家族性高コレステロール血症(FH)|若年からの対策|0th CLINIC 日本橋
家族性高コレステロール血症(FH)|若年からの対策
要約:FHの診断のポイント、家族スクリーニング、治療の基本をわかりやすく整理。
ApoB/非HDL・“見える化”画像も組み合わせ、若年からのイベント抑制を目指します。
アクセス
東京都中央区日本橋二丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4階(東京駅八重洲口・日本橋駅から徒歩3分)
家族性高コレステロール血症(FH)とは
そもそも、どのような病気?
- 生まれつきLDLコレステロールが高い体質(遺伝性)。親・子・きょうだいへ受け継がれることがあります。
- 成長の早い時期から血管の負担(動脈硬化)が積み上がるため、若い年代での心筋梗塞・狭心症リスクが上がります。
- 皮膚の黄色腫やアキレス腱の肥厚が手がかりになることもありますが、見た目のサインがない方もいます。
- 生活をがんばってもLDLがあまり下がらない/すぐ戻るのが特徴。家族の中に同じ傾向がいると要注意です。
どんな問題点がある?
- 放置されやすい(自覚症状が乏しい)
- 家族に広がる(遺伝性)ため、家族も未診断のままになりがち
- 早い時期からの動脈硬化で、将来のイベントリスクが累積
どう対策する?(当院の進め方)
来院前にメモしておくとスムーズ
- 家族の病歴(若年の心筋梗塞・脳卒中・脂質異常の有無)
- これまでの健診LDLの推移(可能なら数値)
- 黄色腫/腱肥厚の有無・気づいた時期
- 現在の生活(食事/運動/喫煙/お酒)と内服中の薬・サプリ
① 早期発見が要
若年からの持続的LDL高値は要注意。家族歴や身体所見も手がかりに。
② 家族を守る
第一度近親者からのカスケード検査で未診断者を拾い上げ。
③ 目標へ一直線
生活+薬物療法を段階的に。ApoB/非HDLと画像で到達度を確認。
こんなときはFHを疑いましょう
👨👩👧 家族に若い心筋梗塞
親・きょうだいで若年の心筋梗塞/脳卒中や高LDLがいる。
📄 健診でLDLがずっと高い
複数年にわたって高LDLが続く(生活を見直しても下がりにくい)。
👣 体のサイン
アキレス腱の肥厚や皮膚の黄色腫がある。
来院前メモ(チェックリスト)
- 家族の病歴(若年の心筋梗塞・脳卒中・脂質異常)
- これまでの健診LDLの推移(可能なら数値)
- 黄色腫/腱肥厚の有無、開始時期
- 内服中の薬・サプリ(開始時期)
- 喫煙、血圧、体重変化、糖代謝の情報(HbA1cなど)
診断のポイント(総合評価)
臨床・家族歴
- 若年からの持続的LDL高値
- アキレス腱肥厚/黄色腫などの身体所見
- 第一度近親者に高LDLや早発冠動脈疾患
- 二次性原因の除外
検査の組み合わせ
- 脂質:LDL/HDL/TG、ApoB/非HDL
- 必要に応じて:Lp(a)、画像評価(頸動脈エコー/CACS)
- 遺伝学的検査はケースバイケース(保険/自費・同意のうえ)
※ 最終判断は総合所見で行います(数値の閾値は年齢・併存症で解釈が変わります)。
家族みんなで確認する流れ(家族スクリーニング)
FH(家族性高コレステロール血症)は家族に受け継がれやすい体質です。
ご本人だけでなく、親・きょうだい・お子さんにも同じ体質がないか、かんたんな血液検査から順番に確認していきます。
① 最初の一歩
- まずはいちばん最初に見つかった方(起点の方)のお話と結果を整理します。
- 必要な方には、LDL・HDL・中性脂肪・ApoBなどを採血で確認します。
② ご家族に声かけ
- 親・きょうだい・お子さんから順番に、同じように血液検査をおすすめします。
- 学校や仕事に支障がでないよう、タイミングや場所は相談して決めます。
③ 結果をわかりやすく共有
- 将来のリスクやいつ・どこまで下げるかを、ご家族と一緒にわかりやすく確認します。
- 必要なら画像検査(頸動脈エコー/CACS)も検討し、今の状態を「見える化」します。
④ お子さん・思春期の対応
- 成長に合わせた安全な方法で、食事・運動・必要に応じた治療を検討します。
- 学校行事や部活動に配慮しながら、無理のない計画を一緒に作ります。
ポイント:
検査や結果の伝え方はご家族ごとにペースが違って大丈夫です。気持ちに配慮しながら、一緒に進めます。
治療の基本(段階的に)
生活介入
- 飽和脂肪・トランス脂肪・超加工食品の見直し
- 適量の身体活動、体重管理、禁煙
- 睡眠・ストレス・アルコールの適正化
薬物療法(例)
- スタチンを基軸に、必要に応じエゼチミブを併用
- 高リスク・未達時:PCSK9阻害薬やinclisiran等を検討
- 画像評価(頸動脈エコー/CACS)で強化の根拠づけ
- 特殊例:重症/ホモ接合体ではLDLアフェレシス等を専門的に検討
※ 妊娠希望/妊娠中・授乳中は薬剤選択が変わります。必ずご相談ください。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修
「FHは家族単位での早期発見・介入が鍵です。ApoB・非HDLと画像評価を組み合わせ、若年からのイベント抑制を目指します。」
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/外科病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士(心臓血管外科学)
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