顕微鏡的血尿(Microscopic Hematuria)|原因・受診の目安・検査(尿/エコー/膀胱鏡)
概要:健診の“尿潜血”は珍しくありません。安全に見極めます。
顕微鏡的血尿は、尿が赤く見えなくても尿沈渣で赤血球が一定数以上検出される状態(例:3個/HPF以上の目安)です。運動・脱水・月経混入など一過性の要因でも出るため、まずは再検が基本。ただし年齢・喫煙歴・家族歴・職業曝露などによっては、しっかり評価が必要です。
※診療時間はお知らせをご確認ください。
受診・救急の目安
救急へ:尿がまったく出ない/発熱+背部(側腹部)痛(感染・閉塞の疑い)/血の塊で排尿困難
早めの受診を:健診で再検を指摘/繰り返す尿潜血/血尿+体重減少・全身倦怠/抗凝固薬の内服中/喫煙歴が長い
原因(代表例)
検査:過不足なく、段階的に
| 再検(安静条件で) | 運動を避け、十分な水分で再度尿検査。蛋白尿・円柱の有無も確認。 |
|---|---|
| 問診・診察 | 年齢・喫煙・職業曝露・家族歴、発熱/痛み、前立腺/尿道症状、女性は月経との関係。 |
| エコー | 腎・尿管(拡張)・膀胱・前立腺を評価。結石や腫瘤のスクリーニング。 |
| 尿細胞診 | 反復例やリスクに応じて選択。 |
| 膀胱鏡 | 膀胱内の腫瘍・炎症・出血源を直接確認(必要時)。 |
| 画像検査 | CT/CTU・MRIで尿路腫瘍/結石の評価(リスクや所見に応じて)。 |
| 腎臓内科と連携 | 蛋白尿・円柱・腎機能異常や高血圧を伴う場合、腎実質性疾患として連携評価。 |
膀胱鏡や造影CTが必要なケースでは、連携病院と一緒に精査します。
リスク層別化(一般的な考え方)
| 低リスク | 若年・喫煙歴なし・尿路症状弱い・一過性要因あり。 → 再検で改善すれば経過観察。必要に応じ数か月〜1年で再確認。 |
|---|---|
| 中リスク | 年齢や喫煙歴あり、血尿が反復、軽度の蛋白尿など。 → エコー+膀胱鏡や画像検査を相談の上で追加。 |
| 高リスク | 高齢・喫煙歴長い・職業曝露(例:染料)、肉眼的血尿歴、尿細胞診異常など。 → 膀胱鏡+造影CTUなどでしっかり精査。 |
最終判断は症状・検査所見・基礎疾患を統合して個別に行います。
フォロー:いつまで見れば安心?
低〜中リスク
- 一時要因が除ければ、6–12か月で尿再検。
- 血尿が消失・安定なら終了も検討。
- 再出現したら再評価。
高リスク・異常所見あり
- 膀胱鏡や画像で原因を特定。
- 腫瘍や結石などが疑わしければ、連携病院で治療を進め、当院で術前後フォロー。
費用の目安(保険/自費の考え方)
| 診察+尿検査 | 保険(自己負担は保険種別・項目で変動) |
|---|---|
| 腎膀胱エコー | 保険(症状に応じて実施) |
| 尿細胞診・膀胱鏡 | 保険(必要時/提携施設で実施する場合あり) |
| CT/CTU・MRI | 保険(適応に応じて/連携病院で実施) |
当院は自費は性感染症の一部のみ、顕微鏡的血尿の評価は原則保険で対応します。
FAQ:よくある質問
どれくらいの赤血球数で“血尿”とみなしますか?
一般に尿沈渣で赤血球が一定数以上(例:3個/HPF以上)で顕微鏡的血尿と扱います。状況により再検します。
運動で出た場合、受診は必要?
安静・水分補給後の再検で消えれば経過観察が多いです。続く/繰り返す場合はご相談ください。
膀胱鏡は痛いですか?
細径の柔らかい内視鏡で短時間の検査です。必要に応じて鎮痛・表面麻酔を使用します。
がんが心配です。
多くは良性ですが、年齢・喫煙歴・血尿の反復がある方はしっかり確認します。異常が見つかった場合は連携病院と協力して治療を進めます。
👨⚕️ 医師監修
荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科
本ページの医学的内容(受診目安・検査・フォロー方針)を確認しています。
- 監修日:2025-10-31
- 最終更新日:2025-10-31
- 監修範囲:本文全体(FAQ・費用方針を含む)
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