)
- マスク下に厚塗りオイル系(詰まりやすい)
- 自己圧出(感染/色素沈着/瘢痕の原因)
5. 受診の目安と、当院でできること(保険中心)
6. よくある質問
Q1. 歯磨き粉は何を選べばいい?
A. しみる/痒みが出る場合は一旦休止し、低刺激タイプに切替。まずは“歯みがき→洗顔”の順徹底を。
Q2. マスクで悪化します。素材は?
A. 摩擦が少なく通気性の良い素材を。湿ったら交換、会話が多い日は枚数を多めに。
Q3. どのくらいで良くなる?
A. 炎症鎮静は2〜8週間が目安。跡の赤み/色素沈着は8〜24週間(個人差あり)。FAQ